メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『パリの恋人』

2008-03-22 21:55:58 | 映画
『パリの恋人』~Funny Face(1957)
監督:スタンリー・ドーネン 脚本:レオナード・ガーシュ 音楽:アドフル・ドイッチ
出演:オードリー・ヘプバーン、フレッド・アステア、ケイ・トンプソン、ミシェル・オークレール、ロバート・フレミング ほか

Loving that Funny Face - An Audrey Hepburn Tribute

こちらも豪華な顔合わせ。
冒頭に「ヴィスタサイズ」と大きく表示される。
「横縦比が1.66:1程度の横長の画面サイズ。パラマウント・ピクチャーズ社が開発した。」とのこと。
シネスコと見え方が実際のところどう違うのかはイマイチ分からない

しかも全編を通して画面がなぜか異常に暗いのが気になる。
オードリー扮する書店店員ジョーが働いているお店のシーンも、モデルの仕事を始めて、
写真撮影をするシーンも、屋内&屋外問わず、なんでこんなに照明が暗いんだろうか???
せっかくパリでの有名観光地を巡るロケシーンも見事に曇り空ばかり。

それに時代のせいか、アメリカから見た「華のパリ」的描写がとってもアンナチュラルw
よく洋画に出てくる日本人がすごい変テコなのに似てる。今作に出てくるフランス人はなんだか奇人変人ばかり。
オードリーも、彼女が傾倒している変な思想家も黒いモジモジくんみたいな服を着てるし
リアリズムを追求する今の映画の撮り方とはだいぶ違ってたのだろう。

そして登場人物がよく喋る、喋る!ファッション業界のカリスマデザイナーにはじまり、
オードリーもアステアも早口で終始まくしたててるから、心の休まるシーンが少ない。
肝心の歌とダンスシーン。オードリーは幼少の頃バレエを習っていたことがステップに現れている感じ。
歌って踊るヘップバーンを観るのも一興。
カメラマンのアステアが見事なステッキさばきと、コートの赤い裏地を闘牛に使うマントに見立てて踊るシーンも見所。
なぜカメラマンがあんなにダンスが上手いかって細かいことは置いておいてw

特典には今作がつくられた1950年代のパラマウント映画の数々を紹介する記録フィルム付き。
和訳字幕がついてないのが残念だけど、アカデミー賞をとったグレース・ケリーの姿などが見れる。

それにしても、オードリーの可憐な美しさは時代を問わずわたしたちを魅了しつづける。
彼女を初めて見たのは、映画雑誌『スクリーン』かなにかの付録でついてたモノクロのポートレイト。
当時わたしは小学生くらいで、その美しい女性がヘップバーンだとも、有名な女優だとも知らずに、
ずっとその写真を大事に持っていた。
今作でもファニーフェイスとしてセンセーショナルなモデルデビューを飾る話だけど、
マリリンのようなグラマラスな女優が主流だった当時のハリウッド界にまったく別次元の美しさの基準をつくった女性だ。

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2008-03-22 15:24:39 | 日記
金曜の朝見た浅田真央ちゃんの逆転優勝シーンの涙にはもらい泣き。
個人競技はとにかく自分との闘い。本番が始まってしまったら頼れるのは自分だけ。
想像もできないほどのプレッシャーの中では、精神力がすべて。
これまで積み重ねてきたハードな練習の日々を自信にして、自分を信じるしかない。
年々、低年齢化するプロスポーツのトップ争いの中で、こんな華奢な少女が起こす奇跡にただただ感動。


会社で仕事中の昼時、どこか近くでホーンの音色が聴こえてきた。
以前も同じことがあって、慌てて出たらもう終わったのか見当たらなかったんだよね。
今なら間に合うかも?仕事してても集中できなくなって慌てて外に飛び出した。
会社から少し歩いたところの店の前で、ちょっと地味めな中年男性(失礼だ)が
オーケストラの音(多分CD)に合わせてペットとサックスを吹いていた。
曲は、分かりやすい♪Take the 'A' Train とか。
こんなに堂々と演ってるんだからきっと許可を取ってるか、なにかの宣伝かもしれないな。
限られたランチタイムでなければ、最後まで聴いていたかった。
とにかく、音の正体が分かってスッキリv


