なあむ

やどかり和尚の考えたこと

青春の痔 ⑧

2010年05月31日 15時27分06秒 | 青春の痔

手術の次の日から食事が出ました。
お粥からご飯と、次第に固形物が出てきます。
口から入れば下から出るというのが自然の摂理。
空腹に少しずつたまってきたものが、長い道のりを出口へと向かい、やがて外へと、排出したい欲求が強まってきます。
痔の痛みは、手術で完結ではなく、これから続章が始まるのでした。
術後の次の日から歩くことを指示され、恐る恐る歩きはできたものの、トイレでは全く別の動きが要求されます。
しかも、古びた病院のトイレはまだ、和式の便器でした。
排出の欲求が出てから、早めにその場所に向かい、何とか一段高いところに立つには立ちました。でも、排出するには、そこから屈まなければなりません。
”屈む”
あー、何と残酷な動きであろうか。
手すりをつかみ、痛みとの折り合いをつけながら、そろりそろりと腰を下ろしていきます。
同時に排出の欲求は強まってきます。
「待て、もう少し我慢だ」「痛い」「早く」「もう少し」「あうー」
何とか屈むことまでできました。しかし、排出するには更にもう一つ別の痛みが待っています。
いわゆる「産みの苦しみ」というやつです。