メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

topics~デヴィッド・ボウイ 没後1周忌 最後の5年間@LaLaTV ほか

2017-03-06 11:28:33 | 日記
デヴィッド・ボウイ 没後1周忌 最後の5年間@LaLaTV




また契約系のテレビか・・・


赤塚不二夫生誕80年企画 「天才バカボン』『もーれつア太郎』50周年記念 バカ田大学祭ライブ


公演日時:2017年5月3日(水・祝)、4日(木・祝)、5日(金・祝)
開場:16:00 開演17:00(150分程度)
会場:恵比寿ザ・ガーデンホール
料金:スタンディング 各日6,500(税込)

出演(ライブ)※50音順、敬省略:
5月3日(水)  THE BEATNIKS、矢野顕子
5月4日(木) 大貫妙子&小松亮太、KIRINJI※
5月5日(金) ゴンチチ、清水ミチコ


第9回聴覚障害者切手クラブ切手展@切手の博物館


“聴覚障害者切手クラブの活動成果である作品を展示することで、参観者の方々に聴覚障害への啓発を行います。”

会期:2017年3月10日(金)~3月12日(日) 10:30~17:00

主な展示作品:
企画展示「ろうあ界の灯り」、「聴覚障害」、「ヘレンケラー その生涯と業績」、「ドイツインフレ1922-1923」、
「日本の城」、「ピエロ」、「鉄郵」、「エラー切手」などを予定。
(このピエロすてき

その他、展示作品解説(随時)、写真付き切手(数量限定)や封筒(数量限定)の販売を予定。

3月10日(金)・3月11日(土)の2日間、小型印を使用予定。
上記2日間のみ使用される貴重な消印です。会場内の臨時出張所で、押印してもらえます。




シリーズ 自然・神・人間 日本のディープ・エコロジー@朝日カルチャー
講師名:文化人類学者・東京外国語大学教授 今福 龍太

講座内容:

●<鯰絵>の変幻 3/18

宮沢賢治と火山の掟 4/1

“宮沢賢治が生き、思索した東北は、日本列島におけるもっとも活動的な火山地帯のひとつである。
 彼の物語世界であるイーハトーヴにも無数の火山があった。

 噴火とそれにともなう火山活動は、人間の日常生活や農業にたいして大きな被害を与えたが、
 同時に、土地の土壌や地形の豊かさを生み出す基本条件でもあった。

 岩手山の麓に生を受けた賢治は、火山が万物を生かす母胎であり、生命の倫理を教える道理の源であることを深く知っていた。
 噴火もまた、単なる自然災害ではありえない。

 宮沢賢治の詩や物語のなかに描かれた火山や噴石に特別の注意を払いながら、
 百年前の日本人の深い内面にあった火山への共感と共苦の思想について再考する。”

宮沢賢治生誕120年 ますむらひろし 宮沢賢治の世界を語る@朝日カルチャーセンター(2016.1.30)

以前、ますむらさんが講師の賢治の話を聞きに行ったつながりでDMが届いた
火山との関わりかあ 面白そうだけど、受講料が高い・・・


はしもとみお 彫刻の世界展 木のどうぶつたち@おかざき世界こども美術博物館


どこコもほんとに可愛い 東京でもやらないかなあ!


アイスショーチケット、羽生結弦選手のメッセージ入りフォト@P&G









近所のドラッグストアで見つけたv

そいや、去年の今ごろ、アイスショーっていうのを一度観てみたくて
いろいろ調べたら、とっくに遅かったことを思い出した
また、今ごろから動いても遅いか?

ゆづくんの出るアイスショーがどれか調べて(出るか出ないか確定ではなかったりするし
チケットの発売情報を調べて・・・という作業が年々面倒になってる
競争率もハンパないだろうし


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『オフェリアと影の一座』 ミヒャエル・エンデ(岩波書店)

2017-03-06 11:27:33 | 
『オフェリアと影の一座』(岩波書店)
ミヒャエル・エンデ/文 フリードリヒ・ヘッヘルマン/絵 矢川澄子/訳


あらすじ(ネタバレ注意

小さな古い町にオフェリアという小さなおばあさんが住んでいた
芝居好きな親が立派な大女優になってもらわなければと名づけたが
声が小さすぎて、それは叶わなかった

けれども、オフェリアはその小さな声を生かして、
舞台の役者がつかえないよう、観客には見えないボックスから
セリフを囁く仕事を続けて、あらゆる悲喜劇を覚えこみ、とても幸せだった




