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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドラマ『ガッタン ガッタン それでもゴー』(2015)(ネタバレ注意

2017-03-01 12:25:06 | ドラマ
ドラマ『ガッタン ガッタン それでもゴー』(2015)(ネタバレ注意

“NHK岐阜放送局 開局75周年記念ドラマ”


出演:谷村美月、町田啓太、鶴見辰吾、国生さゆり、芳本美代子、松尾スズキ ほか

部長が出演すると聞いて、予録した 鶴見辰吾さんも好きだし

谷村美月さんは、朝ドラ『べっぴんさん』のアケミさん役の人だ/驚
ウィキ見たら、『八重の桜』『ラストマネー -愛の値段- 』ほか、多数出演していて
若いのに実力のある、いろんなメディアで活躍している方なんだ


泣けて、じんわりくるいいドラマだった

盆地って落ち着く 緑に囲まれていい所だねえ



あらすじ(ネタバレ注意

下北沢の劇場でコントを披露する2人組 音響を担当する伊藤カナ

 



仕事後、幸恵おばちゃんから、母親が今朝亡くなったと連絡がくる
上司から「実家に帰れ」と言われる

岐阜の奥飛騨の温泉旅館で働く信一と母・春子
信一はいつもカウボーイハットにデニム、部屋には馬だらけ
旅館経営そっちのけで観光アピールに専念している父とは険悪な仲

 

父・森田哲治は「奥飛騨特産品ブランド計画」の活動をしている

 

遅れて会議に来る木工所所長・小谷良夫は、鉱山のトロッコが面白いと推す

(松尾部長のTシャツかっけー 鉄道マニア?



電車からバスに乗り換え「奥飛騨小学校前」に着くと、15年前の夏を思い出す
カナは「バイキン」と呼ばれていじめられていた

裕美は化粧品屋を営む優しい母だった



神岡鉄道は廃線 「お化け列車」として開通した当時、母と乗ったことを思い出す

 

小谷は橋に水槽を作って魚を入れている
「公共物だから許可が必要だ」と警官に注意される
「許可とっても、許可もらえんもんでね」

 


母の葬儀に、疎遠の父は来なかった

その後、店に来るカナ
6年前、東京に行く時、駅までの見送りを断ると、手作りシュシュをくれる
カナは今でもそれを毎日身につけている

 

「頑張ってな こんな何にもない所に帰ってこんでいいんだからね
 楽しませるためにあなたを産んだんやけね」



常連さんが買いに来る
「これからも頼んますな ここいらに化粧品屋さんてここしかないで」


神岡鉱山のトロッコはまだ走る(いろんな場所に炭鉱があった歴史だね



「花ゆらの湯」の息子は「二代目、三代目は逃げようがないでな」と信一に話す
カナを見かけても、イジメられていた時に助けられなかったことを思い出し、無視してしまう


カナは小谷の仲間に誘われてクルマに乗る 哲治も誘われる
「ワケがあって、県外の人の感想が聞きたくて」
小谷さんて町に1人いるような発明好きなおじさんみたいな?



けっこー速い インディジョーンズのライドものみたい
暗いし、閉塞感が私にはムリだけど、カナは楽しむ

哲治:
子どもを育てるには放っておくのが一番なんですよ
いろんな責任を子どもが自分で負えるようにするために
まあ、子どもには理解してもらえんです 仕方ないですよ


カナ:
全然仕方なくないと思います
親に放置されて育つしかなくて育つのと
育つためだって理解しながら育てられるのと
まったく違うと思います



信一は夢の中でガンマンの父に撃たれ、カナに
「あの人、私たちも助けられないのに、お母さんも助けられなくてカッコ悪いね」と言われる

翌日、アメリカの格好を止めてる信一を見て、母は「人増やすで、アメリカ行っといで」
(写真があるのは一度行ってるのかな?

アメリカに負けない自然があるじゃん でも、あれはスギ・・・?



店に戻ると飛行機で小谷から手紙が来る(イラスト上手いな


今度は、自転車を改造して、廃線になった線路上を走らせるアイデアを出す
「東京の女、受付嬢なんかどうやろと思って」

 

自力でこぐんだw
お化け列車を作ったのは小谷だった「すごいろ」


15年前の夏 お化け列車に乗る母とカナ
真っ暗なトンネルの途中で止まって、ミイラとか出てきて怖すぎる

昔は髪が豊かだったのね、小谷さんw


トンネルの中でいろんな思い出がフラッシュバックして号泣する(まさに「いじめ後遺症」じゃん

 

カナ:これ、手伝わせてください

その後改造したりして、役場の許可もやっともらってオープンも決まる 「おくひだガッタン号」



「おくひだガッタン号」開業日には、大勢が集まる

(地域の人たちもたくさんエキストラ参加してるんだろうな


哲治:お前アメリカ行ってこい
信一:なんで、ただの憧れやもん

哲治は信一を連れてガッタン号に乗せてくれと頼み、メキシコの帽子を渡す

カナ:私と一緒に乗りませんか?

