なあむ

やどかり和尚の考えたこと

青春の痔 ⑦

2010年05月29日 17時32分59秒 | 青春の痔

地獄のような手術はようやく終わり、病室に戻ってきました。
年配の紳士と二人部屋でした。
終わった安堵感でゆったりと横になっていました。
点滴を受けながら、看護婦さんの説明を聞いていました。
「痛くありませんか」
「はい、大丈夫です」
「麻酔が切れてくると痛むかもしれませんが、その時は呼んで下さいね」
うつらうつら、まどろんでいると、麻酔が切れてきたのか次第に痛みが現れてきました。
枕元のスイッチを押すと、「どうしました?」と聞いてくれます。
「あの、痛いんですけど」
「分かりました、すぐ行きます」
痛み止めの注射を打ってくれ、やがて痛みは和らいできました。
ところが、少しするとまた痛み出し、「痛いんですけど」
「そんなに続けては打てないんですよ、少し我慢して下さいね」
何とか我慢してみるのですが、寝るに寝られず、唸り声が出てしまうので同室の紳士に申し訳なく、「あの、我慢できないんですけど」
看護婦さんも次第に不機嫌になるのが分かりますが、痛みは他人には分からないのだし、何とかしてもらいたいと懇願しました。
明け方になってようやく少し眠ることができましたが、さんざんな一夜を過ごしました。
回診に来た先生が「眠れたか」と聞くので、「痛くて眠れませんでしたよ」と訴えると、「そうかい、それじゃあ、痛み止めの薬を出せば良かったな」って、あるなら先に出せよ、と腹が立ちました。