■考える絵本4『美』(大月書店)
日比野克彦/作
「考える絵本」シリーズ、今回のテーマは美。
日比野さんが実際参加した2003年のアートトリエンナーレ「大地の芸術祭」@新潟・妻有での出来事を基に書いたという。
▼あらすじ
「かつひこ」はある日、朝顔にかこまれた美術館に入ってゆく。
そこに描かれている人から1粒の朝顔の種をもらう。
種を植え、まだ芽が出ないうちから、屋根までのびるロープを張った。
それを見て、知らない人も一緒に芽吹く様子を想像する。
芽が出て、つるが巻きつき、花が咲いて、種がたくさんとれた。
その種たちは、自分たちを愛情こめて育ててくれた記憶がちゃんと入っていて、旅の準備ができていた。
“種は船”を造って、航海に出る種たち。

これぞ絵本って感じ。
美を語りつつ、わたしには命の連鎖の話に思えた。
母親に起こされた「かつひこ」と、彼が埋めた1粒の「種」が同じに思えたからだ。
最初1粒だけだった種から、大勢の分身が「これまでの記憶」を携えて
大きな外界へと旅立ってゆく様子は、夢や希望に満ちている
日比野さんは、絵も描きながら、また、素晴らしい詩人でもある。
歌も出てくるから、シンガーソングライターでもあるかもしれない
すべての創造は、別個じゃなく、専門家がやる“特別なこと”でもなく、
みんなにもとから備わっている表現する力、想像する力なんだ。
「“美”とは創りだすものの形や色ではなく、受け取る人の中にこそあるのではないでしょうか?
ものを見て美しいと思うのは、そのものに美が存在するのではなく、
それを感じることができる人の中にあるのです」
っていう考え方もとても新鮮だった!

横に開く本に縦描きしたイラストもビックリしたし/驚
【内容抜粋メモ】
「わたしたちは種の人です。
この船でいろいろなところへ行くんです」
「船をつくろう 種の形をした船を
船をつくれば、見えないものが見えてくる
まだ見ぬこれから出会う人、
まだ見ぬこれから出会う土地、
見えないものが見えてくる」
【あとがきメモ】
記憶を運ぶ種はまるで船のようだ。
人と人、土地と土地をつなぐ「種」の力に、想像する力を改めて教わったのです。
日比野克彦/作
「考える絵本」シリーズ、今回のテーマは美。
日比野さんが実際参加した2003年のアートトリエンナーレ「大地の芸術祭」@新潟・妻有での出来事を基に書いたという。
▼あらすじ
「かつひこ」はある日、朝顔にかこまれた美術館に入ってゆく。
そこに描かれている人から1粒の朝顔の種をもらう。
種を植え、まだ芽が出ないうちから、屋根までのびるロープを張った。
それを見て、知らない人も一緒に芽吹く様子を想像する。
芽が出て、つるが巻きつき、花が咲いて、種がたくさんとれた。
その種たちは、自分たちを愛情こめて育ててくれた記憶がちゃんと入っていて、旅の準備ができていた。
“種は船”を造って、航海に出る種たち。


これぞ絵本って感じ。
美を語りつつ、わたしには命の連鎖の話に思えた。
母親に起こされた「かつひこ」と、彼が埋めた1粒の「種」が同じに思えたからだ。
最初1粒だけだった種から、大勢の分身が「これまでの記憶」を携えて
大きな外界へと旅立ってゆく様子は、夢や希望に満ちている

日比野さんは、絵も描きながら、また、素晴らしい詩人でもある。
歌も出てくるから、シンガーソングライターでもあるかもしれない

すべての創造は、別個じゃなく、専門家がやる“特別なこと”でもなく、
みんなにもとから備わっている表現する力、想像する力なんだ。
「“美”とは創りだすものの形や色ではなく、受け取る人の中にこそあるのではないでしょうか?
ものを見て美しいと思うのは、そのものに美が存在するのではなく、
それを感じることができる人の中にあるのです」
っていう考え方もとても新鮮だった!

横に開く本に縦描きしたイラストもビックリしたし/驚
【内容抜粋メモ】
「わたしたちは種の人です。
この船でいろいろなところへ行くんです」
「船をつくろう 種の形をした船を
船をつくれば、見えないものが見えてくる
まだ見ぬこれから出会う人、
まだ見ぬこれから出会う土地、
見えないものが見えてくる」
【あとがきメモ】
記憶を運ぶ種はまるで船のようだ。
人と人、土地と土地をつなぐ「種」の力に、想像する力を改めて教わったのです。