野生動物があふれている、グアテマラでもっとも忙しい「ジャングル動物病院」を密着取材した

「ペットショップ」の可愛い動物たちの裏側、珍しい動物を飼うことの意味を、もう一度考え直して欲しいな
中央アメリカ 熱帯雨林の奥深く
「ARCAS(ジャングル動物病院)」には、グアテマラ各地から野生動物が運ばれてくる
多くは「違法ペット取引」の犠牲者
保護センターはすでに満杯状態だが、スタッフはすべての動物を受け入れようと奮闘している





獣医師・アレハンドロ・モラレス:膨大な時間と労力がかかるが使命を果たすために私たちはここにいる
モラレス氏は動物を救うことに生涯を捧げている

動物学者のアンナ・ブライアントは、親のない動物の世話を一手に引き受けている

●親を殺されたクモザルの赤ちゃん

当局を経て届けられたのは、生後1ヶ月のメスのクモザルの赤ちゃん
サルをペットとして飼う人は多いが、それは母親を殺し赤ちゃんを無理やり連れて来たということ
B:彼らは大きなショックを受けています 保護できて本当に良かった
野生に返す前に、しばらく隔離施設で他のクモザルの群れと過ごす
うまくいけば、パートナーを見つけて、子どもを産み、育てていく

最終段階は、森の中の広い囲いに移される

●群れに馴染めないブルース

ある群れは1年以上、ここで暮らしている
順調にいけば、3ヵ月後に野生に返される予定
Bは毎日群れを観察・記録している
心配なのはブルースと名づけたオスザル 幼い頃、ペットとして育った
B:ブルースは群れから離れている 他のサルも彼に関わろうとしない
ブルースは7歳 今回が野生に返す最後のチャンスだが、
野生で生きるには、もっと社会性を身につけなければならない
●中央アメリカは、かつて「マヤ文明」が栄えた地

メキシコまで広がる森は「マヤの森林」とも呼ばれ、野生生物の宝庫
4000種以上の生物が生息している

M:
地球上に残された最も広大な熱帯雨林の1つ
「キャノピー(森林の上層部)」に立てば、数km四方すべて森
そこが今、存亡の危機に直面している
この30年間で、中央アメリカ~南アメリカの森林の多くが「農地化」されたため失われた
この地で暮らす野生生物の多くが絶滅の危機に瀕している

(ヒトが大勢生きていくだけで、自然は急速に失われていくんだ
こういう所でバナナ
とか、植物油(パーム油)とか大量生産されているのかなあ
●中でも象徴的なのが「コンゴウインコ」

以前はよく見られる鳥だったが、グアテマラでは急速に姿を消しつつあり、今では300羽以下と言われる
「ジャングル動物病院」ではグアテマラ初の歴史的偉業に取り組んでいる
「人工繁殖」したコンゴウインコを野生に放ち、数を増やそうという試み

雛も産まれた
M:生後2、3日目のコンゴウインコのヒナです
羽が生えそろったら、群れと一緒にして、野生に放つ

●哺乳類の隔離室

クモザルの赤ちゃんが新しい環境に馴染んできていた

B:
ストレスなく育つことが必要だが、ヒトに慣れ過ぎるのも困る
慎重にならないといけないが、こんな目で見つめられると
とても幸せな気持ちになってしまいます
彼は母親代わりのぬいぐるみとともに、あと3ヶ月隔離室で過ごす

●動物たちの世話をするのは、地元スタッフとボランティア



たくさんの動物がエサを待っているため、「ジャングル動物病院」は365日休みなし
エサやり、掃除は、地元スタッフと、世界中から集まったボランティアが行っている
さまざまな動物が運び込まれ、獣医師は診察に追われる
グアテマラの生物の多様性とともに、「違法ペット取引」がいかに多いかを示している
診察後は、回復するまでBのチームが看護する
●エサのおこぼれを求めて野生動物もやって来る
恐竜のような「オオハシ」は巣から落ちたヒナ

「クロコンドル」の一団は、いつも命がけでワニの新鮮な鶏肉を狙う(その鶏肉はどこから・・・???


