Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「きり絵 横浜西洋館&花々の四季」から  ⅩⅡ花歳時記(抜粋)ゆうすげ

2010年01月15日 23時15分52秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 ユウスゲは山歩きを楽しむ人には馴染みだ。葉は少し黒っぽい、というより光を反射する小さな毛がなく、しなやかで落ち着いた色合いといったほうがふさわしい。
 分かれた茎の、重さのためかちょっと曲がった先に、尖ったつぼみと花が並んでいるのは、なかなか見飽きない。茎と花の重さが微妙なバランスを保って上向きに花が咲いている。かすかな風に敏感に反応するつややかで、そして不規則な動きが、見飽きない要素のひとつだ。一方で、かなりの風に揺れても倒れることはない。
 花びらは6枚。タ方開いて、翌日の午前中には萎む。一株でかなりの花が咲く。植物にとっては多くのエネルギーが費やされる。その豊穣を生む力が恋の歌の源となる。
 深夜に咲いているのを見たことはないが、人目に知れず夜露と朝露に晒されることで、あのあでやかな黄色が生まれるのではないかと思う。

タ焼けに黄色の波は揺れ止まず
黄すげの原に俤(おもかげ)騒ぐ (Fs)
夕風に黄の頭を廻らせて
ゆうすげたたずむ尾根の下 (Fs)

 今回のゆうすげでこの冊子の転載は終了となる。次回は表紙とあとがきを掲載する予定。