■『ありあまるごちそう』(2005)
日本は世界でも類を見ないくらい大量に食べ物を廃棄している国だという。
自分が食べきれずに捨てられてしまう食べ物を分けることができたら、
1日生き延びるヒトがいるのに、といつも思う
『フード・インク』はもう観たと思っていたけど、ブログ検索しても出ない?
『いのちの食べかた』と勘違いしてたんだな。
今作だけでも胸が痛むのを通り越して、吐き気と不安感でいっぱいになったんだから、
『フード・インク』との同時上映を劇場で観るなんて到底できそうにない
ほんとうに、観れば観るほど絶望的な不安に駆られる。
これが私たちの住んでいる世界の姿だ。
この現状を知って、まず、不安や疑問に思うことが第1歩だと思う。
また長くなるけど、以下に内容の抜粋をメモした。
【パンの大量廃棄】
「冬、路面にまく凍結防止用の塩のほうが高い。農家が作る小麦より塩が高いとはね」
ウィーンでは毎日大量のパンが処分される。
パンの廃棄は年に2000トン。製造後2日程度の品でまだ充分食べられる。
農地の10%には何も植えない。休閑地にはEUから補助金が出るからだ。
今、その休閑地にトウモロコシを植えている。暖房の燃料用に需要が高まっている。
【いい魚とわるい魚 工業化がすすむ漁業】
「自然は正確だ。いい加減に扱ってはならない」
代々の知恵で小型船で漁業をしているおじさんがカッコいい。
大型船は十数日も漁に出るから魚にストレスをかけ、身もダラッと下がる(鮮度が落ちる
漁師はこう言う「あれは食用じゃない、売り物だ」
EUは漁業を完全に工業化するため、小型船の漁師から情報を集めている。
「EUは小型漁船を減らし、大型漁船を増やそうとしているんだ。
私たちは一年中乱獲するような真似はしない。魚資源の枯渇を招いてしまうからだ。
ところが大型漁船は年中、大量の魚を獲る」
【広大なビニールハウス農業 3000キロを旅するトマト】
大勢の住人を移住させてまで広大なビニルハウスを人工で作り、野菜を育てた「アルメニアの奇跡」。
しかし、日照時間が長いライバル国が増え、町の人口も減っている。
「ものには適正価格があるが、皆安いほうを買う」
「豊かなEU諸国やアメリカは、国内の農民に対して補助金を支払っている。
農産物への助成金だ。昨年は3490億ドルもの金が支払われた。
1日に換算すると10億ドルになる。それは農産物の不当廉売を招き農業が崩壊する。
農業が主産業の南半球では死活問題だ」
「暑い日差しの中18時間農作業をしても、外国産の野菜に勝てっこない。
自国で食べていけないとなるとどうなる? 危険を冒して移住するしかない。
南スペインに行くか、パリで清掃業者になる。そして非人間的な条件で働く」
トマトはヨーロッパを横断して輸送される。輸送コストは棚代の1%に過ぎないからだ
【押し寄せる遺伝子組み換え種子と岐路に立つ自然農法】
大規模な種苗会社の部長が語る。「幸せと金は関係ない」
「農民はいまだに幹線道路で馬車を使っている。資金不足だからだ」(地球には馬のほうが優しいけどね
「皆、交配種の見た目の良さにひかれて買う。でも味は在来種より劣る。有機栽培に戻すには時間がかかる。
会社の方針とは異なるが私個人の感想だ。私は美味しいものを提供したい。それだけだ」
会社と違う考えで働き続けるのは辛いだろうな・・・
「子どもたちはトマト本来の味を知らずに育つ」
「進歩というのは止めることができない。物事は限界まで進歩し続けるものだ」
「長くもつよう改良された野菜は、食糧を必要とする国に輸出すればいい。
でも、これが輸出されることはない。食料が充分に足りてる国で消費されるんだ」
「餓死者が10万人も出るのに助けられないのか?それとも我々に救う気がないのか?