時代は変わり、映画、テレビを観る人が増え、
芝居を観るのも、大都市の劇場に行ってしまうため
小さな町の劇場は閉鎖され、オフェリアもお払い箱となる


最後の公演後、1人思い出にふけっていると、影が出てくる

「驚かせるつもりはなかったんだけど、どこにいればいいか分からなくて
 世間には、誰のものでもない影や、誰のものにもなりたくない影がごまんといるんです
 ぼくはカゲスキイです」

「じゃあ、あたしんとこはどう? あたしも旦那さまなしなのよ
 影さん同士、仲良くしてくれればいいわ」


オフェリアは、昼間は片方の影を小さく折りたたみ、ハンドバッグに入れて持ち歩いた

ある日、教会に行くと、また影法師がすがりついてせがんだ

「僕も連れてってください 誰のものでもないなんて、寂しくてやりきれません クライノイヤーです」

「ま、おいでなさい」



ほとんど毎日、オフェリアのもとに影が来るようになる
ヒトリウス、ヤムヨール、マタトーナイ、ムナシーゼ(笑

狭い部屋では、ずいぶん暗くて窮屈になり、影同士ケンカになり
時にはまるでシャドウ・ボクシングになってしまう(笑

オフェリアは、影たちに自分がそらんじている名作劇を口うつしに教えた
こうして影たちは、世界の名作悲喜劇を学んだ

影は自在に何でもなれるので、小人、大男、鳥、机もお望み次第
オフェリアは、みんながつかえないようセリフを囁いてあげた




しかし、世間の人はオフェリアをなんだか怪しいと思い
「あのおばあさん変わってますよ どこか老人ホームにでも入って世話してもらえばいいのに」
と噂し、のけ者扱いする

家主は、とうとう家賃を2倍にして、払えないなら出ていってもらうしかないと言った
オフェリアは持ち物いっさいをトランク1つに詰め込んで家を出て、列車に乗り、
あてのない旅に出た


遠くの海辺で疲れて眠り込むオフェリア 影たちは

「こんなことになったのも僕たちのせいだ
 今までお世話になったから、今度はご恩返ししなくちゃ」





影たちは、小さな村で、白いシーツで垂れ幕をつくり、オフェリアに教わった芝居を観せた
オフェリアは後ろでセリフを囁いた

最初は子どもが2、3人だったのが、大人も観に来て、
お客は喝采し、懐具合に応じて見物代を払っていった



オフェリアはクルマを1台買って、横に「オフェリアと影の一座」と飾り文字を描いてもらい
世界中を駆け巡った


ある日、吹雪でクルマが立ち往生し、そこへ大きな影が現れた

「あなたもいっしょに来ませんか?」

「オレなんぞまで引き受けて構わないのかな? まず名乗ってもいいかい?
 って呼ばれてるよ」

しばらく沈黙し

「それでも引き受けるかい?」

「どうぞ、いらっしゃい」


あたり一面闇に閉ざされ、次の瞬間、オフェリアはもう眼鏡もなしにあたりがハッキリ見えるようになった
天国の門の前に立ち、周りに大勢の華やかな衣装をまとった、
輝くばかりに美しい人々がいて、にっこりしている

「分からないですか? 我々は、あなたに拾ってもらった影たちです
 とうとう解き放たれて、そこらをウロウロしなくても済むんです」





門が開き、オフェリアは立派な宮殿に案内された 堂々たる劇場で
入り口には金文字で「オフェリアと光の一座」と書かれていた


それから、オフェリア一座は、天使たちのために
人間の偉大な作家が書いた芝居を上演している

そうして、人間として地上にあることがどんなに惨めで
どんなに素晴らしく、どんなに切なくて、どんなに滑稽か
天使たちに分かりやすく教えてやってもいる


オフェリアは、役者がつかえないよう、セリフを囁き続けている





ただただ感動で鼻をすすった
エンデの想像力、文章の才の素晴らしさを堪能
最後は皆豊かで、穏やかな気持ちになる1冊

世の中にはまだまだ素晴らしい絵本が無数にあるんだなあ!
1冊1冊の出会いに感謝

毎日、大好きな芝居を観て、人々を喜ばせ、
家がなくなっても、トランク1つで旅に出て(これは私の夢
死さえも丁寧に迎え入れるオフェリア

こんなにステキな人を悪く噂する人間の心の狭さは切ないことだが
天上の世界では、光だけの世界

ヒトの悲喜こもごもの物語は、天使たちの心をも動かすことだろう



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『ガリバー旅行記』(福音館書店)