食べ残しを毎日もらいに来る「ホエザル」の一家
Mは赤ちゃんの首が大きく腫れていることに気づいた
赤ちゃんの場合、命に関わる病気もある


M:これは感染症が原因(デッカイ寄生蝿の幼虫が出てきた

治療後、母親のもとに返す
●クモザルの群れを野生に返すまであと6週間
朝食に集まる群れ


ブルースは加わらず、ほとんどの時間を地上で過ごし
上から落ちてきた食べ物を拾って食べている
幼い頃、ペットだったため、ヒトに対する恐怖心がまったくない

B:危険な茂みの下に眠るのも好きで、怖がらせようとしても難しい
野生のクモザルは、さまざまな捕食者から狙われるために用心深く、多くの時間を木の上で過ごす
ジャングル最強の捕食者ジャガーは最大の敵の1つ
野生で生きるためには常に警戒心が必要

Bは爆竹を使って、ブルースを木の上においたてた
大きな音で怖がらせることで、地上、ヒトは危険と分からせるため
●非常に珍しい「キタタチヨタカ」のヒナが保護された

夜行性の鳥で、「ジャングル動物病院」に来るのは初めて
足を骨折しているので麻酔して処置を施す
ここの獣医師たちは、動物に応じた処置を考えださなければならない

M:
キタタチヨタカ専用の麻酔マスクなどないので、あれこれ応用して急場を凌ぎます
こうした鳥は拘束するのはいけないので、なるだけ短時間で最小限の処置だけをします

足を骨折していては、食べ物が捕れず、生きていけないため、すぐに手術が必要
折れた足を真っ直ぐに戻し、縫い合わせ、手術は成功 リハビリも必要
M:次に問題なのは、何をエサとして与えるべきか
さまざまな果物を混ぜて与えてみる

M:
クチバシをつつくと口をあけてくれる
しっかり飲み込んでいないから、エサが気にいらない様子だが続けてみます
とにかく食べてもらわないと体力がつかない(鳥だから主食は虫とかかなあ?
ヒナは今後の24時間が勝負
●人工繁殖したコンゴウインコを野生に放すための最終段階にきた

囲いの中から9羽が選ばれて野生に放つ
野生の鳥に感染させないよう病気の検査をするため
獣医師が1羽ずつ念入りにチェックする
捕まえるのはスタッフにも鳥にもストレスがかかる
M:
コンゴウインコは、実は危険な生きもの
とくにクチバシは、ヒトの握り拳ほどの木の実を割るほどの威力がある

選ばれた9羽は、さらに広い囲いに移される 囲いの長さは40m 飛ぶには充分な広さ
M:長い距離を飛ぶ力を付けなきゃならない その練習ができるようにします
●日曜日の休診日も働く
キタタチヨタカのヒナが気になり、Mは病院に来た
10年の経験があっても動物への愛着は変わらない

M:少しずつ弱っていくと本当に心が痛みます
努力も空しくヒナは生き延びることが出来なかった(なんと儚い・・・

●「違法ペット取引」との闘いはつづく
野生動物の密売は暗闇に紛れて行われることが多い
ジャングルからこっそり持ち出す方法として、もっとも多いのは「路線バス」の利用
「ジャングル動物病院」のスタッフは当局と協力して、主要道路の検問にも立ち会う


M:
今は一部のオウムと、すべての哺乳類の繁殖期
だから今夜は巣や母親からさらわれた赤ちゃんが車内から見つかる可能性がとても高い
バスの荷物室からオウムの赤ちゃんが次々と発見され、若い男女が身柄を拘束された




