メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ハリウッド発 “MeToo”@ドキュランドへようこそ

2018-11-23 13:33:30 | テレビ・動画配信
ハリウッド大物プロデューサーがセクハラで追放@ZIP!

これも一時期騒がれたが、次々といろいろなニュースが流れる中でまた忘れ去られ、
セクハラ、パワハラ、レイプなどはまったくなくならない

私が大好きな映画、それを撮った監督たちも次々と出てきて
目と耳を塞ぎたくなった

でも、よく考えれば、昔からあったし、私たちも知っていたんだ
ウッディも、もっと遡れば、チャップリンもロリータ嗜好があったことなど

映画界だけでなく、例えば、音楽業界でもチャック・ベリーが未成年にしたことも
語り草にはなっても、スターの座、リスペクトは変わらない

性暴力や、女性という性が軽く見られている意識が根っこにあるから

罪を見逃すのもまた同罪
兄弟で経営していたのなら、弟が知らなかったということはないのでは?

ハリウッド産業が大きな金の動く世界であり
名誉、名声、金に集まる人々が渦巻く世界だからこそ、余計大きく取り上げられ、
今回は、大物プロデューサをメインに悪玉として取り上げられたが
この問題は、私たちの隣りにいつもあった これからもあるだろう


【内容抜粋メモ】

制作:Entertain Me Productions イギリス 2018年

「ハリウッド発“MeToo”~ワインスティーン スキャンダルの全貌~」
THE HARVEY WAINSTEIN SCANDAL






ハリウッド
映画やゴシップ、おとぎ話を生む華やかな世界
そのきらめきの裏には、決して公にされなかったことがありました

ハリウッド誕生以来、ずっと続いてきた暗黒の事実がついに暴かれつつあります
誰にも知られず葬り去られるはずだった話を、勇気ある女性たちが語り始めたのです

『タイムズ』は「もう終わりにしよう」

この言葉とともに真実が知れ渡りつつあります


大物プロデューサー ハーヴェイ・ワインスティーンのセクハラ スキャンダルの全貌とは



ヒラリー・クリントン:
告発を聞いて胸を痛めています




女優アネット・ベニング:
今が大事な時です これが転換点になってほしい




芸能記者 マーク・マルキン:
ハーヴェイ・ワインスティーンがいかに酷い男か、周囲の人間で知らない人はいません
友人も、家族も、仕事関係者も、皆、彼が立場を利用して弱い者いじめをしていることを知っていました
底意地が悪くて、他人に勝つためには手段を選ばないなんてことも公然の事実でした
でも、レイプをしていたとは知りませんでした




ワインスティーンは、ニューヨークのクイーンズ出身
弟と2人でコンサートプロモーターの仕事を始めました
ゆくゆくはハリウッドの大物になりたいと考えていた彼はそういう夢を実現したんです




芸能情報番組プロデューサー アンジェリク・ジャクソン:
1979年にハーヴェイと弟のボブが作った配給会社ミラマックス社
90年代にはハリウッドの一大勢力へと成長しました
ミラマックス社が手掛けた作品はアカデミー賞を取らせることで有名になって

「オスカーが欲しいなら、ミラマックスの映画に出ればいい」と言われるほどでした

『パルプフィクション』や『恋に落ちたシェイクスピア』など
ヒット作が次々とオスカーを授賞して、役者たちはこぞってミラマックスへの感謝を伝えました

授賞式スピーチ







ハーヴェイ・ワインスティーン:
我々は制作費数億ドルの作品と競い合うこともある
我が社も金をかけていると言われるが、大手の半分ほどだ

私は若輩者だがこう言いたい
賞はもらうものではなく、掴み取るものだと
我々はその流儀を貫いて行く

私は幼い頃、この中継を見て映画を志した
子どもたちにこの賞を捧げメッセージを送りたい

「ルールを打ち破れ」

(映画を観て志したのではなく、金儲けのテレビを見て、感化されたんだな
 力を手に入れれば、なんでも欲しいものが手に入ると


1993年 ウォルトディズニー社がミラマックスを8000万ドルで買収したいと持ちかけ
ワインスティーン兄弟はこれを快諾

(ここにも金儲けに鼻がきく会社名が出てきたよ

ワインスティーンは、その後も1997年の『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』をはじめとして
多くの賞を獲得しました