2017-03-06 11:26:33 | 
『ガリバー旅行記』(福音館書店)
原題 Gulliver's Travels by Jonathan Swift
ジョナサン・スウィフト/著(英1726 日1988) 坂井晴彦/訳 チャールズ・エドマンド・ブロック/画
1990年5刷

※1996.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。

ジョナサン・スウィフト:
アイルランドのダブリン生まれ
父は生まれる前に死に、母は彼を産んですぐイギリスに帰国
乳母と伯父に育てられる

大卒後、イギリスに渡り、政治家、歴史学者のウィリアム・テンプルの家に住み込みで勉強
聖職者、晩年は政界でも不成功 持病の頭痛に悩まされ、1745年、78歳で孤独に死ぬ

ほかには『桶物語』『僕婢訓』など
彼は今作を「読者を怒らせるために書いた」と言ったとか
でも、出版当時から今に受け継がれる人気文学のひとつ


『ロビンソン・クルーソー』と同時期に発売された今作
『ロビンソン・クルーソー』はやたら宗教心で書かれているのに対して
今作は、やたら政治批判で一貫している
スウィフトの生涯の経歴が影響しているのか?

でも、硬い話、風刺抜きにしても、SFファンタジーの面白さの魅力もあるし
J.ヴェルヌほど正確な調査に基づいた「空想科学小説」までいかずとも

飛ぶ鳥を見た時はUFOかと思ったし、が統治する理想郷と人間との関係も突飛ながら
現代、私たちがクジラやイルカを高い知能で温和な動物として憧れ、友達になろうとしているのにも似ている
馬が牛の乳を搾るシーンは笑える

大体、航海→難破→その国の言葉を覚え→政治・文化の情報交換→追放→家に帰る→航海の繰り返し

これら海の旅行ものを読むと、船乗りって気質は、よっぽど海の上の暮らしが好きなのが分かる
妻子にまったく人格がないように描かれているのも特徴的

でも、帰る港は欲しいわけね
散々ほったらかされて、しまいには“ヤフー”だと軽蔑される奥さんが可哀相

まだ地球上の完全な地図を作る前の時代だから、女性蔑視の表現もあちこちに見られる
1つ男女平等の教育(4編だったかな? さすがフウイヌム!)のススメはあった

期間を延長して、4週間(朝のみ)かけて読破した 大まかな内容は以下のとおり


あらすじ(ネタバレ注意

【第1篇 リリパット(小人国)への航海】

このブキミな魚怪獣?の絵気に入っちゃった


船医の勉強をしたガリバーは、航海に出て難破
小人の国で捕らわれの身となる

使っていない神殿に住み、自由を与えられ、言葉も学ぶ
「人間山」と呼ばれ、王族にも気に入られる

彼らの敵国ブレフスキュとは、卵をどこから食べるかで昔から争っている
(ローマカトリックとプロテスタントの宗派争いを風刺)


ガリバーは敵国艦隊を50ほど盗み、称号を与えられるが
大臣夫人とのありもしない噂をたてられたり、内部抗争に巻き込まれ
食費の膨大な出費や、火事になった宮殿に放尿したのが決定的な失敗となり
暗殺計画がもちあがり、ブレフスキュに逃亡する