M:よくある話 鳥を捕まえてカバンに入れ、バスで運ぶ、違法で気軽な金稼ぎ
(こうした動物が日本にもたくさん流れてきてるんだろうなあ 背景には原住民の貧困もあるだろう
●「ジャングル動物病院」に着くと、まず登録手続きをする
次に怖い思いをしたヒナに水分補給し、エサを与え、足に鉄の輪をする

M:
栄養失調の問題さえ解決できれば、充分に助けることができる
ヒトに頼らず、オウムらしく生きることを教えることもできる

1ヶ月で100羽以上のオウムのヒナを受け入れることもある
B:
孵化の季節なので簡単に捕まえられるため、保護するヒナが増えている
残念ながら、かなり日常的に行われていることなんです
ヒナの多くは闇の市場に並ぶ前に、輸送中に死んでしまう
M:
密猟者のヒナの扱い方は酷い
ヒナをビニール袋に入れるため、窒息してしまう
ヒナの7~8割が移動中に死んでしまう
そのことに・・・とても腹が立ちます
保護されたヒナは、順調にいけば2年後には森に戻れる
(捕まえて、運ぶのは簡単でも、野生に戻すには2年もかかるのか
根本的に解決するには、現地人の雇用とか、野生動物の保護についての知識をシェアすることも必要では?
●「ハイイロギツネ」の赤ちゃん

哺乳類の隔離室はすぐに満杯になる
次に来たのは「ハイイロギツネ」の赤ちゃん(食べてる肉は、誰の肉???
一人で生きていけるようになるまで半年間ここで過ごす
B:ヒトがあれこれ教えないほうがいい 怖がっているのでいずれ野生に返すべき
そばにあるケージにいるクモザルの赤ちゃんは、Bの気を引こうとしてシッポを背中に当てている

●ブルースは、以前より木の上での生活が長くなり、他の仲間との交流も増えた
B:この1ヶ月で明らかな改善が見られるが、まだ野生に返せるか分かりません
今回返せなければ、彼は一生囲いの中で生きることになる
獣医師は悩んだ末、GOサインを出した
放つ前に1匹ずつ発信機付きの首輪を付ける
群れはヒトに近づかないよう訓練されているため、捕まえるのは困難なので罠を仕掛ける
M:
オリにエサをいれ、おびき寄せられると、扉が閉まる
ヒトのエサを食べると罠にかかると学ぶでしょう
最後にヒトの悪いイメージを与えることになるが、それでいいんです
サルはヒトに近づくべきではないから

群れのボスが警戒しつつも最初にエサを取ってオリから出るのを見て
他のサルも後につづく 扉が閉まり、2匹が捕まった(次はさらに困難になるのでは?
残りのサルも次々捕まり、最後に残ったブルースも捕まる
Mが健康診断をするため鎮静剤を投与する
M:野生に返ってどう生きるかは、すべてサル次第

(こんなに長い発信機 邪魔じゃない?
●クモザルを野生に返す日


トラックに乗せて、泥んこ道を15時間あまりかけて走り、グアテマラ中部に位置する国立公園に向かう
できるだけ人里から離れた場所に群れを放すため
(こんなに揺れて15時間! これも相当なストレスだなあ
それに野生に返すといっても、「国立公園」か もっと広い囲いへの移送ってことだ
地球上にほんものの野生が生きていける場所はもうないのか?
クモザルはこの数年間で半分以下に減った
チームが野生に返すのは、今回で8回目
M:私たちは出来得るかぎりを尽くした 彼らほど祝福された幸運なサルはいません

9匹をケージから出すと、それぞれ仲間を確認してから木に登っていく
ブルースだけはケージから出る勇気が出ないが、ついにケージの上部分を取られてしまい、
渋々出ていく 足取りはなんとも頼りない感じ

