メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

鋤田正義 写真展:SUKITA / M Blows up David Bowie & Iggy Pop@キヤノンホール S(品川)(2017.3.2)

2017-03-03 11:08:59 | アート&イベント
鋤田正義 写真展:SUKITA / M Blows up David Bowie & Iggy Pop@キヤノンホール S(品川)(2017.3.2)
2017年1月19日(木)~3月6日(月)
入場料:無料

スペシャルトークもあったのか 観れずに残念


以前、イベントで来たキヤノンホールS

竹沢うるま トークイベント@キヤノンホールS(東京・品川)(2016.10.22)










【その他のブログ内関連記事】

『気 デビッド・ボウイ写真集』(TOKYO FM出版)
『鋤田正義サウンドアンドヴィジョンきれい』(パルコエンタテインメント事業部)
図書館で借りたCDシリーズ~The Next Day/David Bowie ほか

アヌップ・シャー写真展 「マサイマラ」@コニカミノルタプラザ(2016.11.22) ほか
『今』 竹沢うるま(小学館)


日本でイギーのプロモに来た2人 ツアーと違って時間の余裕があったから撮影をオファーしたら受けてくれたそう



前方はボウイコーナー、後方はイギーコーナーに分かれていて
どちらも素晴らしい表現者だと再確認

会場内にはボウイの♪ヒーローズ ♪スターマン などが流れていた


<ボウイコーナー>

『気 デビッド・ボウイ写真集』(TOKYO FM出版)からのパネル抜粋が多かった

ほとんど裸で小さいハコで観客を煽る写真もあった


山本寛斎氏デザインによる「出火吐暴威」と書かれた衣装

プライベートショットは、どこかの店先にフツーに座っている姿とか
梅田駅のホームにいても、電車内の乗客は気づいていない様子



ボウイは、なんといっても、時代とともに、あらゆる七変化しているのが特徴的





ヒーローズの連写、ティンマシーン時代
 


最近のは、スニーカー、黒ジーンズ、Tシャツ、赤いバンダナ、デニムっぽいジャケ
素に近いラフな感じに見えても、これもまた彼の宇宙の一部分に過ぎない
どの顔も演技者だ



<イギーコーナー>

若い頃から上半身脱いで歌っていたけど、歳をとっても現役バリバリで演っているのね/驚
ボウイと対照的に表情が豊か カメラを向けるとおどけてみせる
若い頃と、年齢を重ねた頃の対比も凄い

若い頃は、ゲタを履いていろんな表情を見せて、飛び出すほどの大きな眼と黒髪が印象的



日本の和風な場所を訪ねて、50~60代の着物女性に穏やかなまなざしを向けて
ステージパフォーマンスからは想像できない姿が映っている 白シャツにタイだし
和室ではキチンと正座して、老婦人の話を興味深げに聞いている



今ではネイティヴアメリカンみたいな迫力!
死体のように横たわったり、ライヴハウスではダイヴして運ばれたり!



シワの1本1本に物語を感じる
老いてなおパワフル、エネルギッシュ、セクシャル どうだとばかりに誇らしげな顔


2人とも美しく、究極のパフォーマーだが、スタイルがまったく違うのが面白かった

今回の写真展の作品がかなり載ってるパンフが無料で置いてあったのでもらってきた
さすがキヤノン太っ腹/驚








岡田昇写真展:BEAR 火と水の国カムチャツカの生命@キヤノンオープンギャラリー1
2017年2月7日(火)~3月13日(月)



クマ可愛い! 私の好きな星野道夫さんにも通じる点が多いし、
バンサンの『アーネストおじさん』シリーズも思い出す

真っ赤な魚の群れは、産卵期のサケだろうか
星野さんが、クマは一番栄養価の高い卵の部分を食べて
残した部分を鳥や、小動物が食べるって書いていたな

若いオスか、真剣に何かを見つめる眼に惚れる

海辺に誰か立ってると思って、よく見たらクマさんだったりw

子グマさんたちももちろん可愛い!
大人も子どもも、耳がマンガで描いたみたいに丸いんだね




日本写真芸術専門学校 優秀作品展@キヤノンオープンギャラリー2



“日本写真芸術専門学校の在校生約250名の中から選抜された優秀作品25作品を展示致します。”
2017年2月24日(金)~3月13日(月)

今はスマホやデジカメなどでも簡単にいい写真が撮れるから
海外に行った時なども、人々の暮らしぶりを撮って、世界に広めたらいいと思った
ニュースで切りとられたトピックから漏れるリアリティがある

