先ほどまでベートーベンの合唱幻想曲をズームで解説付きで聴いた。私も以前に一度聴いた記憶はあるが、ほとんど記憶に残っていなかった。本日初めて聴いたといってもおかしくはない曲である。
作曲の年が1808年、ナポレオンがスペインに侵攻した年である。ゴヤがその悲惨な戦争を題材に多くの作品を残した。
そしてベートーベンが第5番と第6番の交響曲と同時に仕上げた。ヨーロッパにとっては激動の時代の曲。ベートーヴェンの作品の流れからも重要な年だったと思われる。
この曲には、第9番の交響曲の第4楽章によく似た旋律が出てくる。ベートーヴェンが温めていた楽想をどのように仕上げようとしていたか、興味深く聴くことができた。
完成された第5番や第6番を聴くのとは違う味わいがある。さらにもう一つ知ったのは、この曲ができた当時は、まだ現代のビアノよりも音量の小さいピアノフォルテの時代ということ。知ってはいたが、あらためて教えてもらった。現代のビアノでバリバリ弾くと作曲家の思いとはまた違ってしまうのであろう。当時の音楽に親しむためには少し聴き方を変えなくてはいけないのかもしれなかった。
ベートーヴェンのビアノの曲を聴くときは、頭の片隅にキチンと記憶しておきたい。
こういう曲を解説付きで楽しめるのは、とてもありがたい。