今後、数ヶ月はチームの何人かが森に残って群れを観察し、その後は完全にヒトの手を離れる
●クモザルの赤ちゃんは最初の木登り訓練を始めた

B:このコはまだ腕、足、シッポの使い方も分かっていない
(こんな可愛い映像を見たら、「飼いたい!
」て思うヒトが増えてしまうのでは?
●放ったクモザルの追跡状況


M:
良いしらせは野生に返ったうち11匹が、あれから1ヶ月以上元気でいること
悪いしらせは2匹が死んだこと
死んだサルのうちの1匹はブルースだった
B:
どんな状況で死んだのかは分からない
別のグループのサルに攻撃され、仲間に守ってもらえなかったのかもしれない
それでもブルースは数週間、野生に戻り、クモザル本来の生活を送ることが出来た
(なんとも複雑な仕事だ・・・
●コンゴウインコのヒナの羽が生えそろった

(もうすっかり大人と同じ羽で飛んでる! けど、腕の輪を気にしてない?
2年後には野生に放たれる
●コンゴウインコを野生に返す日
9羽のうち5羽に発信機をつける(これまたデカい! 私なら体に何か四六時中つけてなきゃならないなんて耐えられない・・・

チームは河の上流のジャングルを目指す
放たれるのは、野生のコンゴウインコが何度か目撃されている場所


(速いボートの上のケージの中で不安げな目
川岸から約5km歩き、山の頂上で放たれる
目の前は、果実を実らせるジャングルが広がる


人工繁殖したコンゴウインコが野生に放たれた歴史的瞬間
次々とカゴから出て、広い森へと飛んでいく
チームの活動のお蔭でコンゴウインコの数は数%増えたが、まだ始まりにしかすぎない
今後、5年間で40羽を放ち、絶滅の危機から救おうとしている
次のグループを放つ準備も進んでいる
●4ヶ月間一人ぼっちだったクモザルの赤ちゃんには友だちができた
「違法ペット取引」から救われたオスのクモザル

M:
「違法ペット取引」は続いていて、新しい動物が次々とやって来る
それでも活動を続ける この闘いに必ず勝てると信じているから
(もっと根本的な方法はないものか?
【ブログ内関連記事】
ザ・ノンフィクション 犬とネコの向こう側(前編)
ザ・ノンフィクション 犬とネコの向こう側(後編)

「ペットショップ」の可愛い動物たちの裏側、珍しい動物を飼うことの意味を、もう一度考え直して欲しいな
中央アメリカ 熱帯雨林の奥深く
「ARCAS(ジャングル動物病院)」には、グアテマラ各地から野生動物が運ばれてくる
多くは「違法ペット取引」の犠牲者
保護センターはすでに満杯状態だが、スタッフはすべての動物を受け入れようと奮闘している





獣医師・アレハンドロ・モラレス:膨大な時間と労力がかかるが使命を果たすために私たちはここにいる
モラレス氏は動物を救うことに生涯を捧げている

動物学者のアンナ・ブライアントは、親のない動物の世話を一手に引き受けている

●親を殺されたクモザルの赤ちゃん

当局を経て届けられたのは、生後1ヶ月のメスのクモザルの赤ちゃん
サルをペットとして飼う人は多いが、それは母親を殺し赤ちゃんを無理やり連れて来たということ
B:彼らは大きなショックを受けています 保護できて本当に良かった
野生に返す前に、しばらく隔離施設で他のクモザルの群れと過ごす
うまくいけば、パートナーを見つけて、子どもを産み、育てていく

最終段階は、森の中の広い囲いに移される

●群れに馴染めないブルース

ある群れは1年以上、ここで暮らしている
順調にいけば、3ヵ月後に野生に返される予定
Bは毎日群れを観察・記録している
心配なのはブルースと名づけたオスザル 幼い頃、ペットとして育った
B:ブルースは群れから離れている 他のサルも彼に関わろうとしない
ブルースは7歳 今回が野生に返す最後のチャンスだが、
野生で生きるには、もっと社会性を身につけなければならない
●中央アメリカは、かつて「マヤ文明」が栄えた地