純ちゃんも著書『戸川純の気持ち』(JICC出版局)で書いていたような
2015年東京の中流階級のパンクスは、まずファッションから入っている感じを受けた

谷川俊太郎さんの詩集『二十億光年の孤独』からインスパイアされた作品もあり

私が好きな森に還る石造りの家や、明治・大正・昭和時代の日本の洋館
「長崎刑務所」や少年院なんかもあったし、ニコライ堂もあった

貧困のテーマの中で、大阪の西成、横浜の寿町が挙げられていたけれども、初めて知ったな









追。

「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”

ツイッタの「The Big Issue Japan」のリツイートを見て知った

そいえば、有楽町駅でも明るいおじさんが売っていたっけ
都内でも池袋をはじめ、たくさんの場所で売っているんだな

気になったので1冊買ってみた



THE BIG ISSUE JAPAN306号
特集:7年目の福島 ーー帰りますか
スペシャルインタビュー:『モアナと伝説の海』

パッと見、思ったよりいろんなコンテンツが幅広く入っているようで読み応えがありそう
読後感想メモは、またいつか書きます



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歯医者(2017.3.2)

2017-03-03 10:54:54 | 日記
3ヶ月に一度のメンテナンス
朝から雨でテンション下がったけど、予約してあるので仕方がない

今回は待たずに予約時間ピッタリに呼ばれた

メンテをしてもらいながら、いつも優しい女医さんに
こないだ2週間以上も苦しんだ「口内炎」についていろいろ質問してみたら、
女医さんも今まさに口内炎ができていて痛いそう/汗×5000

私の場合
1.白くポツっと急にできるもの
2.赤くただれた感じ(これは痛い
3.急に黒い血豆みたいなのがボコっとできて、痛みはそれほどでもないけど
口の中でゴロゴロして、いつのまにか消えている

3.は、実際、内出血らしい

女医:
基本、「口内炎」は2週間くらいで治ります
それ以上続くようなら、ほかの病気の疑いがあるので受診してください

(私の母方の祖父が舌のがんで亡くなっているから、今回、不安になってネットで調べたほど

「口内炎」ができる理由:
1.口内を噛んで、雑菌が入り、炎症を起こしたもの
2.胃腸が弱っている時
3.栄養不足
4.睡眠不足
5.ストレス

私「チョコラBBって効きますか?」
女医「あんまり分からない

なんだ じゃ、止めようっと

女医「私は、睡眠が一番いいと思いますよ あとはもう2週間我慢するしかないです


最近、やたら「歯を食いしばる」クセが出てきたことも相談してみた

女医:
ストレス、緊張などで食いしばる人はたくさんいます 私も小さい時からそう


私の友だちが「歯ぎしり」でマウスピースを作って、夜寝る時に装着している話もしたら

女医:
歯が削れてしまうのを防ぐ効果がある
食いしばりに関しても、歯が削れるくらいなら使う人もいますが
型をとるから、難関ですよね?

はい、絶対ムリです

女医:
口を閉じた状態で、口の中で歯の上下が少しあいているくらいが一番良い
食いしばってるな、と気づいたら、開けるよう意識するだけでも違います



いつも分かりやすい説明ありがとうございます
今回は、左下に歯垢がたまりやすいところがあり、右上奥がしみた
詰め物も多い箇所だから要注意

女医:
毎回、出血も減ったし、改善してますよv


褒めてもらうと嬉しいし、モチベーションも上がる
メンテに通うようになって意識が上がったのもあるし

相変わらず、奥歯までフロスを入れることは出来ないけど
てか諦めた プロの女医さんですら「キツい」てゆってるんだから私にはムリ




追。

最寄駅のガストがなくなってた/驚

その下のハンバーガー屋も、お弁当屋さんも、マツキヨもなくなったから
全体を解体して、なにか他のものでも作るんだろうか?