しかし『恋におちたシェイクスピア』『プライベート・ライアン』を押さえて
アカデミー作品賞を取った時には悪い噂も囁かれました




芸能リポーター クリスティン・パート:
映画会社はアカデミー賞を狙って、様々なキャンペーンを繰り広げています
そうした手法を考え出したとも言えるのがハービー・ワインスティーンです

例えばノミネートの可能性がありそうな出演者を選考委員に引き会わせたり
試写会やパーティーを開いたり


さらに、ノミネートされる前から今年度の最優秀作品としてテレビで大々的に宣伝をかけるんです
授賞にふさわしい作品だと印象付けて、流れを作るために

ワインスティーンの映画にキャスティングされることは
業界の人間にとってとんでもない快挙でした
新人のうちに起用されれば最高のスタートが切れます

ハービーは、インディーズや芸術性の高い作品をプロデュースすることで知られていました
俳優や監督にもセンスの良さを求めました

ですから、ミラマックスの映画にキャスティングされ
ハービーの後ろ盾を得るということは、ハリウッドでは大変な名誉だったんです

「こいつにオスカーを取らせたい」とワインスティーンに思わせたら
最強の戦略を味方につけたも同然でした


2005年 ワインスティーンは弟とともに独立し「ワインスタイン・カンパニー」を設立
手がける作品の幅が広がり、彼の名前に群がるスターも増えて
ハリウッド随一の影響力を持つようになりました

マーク:
ミラマックスは、当時最高の映画会社でしたし、アートシアター系の映画製作に関しては
ハーヴィーの右に出る者はいないと言われていました
作品、脚本、演技 どれをとっても素晴らしいものばかりでした

彼はまた、ニューヨークの陰の市長のような存在でした
ハリウッドとニューヨークを牛耳っていただけでなく
政界にも関与して、民主党内に大きな影響力を及ぼすようになっていました




ハービーの冷徹な仕事ぶりはすぐに有名になりました
「弱い者いじめ」と見る人も「仕事のデキる男」と見る人もいました




芸能記者 アシュレイ・ピアソン:
みんな彼と仕事をして、オスカーを取りたいと思っていました
彼はみんなにオスカーを買い与えたんです

『恋におちたシェイクスピア』がなぜ『プライベート・ライアン』に勝てたのか
それはハービー・ワインスティーンだったからとしか言いようがありません

スピルバーグに勝つほどの力を持つ男ですから、若手女優の口を封じることなど簡単でした
裸の関係を迫られた事実も、全てもみ消されました

彼は意地が悪くて、卑劣な男でした
人のことを平気で「馬鹿」「間抜け」と呼び、
物を投げつけたり、テーブルをひっくり返したりもしてたんです

ハービーの周りにいた若い俳優たちはみんな、彼がどんな人間か知っていましたから
大抵のことは「またか」という感じで誰も驚きませんでした
私たちはみんな、彼がとんでもないモンスターだと知っていたんです


