Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

ブラームス「クラリネット五重奏曲」(作品115)

2014年10月18日 22時00分45秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等


 ブラームスはクラリネットのための曲を4曲作っている。まず1891年に完成した、このクラリネットと弦楽四重奏のための「クラリネット五重奏曲」(作品115)、並びにクラリネットとチェロ・ピアノのための「クラリネット三重奏曲」(作品114) 。さらに1895年に完成している2つのクラリネットソナタ(作品120) 。
 いづれも1891年に知り会った名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトに刺激を受けたことが作曲の動機となっている。前2曲はブラームス58歳、ソナタは62歳と最晩年の作品である。
 作曲への意欲の減退に悩まされていたブラームスを刺激して4曲もの創作に駆り立てたクラリネット奏者ミュールフェルトという名手に感謝しなくてはならないと思う。姉妹曲と云われるこの五重奏曲と三重奏曲、特に五重奏曲は名曲と云われている。私もよくこのCDをかける。ブラームス自身は三重奏曲の方が気に入っていたらしい。

 クラリネットという楽器はヨーロッパにおいて17世紀末ごろに発明された楽器である。比較的歴史が浅い。クラリネットという楽器は不思議な楽器で、低音と高音で温実ががらりと変わる。どの音域で音色が変わるのかはわからないが、低音は丸みのある太い音、高音域は鋭い細い音と形容するのがいいように思う。私は低音の響きが好みである。低音から高音にいたるパッセージや音質の違いを吹きこなすにはとても技術がいるということを聞いたことがある。

 第1楽章の冒頭のバイオリンの重奏で一気に引き込まれる。とても明るい印象の出だしである。第2楽章はいわゆるジプシー調と云われる旋律で、静かな哀調を帯びた透明なクラリネットの旋律が私の好みである。以前はこの第2楽章だけを聴く場合も多かった。クラリネットの美しい音色がとても印象に残る。第3楽章は少し暗い印象もある。いかにもブラームスらしいスケルツォ楽章だと思う。第4楽章は主題と変奏曲というつくり。5つの変奏曲それぞれが違う様相であらわれてくるのが印象的である。チェロのソロのような個所も聴きどころである。冒頭のモチーフが突如再現するなど、変化に富んでいる。

 実はクラリネット三重奏曲はCDを持っていない。だいぶ以前にラジオ放送で聴いたことがあるだけだ。他にはホルン三重奏曲も持っていない。これを機会にできるだけ早めにこれらのCDを購入してじっくりと聞いてみたいと思っている。

 このCDにおさめられたウェーバーの「序奏と主題と変奏」はとても明るい曲である。クラリネットがこんなに明るく屈託なく、そしてバイオリンの明るい音色に陽気に絡んで進行するのは、ブラームスとは対照的に思える。ただし解説によるとウェーバーの作曲ではないのではないかという疑問もあるそうである。

      

野分

2014年10月18日 18時16分36秒 | 読書
 私は野分という言葉が好きである。
 野分は秋の暴風で野の草を吹き分ける意味からきた言葉という。台風がもたらす暴風とその余波を指すという解説もある。野分は江戸時代から盛んに使われたらしい。ということは新しい言葉なのだろうか。現在いうと台風のことを指していたという理解でいいようだ。

★今生はつぐなひの生遠野分   能村登四郎
★首飾りざらと置きたる野分かな  波多野爽波
★白墨の手を洗ひをる野分かな   中村草田男
★野分中つかみて墓を洗ひをり   石田波郷
★野分雲透きし虚空をわが覗きぬ   石田波郷
★頬杖の指のつめたき夕野分   高柳重信
★少年や個々に野分を秘めて彳つ   味元昭次
★聖書今ユダの裏切り野分来る   友定栄子
★野分中徳利二本のバースディ   尾辻笑子
★野分中欠けて目のなき石の亀   加藤楸邨

重なってしまった二つの講座

2014年10月18日 09時13分38秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 本日の講座はふたつ、時間が重なってしまった。時間が重ならないように13講座を選択したが、どうしても本日だけは重なってしまった。

 13時14時半までは、からみなとみらい地区で「歴史に学ぶ-近代から現代まで-」の第2回目「日本のレイシズムに見る消えた時間と文学」(講師:作家で法政大学教授の中沢けい氏)。
 14時から16時までは、六角橋キャンパスで「大震災の教訓に学び、減災の重要性を考える」の第3回目「災害大国日本の課題と将来-今こそ、減災の重要性を考える」(荏本孝久神奈川大学教授)。
 会場が離れているので、「歴史に学ぶ」が終了後に駆けつけても「大震災‥」の会場に着くのは15時15分を過ぎてしまいそうである。

 中沢けい氏は、横浜出身の作家であることは知っているが、作品を読んだことも発言を聞いたこともない。どのような講義なのか興味深々と言ったところ。
 「大震災‥」の講座は100名近く入る教室が毎回満席になる。関心は高い。


 最初、゛歴史に学ぶ」の講座は第3回目で講師は松本健一氏と記載したが、これは次回の講座であった。訂正しました。ご指摘がありました。感謝申し上げます。