信一もお化け列車が好きだったと話す

信一:
こういうもの、どんどんなくなっていくんだよなあ
オレ、旅館三代目だし 逃げれんのですよ


カナ:逃げられないことなんかないんじゃないんですか

信一:口で言うのは簡単ていうか 現実ってもんがあるから


小さい頃イジメられたことを話すカナ

「いなくなっちゃいたかったんですよね
 よくお店の前を自転車で通りすぎる子がいて
 “どこ行くの?”て聞いたら、何て言ったと思います?」

 

信一は“アメリカーーー!”と叫んでいた

「それを聞いてほんとに羨ましくて すごいなあって
 だから私もいつかここから逃げ出せるんだと思って」

 


1ヵ月後 メキシカン帽をかぶって紙芝居をしている哲治 小谷と母も手伝っている
カウボーイ姿に戻った信一はアメリカへ旅立つ

 

空港も立派だねえ 子どもに「どこ行くの?」と聞かれて「アメリカ~」



カナは母の店を継ぐ
こういう商店街 日本中、たぶん世界中にあるよね

 


東京で働くPAは大勢いても、故郷に1つしかない店を継ぐのは
自分しかいないって納得したなら、帰るのもありだ

それにはコミュニティの助け合いあっての町づくり
小谷さんのような、ちょっと迷惑でも、面白いアイデアで引っ張ってくれるおじさんも必要
いろいろ事情を知ってる彼がカナを救ったんだな
いい役ではないですか、松尾さん!




町おこしというと、特産品を売るとか、イベントで客寄せってイメージだけど、
その町だけで自給自足とかの方向はないのかなあ???
なんだかお金を集める方法に傾いている気がしてきた





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『哲学するゾウ フィレモンシワシワ』 ミヒャエル・エンデ(BL出版)

2017-03-01 12:24:06 | 
『哲学するゾウ フィレモンシワシワ』(BL出版)
ミヒャエル・エンデ/作 ダニエラ・シュジュンスキー/絵 那須田淳/訳

ミヒャエル・エンデ
現代社会を鋭く見つめ、人々の殺伐とした心に、
失われたファンタジーと夢の世界を取り戻すことを呼びかけた
現代ドイツを代表する作家

児童文学のほか青少年文学、芝居の脚本、詩も手がけ、
多くは映画化、ラジオ、テレビ放送されている

世代、国境を越えて、40カ国以上の言語に訳され、
累計発行部数は2400万部にのぼる


那須田淳:
著書にミヒャエル・ゾーヴァ(!)との画文集『少年のころ』など


あらすじ(ネタバレ注意

インドの原生林にフィレモンシワシワという名の大きなゾウが住んでいました

誰もシワシワのほんとうの歳を知りません
それは小さなことで、シワシワの頭を占めていたのは
いつもなにかもっと大切なことでした

シワシワの皮膚はらくらく2頭分ありました
みんなは、なんてゆたかなのだろうと思いましたが
シワシワは自慢したりせず、大自然がくれた贈り物のひとつとして喜んでいただけです

自分の姿がどう思われようと構っているひまもないほど
シワシワはいつもなにかを長く、深く考えていたのです

シワシワは体の大きさからは考えられないくらい、いつも慎ましく、静かに暮らしていたので
近くに住む動物たちは、まるでガーデンハウスのように使わせてもらっていました




シワシワは何をそんなに考えていたのでしょうか
それは大きくて、美しいもののすべてでした

外から見える大きさだけではなく、心の世界もそうでした
シワシワは、外から見た大きさは、あまり意味がないことをよく知っていました




夜空が足もとの水に映し出されると、感動し、怖れ敬いました
この美しい夜空にくらべて、自分はなんてちっぽけなのだろうと思い、
それはシワシワの心をしあわせにしました