2017年10月5日 ニューヨークタイムズ紙がハービーのセクハラ疑惑を報道
一連のスキャンダルがようやく明るみに出ます


メディアがこの件を報じようとしたのは、今回が初めてではなかった

ピアソン:
『ニューヨークマガジン』と『ニューヨークタイムズ』は
何度も過去に、ハービーの噂について記事を出そうとしたことがあります

しかしどちらもハービーの弁護団に封じ込められてしまいました
彼らは記事を出したら訴えると脅しをかけてきたんです

今回『ニューヨークタイムズ』が記事を出せたのは、徹底した取材をして
被害を受けた女優の具体的な証言が得られたからです

アシュレイ・ジャッドほどの女優が自分の経験を公表してくれたおかげで
信憑性が高い裏付けが取れたんです


アシュレイ・ジャッドは、忌まわしい体験について最初に公表した勇気ある女性



告発によると、20年以上前、彼女は「朝食を兼ねた打ち合わせがしたい」と言われ
ホテルのスイートルームにいるワインスティーンを訪ねました

しかし彼女が到着すると、ワインスティーンは「マッサージをしろ」としつこく迫り
その後バスルームへ誘導して、自分がシャワーを浴びているところを見せようとしたと言います
ジャッドは、すぐにエージェントに打ち明けましたが、それ以上は何もできませんでした

アシュレイ・ジャッド:
次の被害を防ぐには、どうすればよかったのか・・・
誰に言えばよかったのでしょうか




記事には、ワインスティーンカンパニーの元従業員の告白も掲載されていました

それによると、2014年
ワインスティーンは、従業員だったエミリー・レスターに出世をちらつかせ
言うことを聞くよう強要

レスターの同僚ローラは、裸のワインスティーンにマッサージを強いられました

また元アシスタント ゼルダ・パーキンズは、ワインスティーンのセクハラを非難したところ
16万5000ドルの口止め料が支払われたと証言しています




10月8日 ワインスティーンは自らの会社から解雇された


●10月10日 女優のグイネス・パルトロウが『New York Times』誌に暴露
グイネス・パルトロウは、ワインスティーンから受けたセクハラ行為の詳細を
『New York Times』誌で明かしました

グイネス・パルトロウの話には本当に驚きました
新人の頃、ハービーからセクハラを受けていたと暴露したんです



特にびっくりしたのが、彼女が当時付き合っていたブラッド・ピット
ハービーと直接対決したという話です

ブラッド・ピットは「二度とふざけた真似をするな」と言って
ハーヴィーの胸に指を突きつけたと言うんですから
ブラッド・ピットがハービーとやりあう姿を想像してみんなショックを受けました

彼が戦った相手は、単に恋人にセクハラをした男ではありません
映画のプロデューサーとして絶頂期にあった男です
当時ミラマックスは全盛期でしたからね

ブラッド・ピットは、自分のキャリアに影響を及ぼすことを覚悟していたと思います
本当に信じられない話です

(これらも全部ゴシップとして、雑誌屋も相当儲けたのでは? 同じ穴の狢


ジャクソン:
本人の話によると、22歳の頃、ワインスティーンから「打ち合わせ」と称してホテルに呼ばれて
セクハラをされたそうです

他にも複数の女性が似たような話をしています
彼に「打ち合わせだから」とホテルに呼び出されて、マッサージをするよう
あるいはさせるよう要求されたという話です
これがワインスティーンの手口だったようです



アンジェリーナジョリーも性的な嫌がらせを受けたと告白



新人の頃、ハービーから性的な嫌がらせを受けたと告白しました

彼女は「あの男とは二度と映画を作らないと誓った」と語っています
実際その通りになっています

アンジェリーナ・ジョリーは、次のような声明を出しています

「若い頃に不快な経験をして以来、ハービー・ワインスティーンの仕事は受けないと決めました
 彼と仕事をする人には警告するようにしています
 女性に対するセクハラは、どんな業界であれ決して許されません


モデルのアンジェラは音声テープを公開



セクハラを受けた翌日、ワインスティーンと会った際に録音したものです

ニューヨーク市警察によるおとり捜査の録音



「ここで私は何を?」
「シャワーを浴びるから待ってて」

「じゃあバーに行きます」
「こっちに来なさい」

「嫌です」
「私に恥をかかせるのか」

「昨日強引なことをされたので」
「もうしない」


妻のジョージナ・チャップマンが離婚を表明
ワインスティーンの妻でファッションデザイナーのジョージナ・チャップマンが離婚する決意



マーク:
グイネス・パルトロウをはじめとする女性たちが、
ハービィから受けた性的嫌がらせの記事を読んで、すぐに夫と別れるだろうと思いました
レイプ疑惑まで出てきてしまったら、彼女が耐えられるはずがありません

