まりのような花の房は、4から5枚のガク片が数多く集まったものである。漢字で紫陽花と書くため中国渡来のように思われるが、もとは日本で生まれ栽培されていた藍色系統の日本あじさいが原種だそうだ。
江戸時代18世紀末に、シーボルトにより彼の愛妾「楠本滝」の名から「ヒドランゲア・オタクサ」との学名でヨーロッパに紹介され、品種改良の結果、ピンク・赤紫・藤色・白など鮮やかな西洋あじさいとして逆輸入された。
1月末のボケから始まる花の季節がウメ・サクラを経てサツキそして6月梅雨時のショウブ・アジサイとなって一年の前半が終わる。花のサイクル、季節の推移がこの花で大きな区切りとなるように思えるのは私だけだろうか。
シーボルトと滝に因んで「オタクサ」といわれる濃い藍の花は、江戸時代の西欧と日本を隔てる深くて遠い海のように、目の前に広がる。

あぢさゐの甕にあふるる静けさに
耐えつつをれば遠き風音 (岡野弘彦)
あじさいに面影浮かぶ葉の滴 (FS)
江戸時代18世紀末に、シーボルトにより彼の愛妾「楠本滝」の名から「ヒドランゲア・オタクサ」との学名でヨーロッパに紹介され、品種改良の結果、ピンク・赤紫・藤色・白など鮮やかな西洋あじさいとして逆輸入された。
1月末のボケから始まる花の季節がウメ・サクラを経てサツキそして6月梅雨時のショウブ・アジサイとなって一年の前半が終わる。花のサイクル、季節の推移がこの花で大きな区切りとなるように思えるのは私だけだろうか。
シーボルトと滝に因んで「オタクサ」といわれる濃い藍の花は、江戸時代の西欧と日本を隔てる深くて遠い海のように、目の前に広がる。

あぢさゐの甕にあふるる静けさに
耐えつつをれば遠き風音 (岡野弘彦)
あじさいに面影浮かぶ葉の滴 (FS)