世界のヒミツは、考えるほど、どんどん大きく深くなっていくように思えました

どうか、サルたちのように笑ったりしないでください
早く解決すればいいというものではないことを、サルたちはわかっていないのでしょう


聖なる川を下ると曲がるところがあり、流れ着いた藻などがたまって腐り、
汚い大きな山ができていました

この山には、ものすごいたくさんの、いろいろな種類のハエがすんでいました
自分たちがたくさんいるために、とても偉いと思っていたのでした




「我々は世界でもっとも重要な生き物だ
 だから、世界のあらゆる生き物たちは、ひざまづいて、感謝すべきなのだ!」


ハエたちは本気でそう思い、ほかの生き物の周りを飛んで
煩わしくするのも当然だと好き勝手にしていました

ハエたちは、誰からも尊敬されないことに腹を立てていました
ある日、世界で一番強く、利口で、偉いのはだれかを思い知らせようと考えました


山のてっぺんにとまった太ったオオクロバエが言いました

「おれたちはとても速く動くことができる みな足が6本もある
 サッカーチームをつくれば、ワールドカップ制覇など簡単だ!
 すべての動物たちに、試合を呼びかけようではないか!

 みんなが委員会のメンバーだ おれが、その会長になろう
 議題の一番目は、一体、誰をやっつけるかね?」


足が5本になった年老いたイエバエが「蟻から始めてはいかがだろう」と提案すると
ほかのハエは憤慨したり、あざ笑ったりした

「じゃあ、カエルはいかがかな?」

こんどはみんなしーんと静まり返りました
会長は「そのような危ない発言は、今後禁じる!


水を飲みにやってきたトラに試合を申し込むと
「今日のハエはやけにしつこい もうじき雷雨にでもなるのかな」と追い払った

若いオオクロバエは

「あいつは我々と対戦する勇気がない 最初から試合放棄
 つまり我々はトラに勝ったのです


ミドリキンバエ

「我々の体でほかの動物にないのは、この長い口であります!
 それに対抗できそうな動物は、もはやあのゾウしかいないのであります」

シワシワは頭をゆっくり縦に振りました
それはいつもしていることですが、ハエたちは試合に応じる返事だと考えました


委員会のメンバーは、マグソコガネにサッカーボールをつくるよう頼みました



ハエの代表選手を選び、チーム名を決めました
「FTH(FUHAISHITAMONONI TAKARU HAE 腐敗したものにたかるハエ)」




シワシワの巨大な足元に小さなグラウンドをつくり試合が始まりました
シワシワがそれに気がついたらきっと微笑んだことでしょう
でも、別のことを考えるのにいそがしくて、なにも見ていませんでした


試合結果はハエチームの108対0の大勝利になり、ハエたちにとっても驚きでした
選手たちが英雄として褒め称えられたのは言うまでもありません




ところが、その夜、どしゃぶりの大雨になり、
聖なる川は暴れ、腐った藻の山ごと流し去ってしまいました








エンデの風刺は、時に痛快で笑ってしまうと同時に
このハエたちが紛れも泣く、我々ヒトだと分かるため
その愚かさに哀しくて泣きそうになる

遠くにはいつも宮殿が象徴的に建っているのが見える



山のてっぺんで大声をあげ、大勢のハエを扇動しているのは政治家で
彼らに操られながら、世界で一番偉いと思い込んでいるハエたち

小さな群れなのに「ワールドカップ」と名乗ったり
背番号をしょった選手たち、タオルを肩にかけて応援するハエたち、
中継しているハエまでいて可笑しい

こんなにいろんな種類のハエがいるのね/驚
ハエ自体は、実際はイイ生き物で、腐敗したものを分解して自然に還してくれている

勝利を祝う間もなく、毎年の季節のスコールで一瞬にして消えてしまう儚さ


自然は自然のまま活動しているだけだけれども、
もしかしたら、我々のエゴを正しているのかもしれないと思わせる

ハエたちがいなくなっても、変わらない大自然
一等になるなんて驕りでしかないと、エンデはこの美しい絵本の中で語っている
やっぱり素晴らしい作家だなあ


生き物たちの世界をダイナミック、ユーモラスに描いたイラストレーター、
FTHの和訳で笑わせてくれた訳者さんもすべて揃っている
私の大好きなゾーヴァさんとの著書も気になる