さすがのハービーも、この嵐を乗り切る術はありませんでした
広報や弁護士にどんなに優秀なスタッフを揃えていても
本人の化けの皮がすっかり剥がれてしまっては意味がありません


10月11日 モデルで女優のパラレル(?)も被害者であることをソーシャルメディアで公表
電話で不躾なことを聞かれたり、女性同士でキスをするよう命じられたりしたと言います







10月12日 女優のローズ・マッゴーワンがレイプされたと告発
1997年のサンダンス映画祭でワインスティーンにレイプされたと告発



ローズは、ベン・アフレック、マット・デイモン、ハービーとともに
サンダンス映画祭に出席しました




ローズによると、ホテル最上階のスイートルームで被害にあったと言います
彼女は、自身の回想録『ブレイブ』の中で、ハリウッドのモンスターにされたことを詳細に語っています

レイプされた翌日、ローズはベン・アフレックとマット・デイモンに打ち明けたと言います
ところが2人の反応は「あー、そういうことはするなとハービーに言ったのに」
と言うだけだったというのです

警察に通報しようとか、弁護士に連絡して告訴しようではなく
「やめろと言ったのに」というひと言で彼女は軽くあしらわれ
事件は些細な事として片付けられました

ローズは、あのホテルでの経験を、この20年間、ずっと背負って生きてきたと言います

ハービーの弁護士は、ワインスティーンとベン・アフレックが交わしたメールの内容と
ローズの告発が矛盾していると主張
レイプへの言及は一切なかったとして彼女の訴えを非難しました

ベン・アフレックからのメールにはこう書かれていました

「ローズは私に“誰かに襲われた”とは言わなかったし、推察できるような話もなかった
 これと矛盾する説明は虚偽である」


(これで彼らの信頼も相当落ちたのでは?


2018年 2月 ローズの当時のマネージャー ジル・メシックが自殺



レイプ騒動の後、ローズから十分なサポートをしてくれなかったと非難されていました
ローズとワインスティーンのトラブルに巻き込まれたのだと遺族は確信しています

メイシックが自殺したのは、彼女がワインスティーンの弁護士に
過去のメールを公表された数日後のこと

ワインスティーンに宛てたそのメールには「疑惑の件は合意の上だった」と
ローズの主張を覆す内容が書かれていました


10月14日 ワインスティーンはアカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミーから除名
彼はこの時、自分のキャリアが崩れ落ちるのを実感したと思います
他にも、イギリスの映画テレビ芸術アカデミー、エミー賞を主催する団体
また、全米製作者組合からも追放されました

こうした組合や協会に所属しているのは、業界の発展に尽力してきた人たちです
ですから、組織の理想にそぐわない人には出ていってもらわなければならないのです

(この組織の中にも“そぐわない人”は大勢いるだろう




芸能記者 デニス・パストリーゾ:
映画芸術科学アカデミーでは、性暴力に対して厳しい対応を取ることに
理事会の2/3以上が賛成して、ワインスティーンの除名が決まりました


●この日、女優のケイト・ウィンスレットが、撮影中にワインスティーンから受けた仕打ちに言及



2009年に主演女優賞を受賞した際、プロデューサーであるワインスティーンの名前を
わざとスピーチに入れなかったと語りました


10月15日 新たに2人が声をあげた
女優のリゼット・アントニーは、1992年のレイプ被害者でした



10月19日 女優たちの告発はつづき、かつての被害者たちも沈黙を破りはじめる





演劇科の学生だった頃、ワインスティーンの自宅に招かれ
寝室に連れ込まれそうになったことを語りました

カーラ・デルビーンなどは、比較的最近被害に遭った女優たちです
しかし、これを受けて、かつての被害者たちも沈黙を破り始めました
ヘザー・グラハム、ダリル・ハンナ、ショーン・ヤングなどです



