本日の講座、中久保辰夫京都橘大学准教授の講義はまとまっていて、論旨も明確で勉強になった。
古墳時代を国家形成の初期段階から成熟段階の移行期としたうえで、古墳からの出土品の分析結果から渡来人の役割を次のように位置づけ。
3~4世紀⇒物質入手型対外交流:海洋民の存在が重要
5世紀⇒技術・知識導入型:手工業生産の殖産、地域開発進展
6~7世紀⇒技術・知識導入型:手工業生産の定着、交通網整備と都城出現前夜
さらに日本列島における渡来文化受容の特質として
→受け身ではなく、戦略的受容
→器物の日本列島独自の変容
・「倭風化」
・民族移動や制服説で考えることは難しい
・地域社会の主体性が明確 →外来文化や器物を取捨選択、在来のモノと融合させ技術革新
→通時代的な日本文化の基層に
この最後の行の結論については私はあまりに早急な一般化、通時代的な結論だと思わざるを得ないが、それまでのまとめは理解できた。
「アートの魅力」の5回連続講座の第1回目は「残念ながら」という内容。2回目以降に期待することにしよう。