なら、新鮮な野菜や果物、お惣菜を売るスーパーがいいな
どんどん食糧難になる駅前・・・



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『ロビンソン・クルーソー』(福音館書店)

2017-03-03 10:53:54 | 
『ロビンソン・クルーソー』(福音館書店)
原題 The Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoe of York, Mariner by Daniel Defoe
ダニエル・デフォー/著 ベルナール・ピカール(フランス 1673~1733)/画 坂井晴彦/訳
初版1975年(1982年9刷)

※1996.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。

ダニエル・デフォー
1666年 ロンドン生まれ
商人から32歳の時に破産 政治、宗教、新聞の編集、執筆等
今作は59歳の時の初の長編小説
(借金のため、大人向けに書いた物語が、世界中の子どもから大人まで今でも読まれるなんて!
1731年、71歳で孤独な死

南米チリの孤島で5年間も暮らしたアレクサンダー・セルカーク(スコットランド)の体験談などをモデルにした
イギリスで初めて出版されたのは1719年

今や彼は「イギリス近代小説の父」
宗教色が強いけど、時として少し散漫になるくらいにたくさんの冒険をするクルーソーは
3部作まで書かれて、ヒットしたは今作のみ

これは、文章を整えた児童書向けのもの

図書館で見つけたのは、今まで数知れない子どもたちの指でくくられて
夢を見せた歴史を感じさせる黄色いハードカバー
紙は変色しているけど、その具合がまたイイ

いつも夏から秋にかけて、夏休みの平凡さを補うように冒険ものを読むようになったが
今回もとびきりドキドキの経験をさせてもらった
ほかにも『ガリバー旅行記』『宝島』『海底二万海里』など、子どもの頃に読み損ねた名作をたくさん読みたい

今作には、作者が長く、波乱万丈な人生をかけて、人々に伝えようとした
生きることのエッセンス、心を動かすセンテンスがたくさん出てくる

1つ1つ思い出して書き留めることはできないけど、おおまかなあらましをメモることにする
ちなみにこのノートは、今日、有楽町そごうで買って、
見た目はいいけど、紙質が粗くて失敗 とっても書きにくいな

9月25日(水)
外は雨 少しずつ秋も深まって、うすら寒くなると、なぜか人寂しくなるのはなぜだろう



あらすじ(ネタバレ注意

三男で何の不自由もないクルーソーは、一度航海に出て、世界中を見て周りたいという夢があるが

「中産階級は、下流の人のように食べる物に困りもせず、上流の人のようにうぬぼれることもない
 あらゆる美徳、喜びは、中流の者に備わった侍女のようなものだ」


と父からなだめられたのに耳を貸さず、
タダで船に乗せてくれる友についていき、家出してしまう

後に改めて思えば、彼は20歳前後だったのよね
デフォーの考え方が滲み出て、設定よりも大人びて見える



1651年9月1日
その後、これらの日付は、神の奇跡か偶然か、ほかの主な記念日と一致してゆく

生まれて初めての航海で、嵐に遭い、死ぬほど怖い目にあったにも関わらず
懲りずに再び拾った命で航海に出発

こういう後先考えない「何でもやればできる」という向こう見ずな勇気や好奇心は、やはり若者の特権

そこで海賊に会い、ムーア人の奴隷となって2~3年主人に仕える


その後、釣りに出かけた大きめの船で脱走

ブラジルに渡って、農園をはじめて成功し、
3~4年で3000~4000ポンドの収入にもなり
そこで一生過ごせば中流の幸福が確保されたも同然なのに

また悪魔の囁きか、経営をほかの人に任せて航海に出て
とうとう嵐に遭って、ただ一人、無人島にうちあげられる

2~3日は、食人種や、猛獣を怖れて、木の上で眠り、生きた心地もしなかったが
船の残骸から、あらゆる運べるだけの荷物をいかだで運びこむと同時に
船は崩壊して流される

パンやワイン、道具類、マスケット銃、聖書、日記をつけることになる紙とインク
犬1匹、猫も2匹いたのが中後半で初めて分かる

増えてしまった猫を水で溺れさせて殺したり、ヤギを撃って皮を剥がして乾かして、
着物や傘にし、肉を食べ、脂はロウソクにして
とても残酷で野蛮だけど、これらの自給自足の独り暮らしの工夫にはただただ感心する


崖を掘ったところは貯蔵所になり、雨季のひどい時の避難場所にもなり
砂と木で囲まれたテントの中、少し離れたところには、
自然の美しいあずま家の別宅になる


そして長く住むうちに、ヤギは飼って育てたほうが火薬の節約にもなり
乳からチーズ、バターも作れて、牧場をもち、パンまで作る

鳥のエサを捨てたら大麦が生えてきた!