10月20日 元女優のヘザー・カーは、弁護士同席のもと記者会見に臨んだ





ヘザー・カー:
オフィスに呼ばれ、ソファーに座るように言われました
彼は私の隣に座り、ハリウッドの仕組みを語り始めました

「君はできるのか?」と聞かれたので、役者としての経験を説明すると
「そんなことは聞いていない 監督やプロデューサーに紹介するには何でもする覚悟が必要だ」と言うのです

彼はあの下品な笑いを浮かべていました
彼があまりにもぴったりくっついて座るので 吐き気がしました



気がつくと、彼はズボンのチャックを下ろし、股間を露出していました
心臓がドキドキして、いろんなことが頭をよぎりました

どうしよう どうすれば逃げられる?
なぜこんなことに?

彼は私の手を掴み、股間に無理やり押し付けました
怖くて動けませんでしたが平静を装いました
叫んだところで誰もいませんでしたから

そしてさりげなく手を引っ込めました
彼は「これがハリウッドの流儀だ 女優はみんなこうして成功を掴んだんだ」と言いました
そして「知っている女優の名前をあげろ」と言い、説明を始めました

つまり、自分と寝たら、あちこちのパーティーへ連れて行き
次の相手を紹介するというのです

このワインスティーンの悪夢が金曜日で、次の月曜日には仕事を辞めました
演技の道も諦めました

この話は、これまでごく限られた人にしかしていません
影響力のある人が相手ですから、私は無力感に苛まれました

何と言っても彼は成功者で有名人でしたから
無名の私が何を言っても信じてもらえないと思いました 誰が信じたでしょう?」



(声を震わせ、目を伏せ、なんとか喋り終えると、女性弁護士と抱き合った
 レイプ事件の第2の深い問題は、相手を告発しようとすると、
 もう一度、記憶を呼び起こし、公に晒されることだ


ロマン・ポランスキー、ウディ・アレン、、、
ハリウッドでは、こうした性的スキャンダルが昔からあったが、加害者の男たちは許されてきた



例えば、ロマン・ポランスキー監督は、1977年に13歳の少女に酒と薬を飲ませた上で
レイプして起訴されました

しかし彼は、服役を恐れてヨーロッパに逃げ、今も映画界で仕事をしています
その後もアカデミー賞にもノミネートされています

俳優たちも彼と仕事をするために、ヨーロッパに飛んでいます
つまりこの業界は、性犯罪に甘いところがあるのです

(今からでも遅くないから、協会か組合が起訴したら?




同じく、大物俳優たちが毎回一緒に仕事をしたがるウディ・アレンですが
彼がまだ未成年だった幼女と性的関係を持っていたという疑惑はよく知られています
後にその幼女と結婚して、子どもをもうけていますが、気持ち悪いとしか言いようがありません

その上、彼は別の幼女にも性的虐待をしたと言われているんです
それなのに、俳優たちはウディと仕事をしないとは言いません
みんな現実を見つめる時が来ていると思います

(ロリータ好きという噂はよく知られた話 出演女優も彼好みばかり



これまでも多くの女優が監督からセクハラを受けてきた



例えばジョーン・コリンズは、映画『クレオパトラ』で主演女優の最有力候補でした
しかし、監督から役と引き換えに肉体関係を求められたんです
彼女は応じなかったため、エリザベス・テイラーが主役になりました




またヘレン・ミレンは「監督のマイケルから性的な対象として見られていた」と語っています
超一流の実力派から、若い純情派、女優はみんな似たような経験をしています


●中でも有名なのは、アルフレッド・ヒッチコックと女優のティッピ・ヘドレンとの関係



ヒッチコックはティッピにいたくご執心でした
ティッピは2016年に出版した著書の中で、ヒッチコックから受けたセクハラについて書いています
度々体を触られたり、押し倒されたりしたそうです



