メランコリア

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『クヌート』(2008)

2013-01-06 23:01:55 | 映画
『クヌート』(2008)
監督:マイケル・ジョンソン ナレーション:藤井フミヤ

「命の愛らしさをクヌートは教えてくれる」

▼story
 
ベルリンの動物園で産まれた2頭のホッキョクグマ。
母親が育児放棄したため、人工保育に切り替えたが、そのうち1頭はわずか4日の命だった。
もう1頭はクヌート(やんちゃ坊主)と名付けられ、飼育員のトーマスさんがつきっきり24時間態勢で育児する。

 
ベラルーシの森で暮らす2頭のヒグマの子ども。
お腹を空かして母を捜すも、母熊はニンゲンに撃たれて死んだことを知る由もない。
泳ぎ、餌のとり方、天敵のオオカミの縄張りなどを教えてくれる母熊はいないけれども、
本能の赴くまま、兄妹力を合わせて一生懸命生きてゆく。

 
地球温暖化により絶滅の危機にさらされている北極のホッキョクグマ。
母親が3頭の子どもを産み、3ヶ月は何も食べずにミルクを飲ませて育児に専念する。
そして、風の匂いが変わる頃、60km先の海を目指して、“生きるために歩き続ける”。
その途中で、母熊にベッタリだった体が弱い1頭は亡くなってしまう。


厳しい自然のルール。世界が弱肉強食でなければいいのになあ/涙
動物を撃ち殺すニンゲンもいなくなればいいのに。

自然破壊のシンボル的存在として大人気者となったクヌート。
でも、最初は動物保護団体によって「人工保育は保護法に触れるから安楽死させるべきだ」なんて論争も巻き起こった。
なんじゃそりゃ なんだ捏造記事か?→here

 

それぞれ違った3つの環境に住むクマの生活を追いながら、その生態も勉強になる。
例えば、ホッキョクグマは、毛は白いけど、その下の肌は黒い。理由は熱を効率的に取り入れるため。
野生の親子は2年間一緒に暮らし、狩りのしかた、泳ぎなど、北極で生き抜く術を学ぶ。
彼らは泳ぎの名人!鼻の穴は水中で閉じる仕組み/驚
交尾の季節は、オスが子熊を殺してしまうことがあるとか
ホッキョクグマは成人すると1頭で暮らす。
「孤独が彼らの生き方。クヌートも1人で遊び、1人で眠る」ようになる。
外国の動物園て自然の森みたいだなあ!驚



「相手を傷つけないよう甘噛みをする。愛される側から、愛する側へ、大きな一歩を踏み出した」

 

ヒグマは蟻が大好物/驚
生き物にはそれぞれ生きる領域があって、それを侵したものには制裁が加えられる。
ヒグマにとっては天敵のオオカミも、見た目はわんこソックリだから、やっぱり可愛い!

「拡大するニンゲンの領域と、狭められる野生動物のテリトリー。
 ニンゲンと野生動物は敵対するしかないのだろうか?」


 

映画ラストに、飼育員のトーマスさんが2008年に亡くなられたというテロップが流れたのもショックだが、
クヌートも2011年に急死してしまったんだね/涙
野生のホッキョクグマの寿命は20~25年みたい。
先天性の疾患が理由とはいえ、わずか5歳って短いなあ・・・

きっと、クヌートとトーマスさんは、ニンゲンの暮らしで犠牲になっている野生動物の危機を
訴えるために産まれて使命を果たしたんだね

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