朝のうちは寒かったが夕方以降は風が強くなり気温も上がってきた。現在は風がとても強くなり、北側の窓が煩いほどに鳴っている。本日は欲張った読書タイム。
朝のうちは「大人のための残酷童話」(倉橋由美子、新潮文庫)の最後の1編を読み終わった。ほぼ読み終わっていたが、そのまま忘れてしまっていた。
全部で26編、あとがきで作者は「これが童話であって小説でないのは、描写を通じて情に訴えるという要素をすっかり棄てて、論理によって想像力を作動させることを狙っている‥。子供にはいささか毒性が強すぎるのと、話の性質上思わずエロティックに傾くことがあった‥。」と記述している。
ただし、それなりに楽しめた毒であるが、毒が充分に有害な毒であったか、疑問は残った。
昼食時間を挟んで日経サイエンスの別冊「太陽系新時代 探査機で迫る生命の起源」を読み始めた。第4章の「小惑星」の半分ほどを読み終えた。
昼食後は、いつものとおり横浜駅まで歩き、いつもの喫茶店で「辻惟雄 最後に、絵を語る。」(辻惟雄)の第3講「応挙と蘆雪」の6割ほどを読んだ。辻惟雄の円山応挙評価は初めて目にするが、かなり高い。
「応挙の絵は、実際の空間で見ないとわからないものが多い。特に障壁画は、絵画空間と現実空間の連続性ということを非常に重視して描いている。蘆雪や若冲、蕭白の絵の魅力はフラットな図版でも、空間性を重視した応挙の作品の真価は伝わりません。」
「応挙の功績は、民衆のための絵に対する需要が非常に高まって来た18世紀の京都を舞台に、新旧のさまざまなスタイルを「総合」したということ。江戸時代中期までの日本の伝統に、中国画、西洋画の要素を取り入れて、分かりやすい表現にしていったんです。」
「(四季の月図など)月と雲と夜の空気、光と闇の関係、こういうものを表現できるのは、近代的としか言い様がない。」