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ベンチ

2017-03-01 12:23:06 | 日記
※1993.11~のノートよりメモを抜粋しました。


私はベンチに座っている
満たされた気持ち
土のかおりがする
陽の光にあたって温まった土から湯気がのぼる


木のベンチに寝転んで、空を見上げると
静かに晴れわたって
どこまでも どこまでも深い青

ここには 私ひとり
ほかには誰も見あたらない


病も疲れも癒され
私はとても体の芯まですがすがしく
清く健やか



目の前にはやわらかな草原
淡色の花々が咲き
涼しい風がやわらかく頬をなでてゆく

風は草花を揺らし
どこまでも続く草原を
どこへともなくゆきすぎてゆく

どこまでいっても私ひとりで
地上は信じられないほど平和だ



ベンチをはなれて 私は草原を歩く
ゆっくりと
時間は限りない

望めば、このうららかな陽は 照りつづけてくれるし
ここには時間の観念がまるでない


やわらかい若芽が 裸足をくすぐる
草花はじゅうたんのようで
私はときどきその上に寝転んでみる

陽に温められ 光と風をうけ
吸い込むと 生き生きとしている


私は好きなだけ草原を歩く
走りまわり 息を切らし
ぐるぐる回り ごろごろと転がる



この解放感
ここは完全に自由の世界

この草原に舞う 無数の蝶のように
吹きさる春風のように
初夏の日差しのように

私は水色のシャツで
髪を乱して走る

私を縛るものなどなにもない
そんなものは とうに存在しないんだ


だいぶ歩いたそこには
大きな湖 オアシスがある
水は深い蒼色

空と同じく澄んで
空の色を反射している


雲はさまざまに形を変えながら
どこか遠くの空へと
ゆっくり流れてゆく


水はひいやりとして
さんざん走った私のほてった体を
しずかに冷やしてくれる


まわりに立つのは立派な木々
見知らぬちいさな鳥が
透き通ったやさしいメロディを唄っている




木にはまだ若い葉が黄緑色をして
風に身をまかせている


さわさわ さわさわ さわさわ


私はしばらく真剣に目をこらして
木の間の鳥を見ていた

膝のあたりまで ばしゃばしゃ水を蹴って
服がびっしょりになるまで遊ぶ
砂漠の動物たちのように


そのままもっと深いところまで泳ぎだす
水底はサラサラとした砂地で
裸足に溶けこもうとしている

プカプカ浮かんで
頭の中もからっぽにしてしまおう

私はいま この自然に溶けようとしている



オアシスにはほかの動物も
たくさん水を飲みにくる

とても穏やかなシカの群れもいる
鼻を水におしつけて
上手に飲んでいる

この地下水は枯れることなく
とても澄んでいる


岸にあがって
砂地に横たわると
温められた砂で
体もとてもあたたかい

陽の光で 砂がキラキラ反射している


湖では ときどき魚が
勢いよく空に向かって跳ねあがり
飛まつがとぶ


私は岸辺に立つ
1本の大きな木に寄りかかる

どこかで聞き覚えのあるメロディを
ちいさく口ずさみながら


空高く 2羽のとんびが
声高く鳴きながら
輪を描いて飛んでいる



木からは生命のメッセージが聞こえる

力強い幹

かたい樹皮の奥には
根から吸い込んだ
澄んだ水分と養分が
とくとく流れる

それは大木の どんなに細い末端にも届き
私の体内にまで 力と喜びがみなぎる


気の遠くなるような昔から
ずうっとその場所にいて
葉を揺らしていた大木は

今も頑丈な幹で
しっかり根づいて生きている



思いきって3度深呼吸してから
私は細い川のゆくえを追って
歩きはじめる


はじまりは とてもシンプル

草木の間に見え隠れしながら
確実に1本の川は流れる


川の両端には
なにかの卵が無数に
産みつけられている


今この瞬間も
孵化した新しい命が
はじめから なにもかも分かっているかのように
全身全霊で生の喜びをあらわす


あるものは 川の流れのままに
あるものは 源の湖に戻ろうとして
果敢に流れに逆らって泳いでいく

川はしだいに 立派な河になる
私もずんずん歩いてゆく


たわわに実るオレンジ色の果実を
ひとつとり
甘酸っぱさが 口いっぱいにひろがる


その重みで枝から落ちた 無数の果実
甘い香りに誘われて
集まった動物たちも
実をほおばっている


とっても静か


花から花へとわたる 蜜蜂の羽音
花から花へとわたり
忙しそうに花粉を集める
蝶の羽音も耳に届くほど










もう自分を責めるのはやめよう
せめてこの紙の上では 私が城の主

なにが正しくて 何が誤りかではなく
この城内を守るために

そう それがこのノートの目的であり
一貫したコンセプトなのだから





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