九州などではかなりの豪雨が予想されているようだ。どのテレビ番組を見ても、猛烈な雨の中を車がかなりのスピードで走っている。視界がかなり悪く、画面を見ていても10m先が煙っていたり、前の車が見にくくなっていたり、路面の冠水の中を走行している。NHKまでがそんな画面を放映していた。とても気になった。あんな画面を流して、事前にチェックされなかったのだろうか。
あの猛烈な雨の中の走行は危険である。私も道路管理者として、四輪駆動のランドクルーザータイプのパトロールカーで台風や大雨、大雪の中を走り回っていたが、前の車が見えなくなったりしたら走行は中止して、周囲よりは高い道路の路肩でいったん駐車をして待機した。そしてしばらくは様子をみたものである。事故の当事者となってはならないのである。
危険な状況で走行して放映するよりも、猛烈な雨では走行しないような注意を促すことのほうが重要である。私は雨や水や雪の被害が想定されるときは、基本的には走行をやめるべきであると思っている。まして冠水していたら、エンジンが止まるだけでなく、車から脱出も困難になる。
雨中を走行せざるを得なくなる以前の避難の呼びかけが必要である。マスコミも災害時の危険な走行を無批判に放映するのが使命とは思えない。現在もマスコミは避難の呼びかけをしているが、早めの避難を具体的により身近なものにする必要がある。そのほうがより安全であることは論を待たない。「猛烈な雨では車の走行は危険になるので、その前に避難を」という具体的な注意喚起が必要ではないだろうか。マスコミと行政の役割に違いはあるので、私などがどう表現したらよいのかわからない点もあるが、何らかの表現の工夫が求められていないか。
またマスコミに期待したいのは、高齢者に限らず、現役で働く世代や学生・生徒の避難の在り方などは社会全体の問題点を浮き彫りにしてくれる報道である。
さらに、最近は危険な個所での放映を放送局が競い合うことは少なくなったが、それでも「危険だな」と思う放映も時々目にする。いつまた危険の競い合いが始まるか心配している。犠牲者が出てからでは遅い。