メキシコまで広がる森は「マヤの森林」とも呼ばれ、野生生物の宝庫
4000種以上の生物が生息している

M:
地球上に残された最も広大な熱帯雨林の1つ
「キャノピー(森林の上層部)」に立てば、数km四方すべて森
そこが今、存亡の危機に直面している
この30年間で、中央アメリカ~南アメリカの森林の多くが「農地化」されたため失われた
この地で暮らす野生生物の多くが絶滅の危機に瀕している

(ヒトが大勢生きていくだけで、自然は急速に失われていくんだ
こういう所でバナナ

●中でも象徴的なのが「コンゴウインコ」

以前はよく見られる鳥だったが、グアテマラでは急速に姿を消しつつあり、今では300羽以下と言われる
「ジャングル動物病院」ではグアテマラ初の歴史的偉業に取り組んでいる
「人工繁殖」したコンゴウインコを野生に放ち、数を増やそうという試み

雛も産まれた
M:生後2、3日目のコンゴウインコのヒナです
羽が生えそろったら、群れと一緒にして、野生に放つ

●哺乳類の隔離室

クモザルの赤ちゃんが新しい環境に馴染んできていた

B:
ストレスなく育つことが必要だが、ヒトに慣れ過ぎるのも困る
慎重にならないといけないが、こんな目で見つめられると
とても幸せな気持ちになってしまいます
彼は母親代わりのぬいぐるみとともに、あと3ヶ月隔離室で過ごす

●動物たちの世話をするのは、地元スタッフとボランティア



たくさんの動物がエサを待っているため、「ジャングル動物病院」は365日休みなし
エサやり、掃除は、地元スタッフと、世界中から集まったボランティアが行っている
さまざまな動物が運び込まれ、獣医師は診察に追われる
グアテマラの生物の多様性とともに、「違法ペット取引」がいかに多いかを示している
診察後は、回復するまでBのチームが看護する
●エサのおこぼれを求めて野生動物もやって来る
恐竜のような「オオハシ」は巣から落ちたヒナ

「クロコンドル」の一団は、いつも命がけでワニの新鮮な鶏肉を狙う(その鶏肉はどこから・・・???



食べ残しを毎日もらいに来る「ホエザル」の一家
Mは赤ちゃんの首が大きく腫れていることに気づいた
赤ちゃんの場合、命に関わる病気もある


M:これは感染症が原因(デッカイ寄生蝿の幼虫が出てきた


治療後、母親のもとに返す
●クモザルの群れを野生に返すまであと6週間
朝食に集まる群れ


ブルースは加わらず、ほとんどの時間を地上で過ごし
上から落ちてきた食べ物を拾って食べている
幼い頃、ペットだったため、ヒトに対する恐怖心がまったくない

B:危険な茂みの下に眠るのも好きで、怖がらせようとしても難しい
野生のクモザルは、さまざまな捕食者から狙われるために用心深く、多くの時間を木の上で過ごす
ジャングル最強の捕食者ジャガーは最大の敵の1つ
野生で生きるためには常に警戒心が必要

Bは爆竹を使って、ブルースを木の上においたてた
大きな音で怖がらせることで、地上、ヒトは危険と分からせるため
●非常に珍しい「キタタチヨタカ」のヒナが保護された

夜行性の鳥で、「ジャングル動物病院」に来るのは初めて
足を骨折しているので麻酔して処置を施す
ここの獣医師たちは、動物に応じた処置を考えださなければならない

M:
キタタチヨタカ専用の麻酔マスクなどないので、あれこれ応用して急場を凌ぎます
こうした鳥は拘束するのはいけないので、なるだけ短時間で最小限の処置だけをします

足を骨折していては、食べ物が捕れず、生きていけないため、すぐに手術が必要
折れた足を真っ直ぐに戻し、縫い合わせ、手術は成功 リハビリも必要
M:次に問題なのは、何をエサとして与えるべきか
さまざまな果物を混ぜて与えてみる