そして夜、寝る前に松尾部長のブログを読んだせいか、部長の夢をみたw
舞台当日がものすごい大雨で、下っ端劇団員らしいわたしは開演ギリギリで道に迷ったりしてる
途中、大きくて立派なを渡る橋があって、自転車で渡りながら、暮れてく景色に感動。
写メを撮ろうとしても暗すぎて失敗。
今度はこの道で毎日通うことにしようと思うが、どこから橋を降りたらいいか忘れた。
適当に降りてみたらすごい畑のど真ん中で、土や野菜で自転車の車輪をとられながら
やっと劇場についたのは9:10。午前の回の開演は9:20から始まる。
着替えて自分の出番までにはギリ間に合うかも?でもトイレに隠れていようかとも思う/苦笑

いつもの『眠り男~』で調べてみたら、
は人生の目標を象徴しています。橋が壊れている場合、試練を必要とする事態が訪れることを暗示しています。
橋を渡りきった場合は目標を達成することができます。この夢に現われる川は橋と同様のニュアンスを持ちますが、特に大きな河川が現われる場合はもっと大きな目標を示しています。
川の流れや水の状態が現在、あるいは近未来の夢主の状況をあらわしています。」だって。


昭和の名曲コーナー第8弾。

スワニー/江利チエミ

父が大好きな江利チエミのレコードは家に何枚かあって、小さい頃それをVICTORの
ステレオプレーヤーにのっけて聴く時ドキドキした。
最近のミュージカル映画ブームでこの曲がジョージ・ガーシュイン作だと知る。
レコードで聴くと彼女の声の迫力は格別だったなあ!こんなパソで聴く薄っぺらい音とは比べものにならない感動がある。

カモン・ナ・マイ・ハウス
この曲も大好きで、英語もジャズも分からず耳コピでよく歌ってた。
邦画のこんなミュージカル映画もあるんだ!面白そうだと思って探したけど見つからなかった。
いつか出会えますように。。

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『上流社会』

2008-03-22 13:37:39 | 映画
『上流社会』~HIGH SOCIETY(1956) MGM
監督:チャールズ・ウォルターズ
出演:グレース・ケリー、ピング・グロスビー、フランク・シナトラ 他
音楽:コール・ポーター

3人のビッグスターが顔をあわせた今作。音楽担当はコール・ポーター
ミュージカル映画を観る上で彼の名前が何度も出てくるので気になった。
たくさんのスタンダード曲を生み出した才能ある作曲家だったんだな。
今作にもたくさんの名曲が随所にちりばめられている。

まず冒頭から「お話がはじまるよ!」なんてサッチモがお茶目にあらすじを歌っているのは、
High Society Calypso
これって、以前『はまけんジャズ祭』で久保田くん率いるGentle Forest Jazz Band が演ってた曲だ!
彼が書いた曲だと思ってたけど、この原曲を楽しくアレンジしたんだあ!

story
富豪の娘サマンサ(ケリー)は、デクスター(グロスビー)と離婚して、堅物の鉱山所有者
ジョージとの再婚を祝ってパーティーを開くことに。
しかし、父親のスキャンダルをネタに2人の記者が取材しに来たり、前夫のデクスターが横槍を入れたり。
「美人だけれど思いやりのない氷の女だ」と言われたことを気にして泥酔したサマンサは、
記者マイク(シナトラ)と朝まで踊り明かしてしまい、自分もけして完璧な人間でないことに気づく。。

意気投合したグロスビーとシナトラが書斎で歌うDid you ever?  も楽しい歌。
これは、誰かが歌ってたのを聴いたことがある!ロビー・ウィリアムスかなぁ???

シナトラがケリーを口説く♪Mind if I make love to you? もステキ。
シナトラって、どぅー見ても甘いマスクとゆうより強面だと思うけど、こんな甘い声で
抱き合ってダンスしながら歌われたら、誰でもウットリしてしまうよね。

今作では大袈裟な演技が不自然な感じだけど、グレースの完璧な美しさはまさに女神級
真っ白くて華奢な肌を、上品で高級そうなドレスに包んで、金髪を輝かせて、この世の者とは思えない。


追。
なんとっ!『日曜洋画劇場』のラストに流れる曲もコール・ポーターの作曲による
♪So in Love (モートン・グールド編曲ver.)とのこと。
映画を観終わった後の余韻を残しつつ、この週末も終わりか~ってしみじみ思ってしまう。
いろんな思い出がよみがえる、心が揺れる名曲だ。


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