“おこり病”になった時は、さすがに気がくじけて
タバコと干しブドウで治したのはフシギ

次第に神に祈ることをはじめて、ついには敬虔な信者となる


島を把握しようと出かけて、西の海で危うく帰れなくなりそうになったり
霧で迷ったりして、その都度、命が救われ、家が重要になる

オウムを見つけてペットにして言葉を教える
彼とは一生共にしたようだ


ほかの船が漂流してきて、新たな品が手に入る
自分で丸木舟をつくってみるが、運ぶことが念頭になくて失敗

食人種の足跡を見つけ、やがて忘れた頃に、姿も見つけた時は、私も本当にギョっとした
戦でとった捕虜を食べてしまうなんて、文明が違うとはいえゾッとする

「ひどい境地に落とされたことで、かえって救われることがある」


捕虜の1人を助けてフライデーと名づけ、神の信仰を教えて、食人癖を改めさせ、心から尽くす家来にする
ここまで宗教的なのに、黒人を奴隷にすることにはなにも抵抗を感じない様子なのがフシギ
16Cそのものが、まだまだ未開で野蛮だったのね

フライデーとの暮らしも3年ほど経ち、英語も片言覚えて、
このままここに骨を埋めてもいいとも思うが
本土のほかの者にも良い教えを広めて欲しいと言われて
再び脱出計画が頭をもたげる

また野蛮人の宴の時、スペイン人と、フライデーの父親を救う
2人も家来にして、穀物を半年かけて増やしてから
本土で捕虜となり、ひもじく暮らすスペイン人たちを呼び
船を造って海を渡ろうと考えて、2人を送り出す


そこに驚きの連続 イギリス船がやってくる
水夫が反乱を起こして、船長らを捕えて殺すつもりが
クルーソーのアイデアが次々当たり、50人を超える兵がいると見せかけて
別々に捕虜とし、ついに本船もとりかえす

今作での“船乗り”は、粗暴ながらストレートな性格に描かれ
船長はみんな“恩は最期の血の一滴でも惜しまず尽くして返す”といった具合に
情が厚いのが印象的

悪党の命は助けて島に残し、暮らし方まですっかり教えて
その後、スペイン人らと合流して、仲良く住んでいるところへ
航海中立ち寄った後日談まで丁寧に描かれているらしいけど
児童書用は、帰途に着くまで(1686年)


なんと、28年間も暮らしていたってわけ

20過ぎの若者も、帰る時は50過ぎていたのが
結婚して子どもも3人もうけ、
また懲りずに航海に出たところをみると
この男はほんとにハンパじゃない放浪癖、安住できない性格だったのね

デフォー自身も結婚生活は不幸で、いろんなところで活躍していたみたいだから
似てるのかもしれない


「どれほど惨めな境遇の中にも、多かれ少なかれ、必ずそこには感謝すべきことがある」

今度落ち込んだ時は、クルーソーみたく簿記の借り方、貸し方表にまとめてみるといいかも


「人生は、なんと複雑な運命の織物だろう!
 そして私たちの心は、情勢によって、なんとめまぐるしく変わるものか!

 今日愛しているものを、明日には憎み、
 今日求めているものを、明日は避けたり

 今日なんとしても欲しいと思っているものが、
 明日には考えただけで身震いをして怖れてしまう」



もっともっと金言が詰まっているけれども、今回はこのへんで



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『宝島』(福音館書店)

2017-03-03 10:52:54 | 
『宝島』(福音館書店)
原題 Treasure Island by Robert Louis Balfour Stevenson
ロバート・ルイス・スティーヴンソン/著(英1883 日1913) 坂井晴彦/訳 寺島龍一/画
初版1976年(1985年11刷)

※1996.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。

ロバート・ルイス・スティーヴンソン
1850年 スコットランド生まれ
バツイチのファニーと結婚、連れ子ロイド・オズボーンのために1881年(31歳)の時に今作を執筆
もともと病弱で、療養中のサモア島で1894年 44歳の若さで死去
ほかには『童謡の花園』『ジキル博士とハイド氏』(!)『さらわれたデヴィッド』『新アラビアンナイト』など


これが誰でも名前くらいは知ってる名作
少年少女が夢中になって読んだ冒険物語の決定版
毎朝30分の読書週間タイムを利用して、とうとう読みました!