M:
クチバシをつつくと口をあけてくれる
しっかり飲み込んでいないから、エサが気にいらない様子だが続けてみます
とにかく食べてもらわないと体力がつかない(鳥だから主食は虫とかかなあ?
ヒナは今後の24時間が勝負
●人工繁殖したコンゴウインコを野生に放すための最終段階にきた

囲いの中から9羽が選ばれて野生に放つ
野生の鳥に感染させないよう病気の検査をするため
獣医師が1羽ずつ念入りにチェックする
捕まえるのはスタッフにも鳥にもストレスがかかる
M:
コンゴウインコは、実は危険な生きもの
とくにクチバシは、ヒトの握り拳ほどの木の実を割るほどの威力がある

選ばれた9羽は、さらに広い囲いに移される 囲いの長さは40m 飛ぶには充分な広さ
M:長い距離を飛ぶ力を付けなきゃならない その練習ができるようにします
●日曜日の休診日も働く
キタタチヨタカのヒナが気になり、Mは病院に来た
10年の経験があっても動物への愛着は変わらない

M:少しずつ弱っていくと本当に心が痛みます
努力も空しくヒナは生き延びることが出来なかった(なんと儚い・・・

●「違法ペット取引」との闘いはつづく
野生動物の密売は暗闇に紛れて行われることが多い
ジャングルからこっそり持ち出す方法として、もっとも多いのは「路線バス」の利用
「ジャングル動物病院」のスタッフは当局と協力して、主要道路の検問にも立ち会う


M:
今は一部のオウムと、すべての哺乳類の繁殖期
だから今夜は巣や母親からさらわれた赤ちゃんが車内から見つかる可能性がとても高い
バスの荷物室からオウムの赤ちゃんが次々と発見され、若い男女が身柄を拘束された




M:よくある話 鳥を捕まえてカバンに入れ、バスで運ぶ、違法で気軽な金稼ぎ

(こうした動物が日本にもたくさん流れてきてるんだろうなあ 背景には原住民の貧困もあるだろう
●「ジャングル動物病院」に着くと、まず登録手続きをする
次に怖い思いをしたヒナに水分補給し、エサを与え、足に鉄の輪をする

M:
栄養失調の問題さえ解決できれば、充分に助けることができる
ヒトに頼らず、オウムらしく生きることを教えることもできる

1ヶ月で100羽以上のオウムのヒナを受け入れることもある
B:
孵化の季節なので簡単に捕まえられるため、保護するヒナが増えている
残念ながら、かなり日常的に行われていることなんです
ヒナの多くは闇の市場に並ぶ前に、輸送中に死んでしまう
M:
密猟者のヒナの扱い方は酷い
ヒナをビニール袋に入れるため、窒息してしまう
ヒナの7~8割が移動中に死んでしまう
そのことに・・・とても腹が立ちます
保護されたヒナは、順調にいけば2年後には森に戻れる
(捕まえて、運ぶのは簡単でも、野生に戻すには2年もかかるのか
根本的に解決するには、現地人の雇用とか、野生動物の保護についての知識をシェアすることも必要では?
●「ハイイロギツネ」の赤ちゃん

哺乳類の隔離室はすぐに満杯になる
次に来たのは「ハイイロギツネ」の赤ちゃん(食べてる肉は、誰の肉???
一人で生きていけるようになるまで半年間ここで過ごす
B:ヒトがあれこれ教えないほうがいい 怖がっているのでいずれ野生に返すべき
そばにあるケージにいるクモザルの赤ちゃんは、Bの気を引こうとしてシッポを背中に当てている


