Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

なさけない

2014年10月20日 23時44分24秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 しかし議員にとって公職選挙法というのは基本の法律なのだが、法務大臣がそのことに無知というのはあまりにひどいのではないだろうか。
 「うちわ」が「財産上の有価物か否か」という以前に、違法な配布物として各自治体の選挙管理委員会などでは規制されているものであることを知らないというのがおかしいのである。選挙の基本もすべてスタッフ任せといういい加減な議員であったというしかない。議員であること自体の資格がないということなのではないか。
 少しでも選挙にかかわったことがあるものならば、適法な配布物とは何か、適法な行動とは何か、適法な会計のあり方とどういうものか、をまず知らなくてはならないはずである。
 さらに区の選挙管理委員会も法に抵触する可能性のあることを表明していたこと、「うちわ」に記載された「討議資料」の小さな文字も当初は印刷されておらず、後に配られたものから記載されたことも明らかとなった。政党支部による配布の場合は選挙目的との立証が必要らしいが、配布そのものが選挙目的以外であることはあり得ない。

 「うちわ」が「有価物か否か」「イベントで捨てられる類のもの」という決めつけならばティッシュや下敷き、メモ帳なども「うちわ」と同程度に「安価」で、「うちわの機能程度の有用性を有し」、「その場ですぐに捨てられる類」のものとして規制の対象から外すしかなくなる。
 しかも反論の仕方自体が稚拙・無知ではないか。当初は「討議資料」と反論していた。だが「働きます日本のため下町のため」という字句と、成立した法律の列挙が「討議資料」というのではあまりに有権者を嘗めていないか。

 こんな人間に国会議員が務まっているということが「日本のため」になっていない。

ブラームス「クラリネットソナタ作品120」

2014年10月20日 22時08分33秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等


 ブラームスにとって最後の室内楽曲となるのが、このクラリネットソナタ作品120の2曲である。この曲の後は2年後(死の前年)の1896年に「4つの厳粛な歌」と「11のコラール前奏曲」が作られている。そしてこの曲をヴィオラ用に編曲されたものが翌年の1895年に作られている。
 現代ではクラリネット用、ヴィオラ用共に多く演奏されている。
 またバイオリン用にブラームス自身の手で編曲されているが、こちらはバイオリンの低音部に集中してしまっていることとピアノのパートが大幅に変わっていてバイオリンソナタとして必ずしも成功したものになっていないので現代ではめったに演奏されない。
 この作品は2曲のソナタになっているが、第1曲目は4楽章形式で、旋律がブラームスらしい情熱的な感じがするのに対して、第2曲目は3楽章形式で落ち着いた気分を味わうことのできる曲である。ともにブラームスらしい側面を表していると思う。そして2曲目の最後の第3楽章は変奏曲でブラームスの得意とした型式を味わうことができる。
 第1曲目の第2楽章はクラリネットの美しい旋律が切れ目なく続く。聴きどころになっていると思う。第3楽章のクラリネットの旋律はこの楽器の低音の魅力を存分に味わうことができる。第4楽章は軽快なリズムに乗って快活な印象。クラリネットの細かな刻みは聞かせどころ。
 第2曲目の第1楽章、第2楽章、第3楽章の冒頭に吹かれる主題は一度聴いたら忘れられない曲である。私は第2楽章の主題は、どこか大空に向かってろうろうと響く角笛のイメージを持って聞いている。第3楽章は静かで抒情的な主題が5つの変奏曲として変化していく妙味を味わうことができる。
 私はこの2曲をブラームスの遺作として昔からジックリと聞いている。他の曲は現役の頃はどうしても仕事をしながら、あるいは資料を読みながら聞いてばかりであったが、この曲を聴くことに専念して聴いた。