本日の午前中は自宅にて「もっと知りたい ルドン」(山本敦子外、東京美術)を読み終えた。
ルドンは好きな作品はいくつもあるが、黒の時代の石版画集の諸作品はどれも惹かれる。
さらに色彩、特に色彩が溢れて以降の、青を基調とした諸作品に惹かれる。
《老いた天使》(1875)、《グラン・ブーケ》(1901)の青い花瓶、《オフィーリア》(1905)の青い花弁、《仏陀》(1905)の青い空や遠景の靑等々。さらに《キュクロプス》(1914)なども印象的である。
今回、《オリヴィエ・サンセールの屏風》(1903)や《ドムシー城衝動装飾画》(1901)をあらためて図版で見たときに、思わず琳派の酒井抱一の諸作品(《秋草図》《秋草鶉図》等)を思い出した。日本美術に傾倒していたピエール・ボナールの影響なども想定される。
ルドンはモネと同年生まれ。影響を与えた人物、交流のあった人物としてウジェーヌ・ドラクロワ、ギュスターヴ・モロー、エドガー・アラン・ポー、シャルル・ボードレール、ステファーヌ・マラルメ、クロード・ドビュッシー、などがいることを知った。断片的に知っていただけではよくわからなかった交友関係の一応の全体像を知ることが出来た。
2018年の三菱一号館美術館での「ルドン 秘密の花園」展の図録をあらためて眺めてみると、この本で取り上げてあり、今回あらためて認識した諸作品もすでに私は見ていたことになる。
この図録の解説もさらに丁寧に読んだほうが良さそうである。