『海底二万海里』等と比べると、息子相手に意識して書いたこともあってか
すぐアニメ化、映画化できそうな分かりやすい文体で
スリルと冒険がつまった劇画タッチ




読み進めて初めて分かった

以前、モンティ・パイソンのジョン・クリーズが肩にオウムを乗せて
片足で立って乱暴に喋っていたギャグのモデルは、紛れもない
この本の悪玉ヒーロー「船の料理番」ジョン・シルバーだったのね
(名前も同じなのも偶然?! 思わず笑ってしまった

主人公は、ロイドと同じ年くらいと思われるジム・ホーキンス少年
11歳くらいなのに、はじめから終わりまで善玉を救い、悪を倒し、
宝を見つけて、無事に帰るまで手助けする大活躍ぶりは
読者を共同体とするキャラクターにはもってこい

同じ海ものの冒険談でも、本書はもっぱら気が短い、荒っぽい下っ端水夫や
「海のお大臣」(gentleman of fortune 財産のある紳士)
つまり海賊どもの話で、活気に満ちた会話や、生活描写がリアルで面白い



あらすじ(ネタバレ注意



「ベンボー提督亭」を営む母を手伝うジム少年
父は病身で間もなく亡くなった

そこにいかにも柄の悪いビリー・ボーンズという老水夫が泊まり、周囲を怖がらせる

亡者の箱にゃ15人 えんやこらさ おまけにラムが1瓶よ!
 あとの奴らは 酒と悪魔がやっつけた えんやこらさ おまけにラムが1瓶よ!


こんな歌が18番まで

彼は世界で悪名高き、血も涙もない大海賊フリント船長とともに海を荒らしまわり
船長が宝をすべて埋め、乗組員らを葬った船にも一緒にいて

彼がラムの飲みすぎで死んだ後、宝島の地図を持っていたために
仲間Black Dogに見つかり、黒丸(呼び出し状)をつきつけられるが
その前に自分も脳溢血で死ぬ
(船員はやたらラム酒にハマってるみたいだけど、どんな酒かしら?

盲目のピューと仲間が荒らしまくった時は、すでにジムと母が地図を出した後で
助っ人にきた町の人の馬に轢かれてピューは死ぬ


医師のリブジー先生と、地主さんに見せると、早速、船を向かわせる計画となる
しかし、地主さんの集めた水夫は、ビルが怖れていた1本足のジョン・シルバーとその仲間
(どうしてジムは、彼は危険だと思わないのか、ここが面白くするポイント

常識的なスモレット船長は、警告するが、地主に無視される
その予感は大当たり

猫をかぶっていたシルバーが船員を味方につけて、宝が手に入ったら皆殺しにするという
恐ろしい計画を話しているのをリンゴ樽の中で聞いてしまうジム


島を発見し、計画を先生に話したので、いったん水夫を陸におろすことにして
ジムは「第1の行動」を起こす

一緒に上陸し、シルバーが水夫を殺すのを見て
フリント船長に置いていかれて、3年近く島に住んでいたベン・ガンと出会う
味方につくことで分け前をくれとしつこく話す
(「って言ってくれよな」て連発するところは笑える

その間、先生たちは砦に逃げ込み、船は乗っ取られ、海賊旗(ジョリー・ロジャー)がたてられる




銃撃戦は激しく、味方は先生と地主、船長は負傷 グレー先生はベンに会いに行き
ジムは「第2の行動」に出る

小屋を飛び出し、一寸法師の乗っていた丸い船みたいなのを漕いで
船を海へ流してしまうつもりが、酔って弱ったハンズとともに北の入り江に船を移し
命を狙われた時、撃ち殺す

小屋に戻ると、先生が地図も、小屋も、食糧も渡してしまった後で、シルバーに捕まってしまう
頭のキレる彼は、両方の逃げ道のためにジムを人質にし、
仲間の反乱をうまくしずめ、先生は絞首刑は逃れるように約束してもらう

「あんたが俺のおふくろだったとしても、それ以上のことは、とても言えねえでしょうよ!」


聖書を破いて黒丸をかいたディックは熱病にかかる
信仰はこんな水夫にまで影響力があるのね/驚


骸骨のサインを目安にやっと見つけたところに宝はなし
実はベンがとっくに洞穴に移した後で
再び反乱が起きる瞬間、先生らの銃弾に救われる

3人を島に残して、シルバーは自由の身の上、300ギニー(今のいくらだろう?)を盗んで逃走
その後は、それぞれ分け前をもらって、それぞれの人生に使ったとのこと

これだけのことをやらかして、命が助かった上、自由になるなんて
シルバーの中には善悪が同居している
魅力的で奥の深いキャラクター



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『ピーター・パンの冒険』(フォア文庫)

2017-03-03 10:51:54 | 
『ピーター・パンの冒険』(フォア文庫)
原題 Peter Pan and Wendy
ジェイムズ・バリ/著 伊藤悌夫/イラスト 渡辺南都子/訳

※1993.11~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。


永遠に少年のまま、大人にならない男の子!
この名前は世界中の子どもから大人までが知っている

「ピーター・パン・シンドローム」なんて言葉もうまれて、現代社会に対応できず
いつまでも成人することを拒む症状として、心理学上でも問題とされたし
日本でもアイドルがこの役で何度も繰り返し演劇が上演されているのに
この年になって初めて原作を読むなんて人がいるかしら?

