江戸東京博物館の開館20周年記念「ファインバーグコレクション展 江戸絵画の軌跡」と同時に、「発掘された日本列島2013」展、「発掘江戸の華」展が開催されていた。
ここ数年、「発掘された日本列島○○○○」はいつも見に行こうとして時期を逸していた。今回初めて見ることになった。
旧石器時代から江戸末期までの埋蔵文化財の発掘の概略の展示である。どれも私自身勉強不足で、見てまわるだけの感じである。しかし興味はどの時代に対しても持っているつもりだ。
感想は二つ。
いつも縄文土器の展示で思うのだが、土器の底があんなに尖っていて、展示するのにも支えがないと自立しない形が多い。どのように使用したのか、私には想像が出来ないのだが、研究者はどのように使用したか理解されているのだろうか。
どこかの展示で、自立する形の土器に、この底の尖った土器を差し込んで、更に底に穴のあいた土器をかぶせて、蒸し器のように使用したと解説したものがあったが、今ひとつピンとこない。
貯蔵するにも不便だ。今回急須のように注ぎ口のついた底の丸く若干尖った土器も展示されていたが、どのように持って注いだのだろう。
何処かの展示で理解できる使用方法を示してくれるとあり難いのだが‥。
もうひとつは、今回宮内庁所蔵の陵墓からの出土埴輪の展示があった。宮内庁管理ではなく、「所蔵」というのも不思議な言葉の使用だと感ずるが、小出しの展示ではなく、ひとつの古墳や古墳群の全体像がわかるような体系的な展示が欲しいと思う。今回も実に精細な形状を最新の測量技術で計測した画像が百舌鳥古墳群・古市古墳群で示されていたが、結果だけの展示に終わっている。
「天皇陵」として調査が制限されていることについては問題も多く批判が強いのだが、同時に宮内庁からの一方的な調査結果の提示だけに終わらされてしまうことには、展示に対する消化不良もあり、大いに疑問を感ずる。今回の展示の仕方からはそんな感じを抱いた。
併行して、「発掘江戸の華」展も開催されていた。毛利藩の下屋敷跡から出土した地鎮具に金や銀の永楽通宝や仏具があったのは、祭式のあり方も含めて興味をそそられた。また伊達藩屋敷跡や鍋島藩屋敷跡から出土した陶器の彩色や描かれた紋様や形状の美しさが心に残った。
これらが通常展示に生かされることを望みたい。