






本日は旅行の報告の予定だったが、突然の拾い物というにはあまりにうれしい獲物の報告。
昨日帰宅後に旅行中の新聞を見ていた妻がある記事に目をつけた。横浜信用金庫のつくったカレンダーが好評だが、あと若干余裕があるとの記事。普通ならば記事にならないような企業の新年用の顧客向け配布カレンダーの内容。ところがそのカレンダーが横浜美術館所蔵の長谷川潔(1891-1980)の銅版画をあしらったものだというのだ。1枚ものと6枚ものの2種があるという。
長谷川潔の銅版画は横浜美術館での回顧展がかつてあり、妻も私のファンになった。横浜美術館が長年収集に力を入れ1650点以上の作品群が所蔵されていると聞いている。黒の色合いが大変美しい、そして細部へのこだわりがよくわかる銅版画だ。
朝あわてて横浜信用金庫に電話をすると6枚ものはすでに無いかも知れないが、支店に行ってみてほしいといわれた。あわててある支店に駆けつけてみたところ、1枚もののカレンダーが箱に入って「ご自由にお持ちください」とばかりにおいてあった。6枚ものは置いてないのでもう無理かとおもいつつ窓口で図々しくたずねてみたら「1部だけなら渡せます」とのこと。1枚ものは「複数もっていってもいい」という事だったがそこまで図々しいことは出来ない。しかし両方を1部ずつありがたく、喜んでいただいてきた。
これはとても素敵な企画である。面白いことに1枚もの(そしてこれは6枚ものの表紙でもある)の「花束」、そして6枚ものの1-2月の「奇術」、3-4月の「二つのアネモネ」、5-6月の「半開きの窓」の作品は私にも妻にも記憶がない作品だ。こんなに明るい作品があるとはすっかり忘れていた。7-8月の「アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船」9-10月の「狐と葡萄」と11-12月の「草花とアカリョム」の3枚はとても気に入った作品で絵葉書を購入した記憶もある。
当時のカタログをめくってみたら、2006年1月~3月にかけて「横浜、そしてパリ-銅版画家長谷川潔展-作品のひみつ」と題して、このカレンダーの作品7つとも展示されていた。
私は1959年以降の黒を基調とした作品がとても気に入っていて、それ以前の作品が頭から消えていたのだ。このカレンダーを見て、あらためて当時のカタログをめくってみることにした。


そして手に入れたカレンダー、早速家の中でかざることにした。1枚ものは私の部屋に、6枚ものはリビングルームの目立つところにかざった。大事にしたいカレンダーである。
いづれも大きな画面なのでスキャナーできる大きさを越えているので、床に置いて写真撮影したものである。かなり急いで撮影したし技術もないので見にくいのは我慢していただきたい。