流れ着いたボートでイギリスに戻り、連れ帰ったミニ牛のおかげで
夢のような話を信じてもらえる



【第2篇 ブロブディナグ(大人国)への航海】

2ヶ月もしないうちに航海に出て、また難破
着いた島で巨人に会い、仲間は逃げてしまうが
ガリバーは農民に見つかり、主人の家で飼われる?ことに

ネズミに襲われるが退治
主人の娘グラムダルクリッチ(可愛い乳母)に言葉を習って仲良くなる

主人は、彼を見世物の旅に連れ歩き、病気になるまで酷使する
そして皇族の耳にも噂が入り、買われて乳母も一緒に住む

小人にいじめられ、小屋を作ってもらい、ハエやハチに襲われる

体が小さいため、大人の体臭がキツく感じたり、肌が穴だらけ
ホクロはお盆サイズで、そこから生えている毛が
荷造りヒモくらいに見えたっていう表現は笑える

船を造ってもらい、漕いでみせると、カエルが乗ってきたり、
に子どもと間違われて誘拐されたり、小動物とのやりとりが面白い

王と政治談議
海を旅して、ワシに運ばれ、海に落とされ、仲間の人間に発見される

今までの習慣で大声で話したり、周りの人を踏みつけそうに思って
何度も叫んで無礼な奴だと頭を打ち割られそうになったり

妻にキスするのも、自分には届かないだろうと見上げて
かえって見えなかったりするシーンも
なるほどそうかもしれないと思わせる



【第3篇 ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブ、および日本への航海】

懲りない人ってこーゆー人のことだね
また2ヶ月もしないで航海に出て、今度は海賊に遭い、
1人だけ無人島に流されて、空飛ぶ島ラピュータに引き上げられる

ラピュータ人の目は、バラバラに向いていて、いつも考えごとをしている
棒みたいなので叩いてもらわないと思い出してもらえないし、
話したり、聞いたりもできない

葉巻型円盤ソックリ! 17Cにも出現していたのかしら?


いつも太陽が滅びたり、彗星の衝突で地球が滅びる心配をしている
(ありもしないことを計算しては心配する科学者を風刺)

幾何学模様が大好きで、周りの形はみな三角、四角
数学と音楽に秀で、ほかを軽蔑している

だから政治も建築も農業もメチャメチャ
婦人らは、下の島でほかの男と遊び放題

ラピュータは、磁気で浮かび、その下の島は、強力な磁力を発している
下の島バルニバービも荒れ放題

古い習慣を守り、キチンと畑を耕している人も一部いるが
人々には「非国民」として軽蔑されている

大学では排泄物を食べ物にかえる実験、クモの糸で衣を織る実験
(実際、当時研究されていたらしい
言葉を言う労力を節約し、物自体を見せて会話する研究とかetc...


「魔法使いの島」では、死人を一時復活させる酋長に会い、シーザーやらのヒーロー、
アリストテレス等の学者を見たり、歴史書や説明書の誤りを知り
貴族や政治家の腐敗ぶりを見て憂鬱になる


ラグナグでは、不死人間を知る
ガリバーは、もし自分がそうなら知を究め、徳を広めて幸せだろうと想像するが
老化までは防げず、醜く、脳の退化した彼らを見て
死ぬに死ねないことが、どれほど辛いかを知る


日本に関する著述は、ほんの少し、踏み絵制度に触れているだけ



【第4篇 フウイヌム国(馬の国)への航海】

帰国して、5ヶ月で再び航海へ
途中、海賊を補給して船を乗っ取られ、島に残される

人に似た獣ヤフーを見て、馬ソックリで話すフウイヌム族に会う
それを真似ると驚き、家に連れていかれる
服が肌の一部と思われたらしく、それを脱いだ時驚かれる

言葉を覚えて、主人に英国のことをいろいろ話すが
嘘や悪、言葉自体存在しないこの国では「ありもしないこと」と思われ、

ヤフーと人が理性などない動物以下の生活をしていると認めないわけにゆかず
権力欲、金銭欲、情欲、不摂生、憎しみ、嫉妬(7つの大罪ってとこだね)
戦争のしくみ、侵略行為、弁護士についての記述は納得
とにかく金で動く世の中

ガリバーは次第にヤフーを恥じ、憎しみ、フウイヌムの習慣を尊敬してゆく
(ヤフー病に効くヤフーの糞尿で作った薬はいらないなあ

ガリバーはヤフーのメスに誘いをかけられて笑われる
友情と慈愛心という美徳を、手足が備わっていることを自慢しないのと同じく
当然のものとしてもっているフウイヌムにも階級制度はある

召使は、ずっと召使のまま身分はかわらない
それで文句も生まれない
1家に1頭制で事故で失ったら、ほかのメスからもらう

会議では、必要なことのみ決めて、心身を鍛え、奨励するために運動競技大会がある

死を怖れず、長旅に出るかのように皆別れの挨拶をする

せっかく主人の近くに小屋を建てて、日々幸せに美徳を学んでいたのに
やはりヤフーを自由にさせておけば悪影響が出る
いっそヤフーを絶滅させて、ロバを飼ったほうがいのではと決議が下り
「勧告が出た」と言い渡されて気を失うガリバー