これまでにも、そしてこれからも、ピーター・パンについては無数の評論家が書き続けるだろうし
私は読んで感じたそのままを簡単に素直にメモる程度にしておこうと思う

というのも、一度、それもバイトの間に細切れに読んだだけじゃ
今作の本当の奥深い意味は感じとれなかっただろうし
せめて本当に子ども、ウェンディくらいの少女に戻って
一緒に楽しい冒険に参加できただけで満足だから

もう一度、最初からページをめくれば、いつでも、いくつになっても
この物語は、ここに永遠に存在しているのだから


ジェイムズ・バリ
1860年 スコットランド生まれ
『Peter Pan and Wendy』は1904年に書かれた バリが44歳の時

もうすっかり少年とは言えない年になって、この物語を書いたのは、どんな気持ちからだろう?
この物語が生みだされた話もいつか知りたい気がする



あらすじ(ネタバレ注意

ダーリング夫妻の子どもたち、ウェンディ、マイケル、ジョンは、
ある夜、ピーター・パンと、妖精ティンカー・ベルに連れられて、ネバーランドへ旅をする

そこには子どもの大好きな冒険などがたっくさんあって
毎日、彼らは木の下の家に住んで、インディアンや海賊と戦ったり
妖精や人魚に会ったり、毎日が面白い冒険の連続

中でも海賊の長フックは、かつてピーターに片手を切られて、ワニに食べられ
今では鉤になってしまっていることで、ひどくピーターを憎んでいて
いつかやっつけてやろうと追いかけている

子どもたちは、そんな時間のないネバーランドで楽しく過ごした後
本当のお父さん、お母さん、乳母がわりの犬のナナが
もう自分たちを忘れてしまっているんじゃないかと不安になって、家に帰ることにするが

とうとうフックに連れ去られ、危うく海へ落とされるところをピーターに助けてもらい
かわりにフックがワニの餌食となってしまう

子どもたちは、無事に家に戻り、やがて大人になってゆく





バンの語り口調は独特
最初は子ども向けの話なのに、海賊を何人も殺すとか血生臭いことが多くてビックリしたけど
考えてみれば、子どもは純粋無垢である一方、時に残酷で、身勝手なものだ

作者が作品中で言っているとおり、2~3歳の「個」の目覚め、
「エゴ」が生まれた瞬間から、大人への第一歩を進み始めるのだから


作品中、子どものことを決して良く言っていないのも児童文学としては珍しい

ピーターはいつでも子どもそのもので、時として素晴らしく無邪気で可愛らしく
誰も抵抗できないくらい奔放で、時にひどくワガママ勝手で、自惚れ屋
カチンとくるようなところがあるし

迷い子たち、ジョンやマイケルも、親の心配をよそに遊びほおけて
なんの罪悪感もなく家に帰ってくる

“みんな、いつでも笑顔で迎え入れられることを疑いもしないで”


ピーターがどうして子どものままなのか、妖精とはどういうものなのか等々
いろんな謎解きがたくさん詰まっているのも今作の面白いところ


私が思うに、ネバーランドは『はてしない物語』の「ファンタジアの国」と同じじゃないだろうか?
子どもたちが想像を豊かにふくらませ、それを信じるほどに豊かになってゆくファンタジーの国

だから、いくらインディアンや海賊と戦って血を流したり、危険な目に遭っても
子どもたちが主人公で、中心であることが大前提で、決して本当に死んだりはしない


その理由に、フックはとっても恐ろしいと同時に、どこか哀愁を帯びていて
どこか間の抜けたお茶目さ、憎めない深い情がある

いつも「正しい行いをしなくちゃ」と分かっているのにうまくいかないフック
彼もまた、お母さんになってくれる女の子を求めているし
今作内で私が一番誰が好きかと聞かれたら、たぶんフックだ


まだまだたくさん書き足りないけれども、今回はこのへんで
近いうちに、あのつい最近話題になった映画『フック』を観ることにしよう
notes and movies(1993.11~ part1)参照

でも、あれは大人になってしまったピーターの話だけど
ディズニーアニメ映画にもなっているし、英語の原本でも読んでみたい

また子どもに戻って冒険を最初から始めるために



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