goo blog サービス終了のお知らせ 

メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『「パニック障害」と言われたら!』(現代書林)

2013-04-04 10:09:07 | 
『「パニック障害」と言われたら! 日本初。患者さんへのアンケートを集大成』(現代書林)
全国パニック障害の会/編著

今さらになって自分の病気がどんなものか改めて興味をもっていろいろ読んで知りたくなってきた。
最初に発作が起きた時は、こんな症状名すら知らなかったし、「疲れていたからだ」と軽く考えて、
早期治療が遅れたために長引かせてしまったと今は思っているから、
患者のみならず、もっと広く一般に読んでほしい1冊。

最初の1年間は自分だけの闘いみたいな感じで、「まずどこに相談したらいいの?」から始まって、
分からないことだらけだったから、この「全国パニック障害の会」などの団体の存在を今さら知ってビックリ。
本書を読んで、まさに自分と同じ悩みを抱えて、同じような過程をさまよった体験談がたくさん書かれていて、
人それぞれの捉え方も千差万別だし、混乱していたのが自分だけじゃないってことも分かった。

クリニックやカウンセリングに行っても、関係者は当然、他の患者さんのことを話すのは秘密保護であり得ないし、
だからといって待合室にいる人たちは、パニ障だけじゃないから、周りに同じ立場の人を見つけるのも難しかったから、
こうゆう本から患者同士のつながりをもって治療にあたってる人もいたんだって知ったのも新鮮な驚きだった。
同時に、自分なりにいろいろ動いて、考えてやってきたことがあながち間違いではなかったことも再確認できたのも貴重。

初版が2006年だから、それから変わったこと、依然として変わってないことも見えてきた。
まだまだ社会的にも認識が薄いし、正しい理解が必要だな。


【内容抜粋メモ】
パニック障害とは
「パニック発作」(突然強い不安感や恐怖感が起こる)。きっかけがあるもの「状況依存型」とないもの「自発性」がある。
発作は突然始まって急速にピークに達し、持続時間は10分~15分以内がほとんど(わたしは1時間以上我慢したことがあるけど

「パニック障害」が認知されたのは1980年代(けっこう最近なんだ/驚
パニ障患者は、診断が確定されるまで複数の病院を受診し、さまざまな検査を受ける割合が他の精神疾患に比べて際立って多い。
治療が長期にわたることも多いため、疲労感や生活の質の低下が起きることがはっきりしている。

うつ病との関連性
面倒なのは不安障害に併発するうつ病だが、パニ障にうつ病は定型的なうつと違い「不安うつ病」と呼ぶ。
不安からうつを発症するケース、うつの部分症状として不安が現れることもあり、見分けることは大変難しくかつ重要。
パニック障害によるうつは「真性うつ病」とは異なり、症状の持続期間が比較的短く、正しい治療ですみやかに軽減されてゆく。

治療法
薬物療法で発作は100%近く抑えられる。心理療法、認知行動療法も有効。



******第1回アンケート集計結果(2001年対象)
・年齢で最も多いのは20~40代女性
・病歴年数で多いのは2~5年
・「パニ障について家族は理解していない」が5割。
・医師の勉強不足のせいで悪化したと感じた人は7割。
・クリニックを変えた回数は、3回が最多。
・適切な治療ができるクリニックはどのくらいあると思うか?→10~30%
・パニ障になった原因は?→ストレス、過労、家庭環境のストレス、看病疲れ
・最初に取り除きたい症状は?→発作、予期不安が最多。「頭の張り」や「浮動感」など
・今のクリニックはどう探したか?→本やネットが最多。
・担当医がパニ障を治せるか疑問に思うのはどんな時か?→話をよく聞かない
・パニ障になってから生活が変わったか?→仕事ができなくなった、行動範囲が狭くなった、乗り物に乗れない、外出困難
・パニ障になってから人生観が変わったか?→健康第一、将来に希望が持てない、友人の有難さを知った
治療薬は自分と同じのも含まれていたな。