富は貧しい人たちから搾取することで蓄積される。
我々は貧しい人を犠牲にして生きている。企業の仕事は慈善事業じゃないからだ」
「5秒に1人、10歳未満の子どもが餓死し、ビタミンA欠乏で4/1が失明する。
昨年は8億4200万人が栄養失調に苦しみ、仕事ができず、家庭生活や性生活も損なわれた。
飢餓が増えているということだ。
今の世界経済なら問題なく120億人を養える。餓死は殺人にほかならない」
【ニワトリが熱帯雨林を喰い尽し、農民が飢えるという謎】
1975年以降、伐採で消滅したブラジルの原生林は、フランスとポルトガルの面積に匹敵する。
原生林1平方メートルの価格は1セントだ。
アマゾンの木を伐採して大豆畑にした。もともとそぐわない土地だから肥料を加えて人工的に変えた。日本にも輸出されている。
子どもが熱病にかかると分かっていても、汚れた水を飲ませざるをえない状況とは?(煮沸もできないのかな?
「働きたくても仕事がない。ヤギの乳で子どもをやっと育てることができる。
母ヤギは借りている。だから子ヤギは乳が欲しくて鳴き通しだが仕方がない」
「私は字が読めない。子どもには学校に行かせたい。政府からの支援は届く時もあれば、届かない時もある」
「ブラジルの北東部で母親が行う風習を紹介しよう。
晩に子どもが空腹に耐えかねて泣くと、母親は鍋に水を入れてかまどの火にかける。
その鍋に石を入れて煮立たせ子どもに言うんだ。
“待っててね。もうすぐ夕食ができるから”
そのうち子どもたちが泣き疲れて眠るのを待つんだ」
are you happy???
【ヒヨコから鶏肉パックまで 鶏肉加工処理工場のすべて】
ブロイラーの様子は『いのちの食べかた』でも観た。ヒヨコは可愛いけど、この工場では絶対働けないな
「非常識で残酷で傲慢な経営者が増えている。
叩き上げの経営者が減ってきているせいだ。
大学出の経営者は立派な学位はあるが、叩き上げと違い現場での経験がない。
畜産業に関しては素人同然で、広告による理想的な姿しか知らない。
だから現実的ではない。価格にばかり気を取られて、味は二の次にされがちだ」
“味は二の次”じゃなくて、「命が二の次になってる」の間違いでは?
「少数の飼育では採算が合わず利益が出ない。
そのため大量に飼わざるをえなくなっている。
儲かっても1羽あたり20セントだ」
「まず、鶏を気絶させる。水の中に電流が流れているんだ。
鶏の頭を水の中に通して意識を失わせる。
その後、この回転刃で絶命させる仕組みだ」
ベルトコンベアでどんどん運ばれ、処理されるまでの一連のサイクルは約8週間。
申し訳ないが鶏が処理されてゆく様子はとてもじゃないが直視できなかった。。
「昨年1年間に世界が生み出した富の合計、すなわち世界総生産の52%は、グローバル企業500社によるものだ。
この500社の目的は、ただ1つ。利潤の最大化だ。株主のために利益を出さなければならない。
専制的な大企業による殺人的な戦略なんだ」
【世界最大の食品会社の使命】
グローバル化生産コストのより低い国に移るというシステム。
ラストは世界で27位の規模を誇る「ネスレ」の代表者が語った。
ミネラルウォーターでは世界一の規模。
「自然とはバランスの取れた付き合いをしている。
アメリカでは15年間、遺伝子組み換え食品を消費した。
それによる健康被害は1件もない」
「雇用の確保にも貢献している。企業の収益を維持し、その将来を確かにすること。
世界が抱える問題にも積極的に取り組めるからだ」
「週35時間労働制というシステムがある。仕事をシェアする働き方だ。
1人の仕事量は減り雇用は増える。だが、これは誤りであると明らかになった。
人は、より多く働くべきだ」
「我々の暮らしは豊かになった。昔より健康に生きられるし、寿命ものびている。
しかも何でも手に入る。それでも悲観する人がいるんだ」
「これは日本だ。ほとんど無人で働いているからすぐ分かる」って褒めてた?のも複雑だった
空撮もグライダーみたいなので撮っているのも今作のコンセプトなのかな。
私は募金等を信じていない。
これまでどれだけ長いこと相当な大金を注ぎ込んだにも関わらず、
飢餓で苦しんでいる人たちの生活はなにも変わらなかったから。
どこかで歪められている気がするんだ。
それでも、そうゆうわたしもより安い店で、より安いものを買っている。
矛盾してるなあ・・・
日本は世界でも類を見ないくらい大量に食べ物を廃棄している国だという。
自分が食べきれずに捨てられてしまう食べ物を分けることができたら、
1日生き延びるヒトがいるのに、といつも思う
『フード・インク』はもう観たと思っていたけど、ブログ検索しても出ない?