仕方なく船を造り、あてもなく漕ぎ出す
友人となった召使の馬が「ヌフィ・イラ・ニア・マイアー・ヤフー(ヤフー君、気をつけてね)」と見送る

船乗りに見つかったガリバーだが、すっかり人間嫌い(ヤフーソックリの人嫌い)となり
妻子まで寄せつけなくなり、馬を2頭買って仲良くなる

歩き方が馬ソックリで、話し方も人々の笑い者になるが、逆にそんな人間を哀れんだ
その後航海にも出ないという




ラストの第12章(!?)では、なぜこの本を書いたか丁寧に書かれている
あくまで風刺の態度を失わず「この物語が真実だと誓う」と一貫しているのがスゴイ




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『ほらふき男爵の冒険』(福音館書店)

2017-03-06 11:25:33 | 
『ほらふき男爵の冒険』(福音館書店)
原題 DIE WUNDERBAREN REISEN UND ABENTEUER DES FREIHERRN VON MUNCHHAUSEN by Peter Nickl 再話
ペーター ニクル/著 ビネッテ・シュレーダー/イラスト 矢川澄子/訳
初版1977年(1982年) 1600円

※1996.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。

原題は「ミュンハウゼン男爵の素晴らしき旅と冒険の物語(陸上篇)」

「あとがき」から、どうやらこの男爵は実在人物で、話に基づく2つの原本があって
今作は絵本スタイルで一部を“再話”したものらしい

彼の存在すらホラ話に思えるほど、この本の内容は苦笑するほどの大ボラ話ばかりで
そのナンセンスを楽しむもの

テリー・ギリアム監督の映画『バロン』(notes and movies(1994.10~ part8)参照)
この物語がホラとして世に知れ渡ったことを不名誉に思い、腹を立てた本人が
トルコ戦争当時を思い出して語った設定で、

この絵本の中の「泥沼から馬ごと自分の髪を引っ張って持ち上げ」たり
「飛ぶ弾に乗って敵陣に向かい、帰りも弾に乗って戻ってきた」エピソードも映像化している

この他「海上篇」もあるとのこと

挿絵があの幻想的で、退廃的なタッチが魅力のビネッテ・シュレーダーだからまたイイ

私が持っていたカレンダーにあった絵は、この間、図書館で見つけた洋書絵本として
すでに出版されているものの抜粋だったわけね


ここに「あとがき」に載っている年表の概略を書く

ヒエロ=ムス・カール・フリードリヒ・フォン・ミュンハウゼン男爵

1720年生まれ

1736年 ロシアとトルコ戦争兵役参加

1744年 結婚、狩猟、犬馬の調教、自分の城に客を招いたり、小旅行を楽しむ

1781年 アウグスト・ミュリウス「粋人必携」内でM-h-s-nのホラ話を発表

1785年 ルドルフ・エリック・ラスペ それを旅行記として初の英訳出版

1786年 ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーが独訳 独自の物語も追加して出版
後々も多数出るがミュンハウゼン男爵自身の実話には基づかない

1794年 ラスペ・ビュルガー死去
ミュンハウゼン男爵は再婚後(妻の死後)すぐ財産目当てと知り、離婚訴訟を起こす

1797年 死去

晩年は栄誉に包まれながら、自分がホラ話と結びついて有名になったことにひどく腹を立てていたという



主に狩りの話が多い

ベーコンを飲んだ数十羽の鴨に家まで運んでもらったとか
鹿の角にサクランボの種を撃ち込み、たわわな木ごと倒してチェリーソースがけの鹿肉になったとか



グレハウンドがウサギを追いかけて互いに子どもを産み、6匹のウサギと6匹の犬が手に入ったとか

戦闘で下半身そっくり切り離された愛馬(彼は雌馬と仲良くしていた)を
木の枝で縫い合わせていい乗馬の木陰になったり、

月までオノを取りに行って、縄を結い、地に落ち、
家から鋤を取ってきて(もう穴から出てるじゃん)深い穴から脱出したとか

最後は、凍ったラッパから溶け出した楽しげな音色でおしまい

バカバカしくも奇想天外なアイデアがイイ


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