******第2回アンケート集計結果(2004年対象)
本来、医療が進歩すれば、より効果的な薬をより少なく処方すべきだが、その傾向が見られず、旧態依然とした精神医療の現状が窺われる!
・年齢で最も多いのは20~40代女性(前回と同じ
・病歴年数で多いのは1~4年、10年、20年も多い/驚
・「パニ障について家族は理解している」が6割に変化。
・医師の勉強不足のせいで悪化したと感じた人は6割。
・クリニックを変えた回数は、2回が最多。
・適切な治療ができるクリニックはどのくらいあると思うか?→10~30%(前回と同じ
・パニ障になった原因は?→ストレス、過労
・最初に取り除きたい症状は?→乗り物恐怖、発作が最多。「物音が気になる」など
・今のクリニックはどう探したか?→ネット、近所だったからが最多。
・パニ障になってから生活が変わったか?→仕事ができなくなった、行動範囲が狭くなった、外出困難。「親とケンカが増えた」
・パニ障になってから人生観が変わったか?→健康第一、将来に希望が持てない、友人の有難さを知った
治療薬はほんとに変わりないんだね/驚 人によってはスーパーに並んだり、自分で車を運転するのも辛い人もいるんだ


******認知行動療法
「パニックカード」てのを会員に配ってるらしい/驚 「医者も救急車も必要ありません」とか書いてある。
・なるべく穏やかな気候の時期を選ぶ。低気圧は体調を崩しやすいから注意。
・一緒にいる人には「自分が克服したいこと」「相手に何をして欲しいのか」をはっきり話しておく。
・1つの課題が克服できたら、間をあけずに次の課題に挑戦する。
・「行動療法に適した場所」に吉祥寺が取り上げられててビックリ/驚 電車、バス、公園などあってなにかと最適らしい。


******病状についてのアンケート
・今まで一番効果があると思った薬は?→パキシル、ソラナックス(ルボックスはその他になってる
・今所持している頓服薬は→ソラナックス(コンスタンは5%のみ
・通院して症状が治らない場合、近くに病院がない場合は?→「辺鄙な場所だから家族に代理で行ってもらう」て人もいるんだ。
・クリニックを変えた理由は?→「1分診療」「毎回薬をもらうだけだったから」(あるある


病院・クリニックにはそれぞれ特徴がある
大学病院は医師が転勤などで交代する。
総合病院は医師が辞めることがある。
クリニックは1人の医師にしか治療してもらえないことがある

・上の問題についての対処法は?
→「医師が代わると状況がガラっと変わることがあるから、信頼できる個人クリニックが良い」ほか、逆の意見、いろいろあった。

・担当医をどの程度信用していたか?
→100%、60%、70%の順。「病気の知識がない時は100%信用していたが、ある程度勉強した今は70%」とか。

・パニ障の治療には患者の意見と担当医の意見のどちらが大きく作用するか?
→「半々」「お互い対等なのが一番」「医者は完治を助ける存在だと認識している」
 「自分の意見も通さないといけないし、医師の意見も聞かないといけない」などなど。

・自分がパニ障だと誰かに教えたか?
→教えたが7割だったけど、意見には「まだ偏見が多い」てゆうのが多い。
「精神疾患=キチガイという社会だから」「話すと周囲の反応が辛くなるから話す必要はないと思う」など

・パニ障が原因で退職や休職をしたか?→「ない」が5割、「ある」が3割強。
・最初は月に何回の治療と診療時間が理想か?→2回、30分が最多。
・発作が起こる前の症状は?→ふらつき、1対1で話していると無性に眠気に襲われる、めまい、背中がバリバリに凝る

・行動療法はどう行うべきか?→「1人で頑張った」「家族、友人と一緒」「とにかくひきこもってた」て人も。
東洋医学を利用したか?→「ない」と「ある」が4割ずつ。「官足法」、中野の「磯谷力学療法」
・完治、寛解になった大きな理由は?→「心のありようを根本から変えた。長年確執のあった両親に思っていたことを伝えた」

・「患者の会」に入会して良かったことは?→「敵を知り、己を知る」「仲間ができた」
・パニ障のために不本意に失った時間のことをどう思うか?
→「PDは何らかの無理の結果であり、治療はその修正の期間。時間は失っていない」など

・パニ障は脳の病気か、心の病気か?
→脳が4割、両方も4割弱。「どちらも。心と身体は繋がっているから。心から始まって、脳の機能異常が起こると思う」(私も同感
・日常生活で気をつけていることは?→「規則正しい生活と、7分くらいの力でボチボチと生活すること」など


【全国パニック障害の会】

コメント