『いのちの食べかた』と勘違いしてたんだな。
今作だけでも胸が痛むのを通り越して、吐き気と不安感でいっぱいになったんだから、
『フード・インク』との同時上映を劇場で観るなんて到底できそうにない
ほんとうに、観れば観るほど絶望的な不安に駆られる。
これが私たちの住んでいる世界の姿だ。
この現状を知って、まず、不安や疑問に思うことが第1歩だと思う。
また長くなるけど、以下に内容の抜粋をメモした。
【パンの大量廃棄】
「冬、路面にまく凍結防止用の塩のほうが高い。農家が作る小麦より塩が高いとはね」
ウィーンでは毎日大量のパンが処分される。
パンの廃棄は年に2000トン。製造後2日程度の品でまだ充分食べられる。
農地の10%には何も植えない。休閑地にはEUから補助金が出るからだ。
今、その休閑地にトウモロコシを植えている。暖房の燃料用に需要が高まっている。
【いい魚とわるい魚 工業化がすすむ漁業】
「自然は正確だ。いい加減に扱ってはならない」
代々の知恵で小型船で漁業をしているおじさんがカッコいい。
大型船は十数日も漁に出るから魚にストレスをかけ、身もダラッと下がる(鮮度が落ちる
漁師はこう言う「あれは食用じゃない、売り物だ」
EUは漁業を完全に工業化するため、小型船の漁師から情報を集めている。
「EUは小型漁船を減らし、大型漁船を増やそうとしているんだ。
私たちは一年中乱獲するような真似はしない。魚資源の枯渇を招いてしまうからだ。
ところが大型漁船は年中、大量の魚を獲る」
【広大なビニールハウス農業 3000キロを旅するトマト】
大勢の住人を移住させてまで広大なビニルハウスを人工で作り、野菜を育てた「アルメニアの奇跡」。
しかし、日照時間が長いライバル国が増え、町の人口も減っている。
「ものには適正価格があるが、皆安いほうを買う」
「豊かなEU諸国やアメリカは、国内の農民に対して補助金を支払っている。
農産物への助成金だ。昨年は3490億ドルもの金が支払われた。
1日に換算すると10億ドルになる。それは農産物の不当廉売を招き農業が崩壊する。
農業が主産業の南半球では死活問題だ」
「暑い日差しの中18時間農作業をしても、外国産の野菜に勝てっこない。
自国で食べていけないとなるとどうなる? 危険を冒して移住するしかない。
南スペインに行くか、パリで清掃業者になる。そして非人間的な条件で働く」
トマトはヨーロッパを横断して輸送される。輸送コストは棚代の1%に過ぎないからだ
【押し寄せる遺伝子組み換え種子と岐路に立つ自然農法】
大規模な種苗会社の部長が語る。「幸せと金は関係ない」
「農民はいまだに幹線道路で馬車を使っている。資金不足だからだ」(地球には馬のほうが優しいけどね
「皆、交配種の見た目の良さにひかれて買う。でも味は在来種より劣る。有機栽培に戻すには時間がかかる。
会社の方針とは異なるが私個人の感想だ。私は美味しいものを提供したい。それだけだ」
会社と違う考えで働き続けるのは辛いだろうな・・・
「子どもたちはトマト本来の味を知らずに育つ」
「進歩というのは止めることができない。物事は限界まで進歩し続けるものだ」
「長くもつよう改良された野菜は、食糧を必要とする国に輸出すればいい。
でも、これが輸出されることはない。食料が充分に足りてる国で消費されるんだ」
「餓死者が10万人も出るのに助けられないのか?それとも我々に救う気がないのか?