●ブルースは、以前より木の上での生活が長くなり、他の仲間との交流も増えた
B:この1ヶ月で明らかな改善が見られるが、まだ野生に返せるか分かりません
今回返せなければ、彼は一生囲いの中で生きることになる
獣医師は悩んだ末、GOサインを出した
放つ前に1匹ずつ発信機付きの首輪を付ける
群れはヒトに近づかないよう訓練されているため、捕まえるのは困難なので罠を仕掛ける
M:
オリにエサをいれ、おびき寄せられると、扉が閉まる
ヒトのエサを食べると罠にかかると学ぶでしょう
最後にヒトの悪いイメージを与えることになるが、それでいいんです
サルはヒトに近づくべきではないから

群れのボスが警戒しつつも最初にエサを取ってオリから出るのを見て
他のサルも後につづく 扉が閉まり、2匹が捕まった(次はさらに困難になるのでは?
残りのサルも次々捕まり、最後に残ったブルースも捕まる
Mが健康診断をするため鎮静剤を投与する
M:野生に返ってどう生きるかは、すべてサル次第

(こんなに長い発信機 邪魔じゃない?
●クモザルを野生に返す日


トラックに乗せて、泥んこ道を15時間あまりかけて走り、グアテマラ中部に位置する国立公園に向かう
できるだけ人里から離れた場所に群れを放すため
(こんなに揺れて15時間! これも相当なストレスだなあ
それに野生に返すといっても、「国立公園」か もっと広い囲いへの移送ってことだ
地球上にほんものの野生が生きていける場所はもうないのか?
クモザルはこの数年間で半分以下に減った
チームが野生に返すのは、今回で8回目
M:私たちは出来得るかぎりを尽くした 彼らほど祝福された幸運なサルはいません

9匹をケージから出すと、それぞれ仲間を確認してから木に登っていく
ブルースだけはケージから出る勇気が出ないが、ついにケージの上部分を取られてしまい、
渋々出ていく 足取りはなんとも頼りない感じ

今後、数ヶ月はチームの何人かが森に残って群れを観察し、その後は完全にヒトの手を離れる
●クモザルの赤ちゃんは最初の木登り訓練を始めた

B:このコはまだ腕、足、シッポの使い方も分かっていない
(こんな可愛い映像を見たら、「飼いたい!

●放ったクモザルの追跡状況


M:
良いしらせは野生に返ったうち11匹が、あれから1ヶ月以上元気でいること
悪いしらせは2匹が死んだこと
死んだサルのうちの1匹はブルースだった
B:
どんな状況で死んだのかは分からない
別のグループのサルに攻撃され、仲間に守ってもらえなかったのかもしれない
それでもブルースは数週間、野生に戻り、クモザル本来の生活を送ることが出来た
(なんとも複雑な仕事だ・・・
●コンゴウインコのヒナの羽が生えそろった

(もうすっかり大人と同じ羽で飛んでる! けど、腕の輪を気にしてない?
2年後には野生に放たれる
●コンゴウインコを野生に返す日
9羽のうち5羽に発信機をつける(これまたデカい! 私なら体に何か四六時中つけてなきゃならないなんて耐えられない・・・

チームは河の上流のジャングルを目指す
放たれるのは、野生のコンゴウインコが何度か目撃されている場所


(速いボートの上のケージの中で不安げな目
川岸から約5km歩き、山の頂上で放たれる
目の前は、果実を実らせるジャングルが広がる


人工繁殖したコンゴウインコが野生に放たれた歴史的瞬間
次々とカゴから出て、広い森へと飛んでいく
チームの活動のお蔭でコンゴウインコの数は数%増えたが、まだ始まりにしかすぎない
今後、5年間で40羽を放ち、絶滅の危機から救おうとしている
次のグループを放つ準備も進んでいる
●4ヶ月間一人ぼっちだったクモザルの赤ちゃんには友だちができた
「違法ペット取引」から救われたオスのクモザル

M:
「違法ペット取引」は続いていて、新しい動物が次々とやって来る
それでも活動を続ける この闘いに必ず勝てると信じているから
(もっと根本的な方法はないものか?
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