富は貧しい人たちから搾取することで蓄積される。
我々は貧しい人を犠牲にして生きている。企業の仕事は慈善事業じゃないからだ」
「5秒に1人、10歳未満の子どもが餓死し、ビタミンA欠乏で4/1が失明する。
昨年は8億4200万人が栄養失調に苦しみ、仕事ができず、家庭生活や性生活も損なわれた。
飢餓が増えているということだ。
今の世界経済なら問題なく120億人を養える。餓死は殺人にほかならない」
【ニワトリが熱帯雨林を喰い尽し、農民が飢えるという謎】
1975年以降、伐採で消滅したブラジルの原生林は、フランスとポルトガルの面積に匹敵する。
原生林1平方メートルの価格は1セントだ。
アマゾンの木を伐採して大豆畑にした。もともとそぐわない土地だから肥料を加えて人工的に変えた。日本にも輸出されている。
子どもが熱病にかかると分かっていても、汚れた水を飲ませざるをえない状況とは?(煮沸もできないのかな?
「働きたくても仕事がない。ヤギの乳で子どもをやっと育てることができる。
母ヤギは借りている。だから子ヤギは乳が欲しくて鳴き通しだが仕方がない」
「私は字が読めない。子どもには学校に行かせたい。政府からの支援は届く時もあれば、届かない時もある」
「ブラジルの北東部で母親が行う風習を紹介しよう。
晩に子どもが空腹に耐えかねて泣くと、母親は鍋に水を入れてかまどの火にかける。
その鍋に石を入れて煮立たせ子どもに言うんだ。
“待っててね。もうすぐ夕食ができるから”
そのうち子どもたちが泣き疲れて眠るのを待つんだ」
are you happy???
【ヒヨコから鶏肉パックまで 鶏肉加工処理工場のすべて】
ブロイラーの様子は『いのちの食べかた』でも観た。ヒヨコは可愛いけど、この工場では絶対働けないな
「非常識で残酷で傲慢な経営者が増えている。
叩き上げの経営者が減ってきているせいだ。
大学出の経営者は立派な学位はあるが、叩き上げと違い現場での経験がない。
畜産業に関しては素人同然で、広告による理想的な姿しか知らない。
だから現実的ではない。価格にばかり気を取られて、味は二の次にされがちだ」
“味は二の次”じゃなくて、「命が二の次になってる」の間違いでは?
「少数の飼育では採算が合わず利益が出ない。
そのため大量に飼わざるをえなくなっている。
儲かっても1羽あたり20セントだ」
「まず、鶏を気絶させる。水の中に電流が流れているんだ。
鶏の頭を水の中に通して意識を失わせる。
その後、この回転刃で絶命させる仕組みだ」
ベルトコンベアでどんどん運ばれ、処理されるまでの一連のサイクルは約8週間。
申し訳ないが鶏が処理されてゆく様子はとてもじゃないが直視できなかった。。
「昨年1年間に世界が生み出した富の合計、すなわち世界総生産の52%は、グローバル企業500社によるものだ。
この500社の目的は、ただ1つ。利潤の最大化だ。株主のために利益を出さなければならない。
専制的な大企業による殺人的な戦略なんだ」
【世界最大の食品会社の使命】
グローバル化生産コストのより低い国に移るというシステム。
ラストは世界で27位の規模を誇る「ネスレ」の代表者が語った。
ミネラルウォーターでは世界一の規模。
「自然とはバランスの取れた付き合いをしている。
アメリカでは15年間、遺伝子組み換え食品を消費した。
それによる健康被害は1件もない」
「雇用の確保にも貢献している。企業の収益を維持し、その将来を確かにすること。
世界が抱える問題にも積極的に取り組めるからだ」
「週35時間労働制というシステムがある。仕事をシェアする働き方だ。
1人の仕事量は減り雇用は増える。だが、これは誤りであると明らかになった。
人は、より多く働くべきだ」
「我々の暮らしは豊かになった。昔より健康に生きられるし、寿命ものびている。
しかも何でも手に入る。それでも悲観する人がいるんだ」
「これは日本だ。ほとんど無人で働いているからすぐ分かる」って褒めてた?のも複雑だった
空撮もグライダーみたいなので撮っているのも今作のコンセプトなのかな。
私は募金等を信じていない。
これまでどれだけ長いこと相当な大金を注ぎ込んだにも関わらず、
飢餓で苦しんでいる人たちの生活はなにも変わらなかったから。
どこかで歪められている気がするんだ。
それでも、そうゆうわたしもより安い店で、より安いものを買っている。
矛盾してるなあ・・・