(せっかくの名声も台無しだ・・・

彼女はいつも受け流していましたが、そうすると、意地悪をされるだけでなく
「私と寝ないなら、君のキャリアを台無しにしてやる」とまで脅されたんです

それを言われたのは『マーニー』という作品を撮影中のことでした
その後ヒッチコックはティッピとひと言も口をきかなくなり
彼女が二度と仕事をできないよう手を回しました

彼女の女優人生は、ヒッチコックのおかげで始まり、ヒッチコックのせいで終わりました
彼はそれだけの力を持っていたんです




ティッピ:
こういうことは地球上に男と女が誕生してからずっと繰り返されてきました
完全になくすのは難しいでしょうね

でも、何が許されて、何が許されないのか
若い人たちにしっかりと教えることが大事だと思います


アルフレッド・ヒッチコックから「お前のキャリアを台無しにしてやる」と言われた時
私は「どうぞお好きなように」と言って力任せにドアを閉めて部屋を出ました
あれほど爽快だったことありません

でも、これはハリウッドに限った話ではないのです
女優と大物プロデューサーなら話題性があって目立つというだけのことです


記者:告発を迷う女性たちにメッセージを

ティッピ:
勇気を出して声をあげなさい
セクハラをやめさせるには、それしかありません
我慢する必要はない 耐え忍ぶ必要などどこにもないのです



芸能記者:
「この役をやってもらうには、君の裸を見る必要がある」などと言って
監督が女優を脱がせようとする話は、ハリウッドに映画産業ができて以来
尽きることはありませんでした

映画を観る男性に魅力的に映るかどうかを確かめなければいけないという理屈で
セクハラが横行してきたんです

(なるほど 過剰な濡れ場シーンなどは、
 男性監督から男性客へのエンターテイメントとして提供されて
 その陰に無数の女優が犠牲になってきたんだ



12月4日 ワインスティーンカンパニーの従業員も告発



元従業員 アレクシス:
私は二度とそういう状況にならないように対策を考えました
ホテルで2人きりにならないようにしたんです

あの時のことをとても恥ずかしく思います
あんなことがあった後、なぜ彼の元で働き続けたのか
なぜ客観的に判断できなかったのか、と何度も考えました

でもこういったことはどうしても被害者がどうしても一人で抱え込んでしまうんです

彼がどんなに重い罰を受けたとしても、この怒りを消し去ることはできません
私の心が癒されることはありません
私は、何の救いも得られないんです

(被害者が自分を責めてしまうのも、性的虐待などの大きな問題の1つだ



●12月13日 女優のサルマ・ハエックがニューヨークタイムズ紙に 告発文を寄せた





ワインスティーンからセクハラと脅迫を受けたとして
ワインスティーンを告発する女性は、実に70人を超えました(!

告発するのは簡単じゃありません
ただ喋って新聞に載せてもらえればいいというものではない
何らかの証拠が必要なんです

例えば、母親に相談していたならば、裏付けを取るために
母親にも取材に応じてもらう必要があります
そんなことは誰も経験したくはないでしょう

でも、告発する人が増えれば増えるほど、話題になればなるほど
被害を受けたことを誰にも言えないと思う人がいるはずです

今こそ 声を上げる時です
セクハラ被害は、恥ずべきことではないし、人生を棒に振るようなことでもありません
きっと乗り越えられます

セクハラで追及を受けたのはワインスティーンだけではありません
他にも何人かのハリウッドの大物の悪質な行為が明らかになりました

ケビン・スペイシーまで!?



ハービーやケビン・スペイシーが怒りを買ったのは、自分の立場を利用したからです
映画のイメージで親近感を与えておいて、相手を踏みにじったケースもあります
彼らは権力を利用してセクハラをしているんです




女優 ディアナ・バクスター
ハービィが追い詰められているのを見てすごく嬉しかった
言葉では言い表せないほどです
ハービーが失墜したなら、他の加害者だって明日は我が身です




弁護士キャロライン・ヘルドマン:
セクハラ行為が長きにわたっていて、被害者がとても多いという点で
ハービーのケースは特殊かもしれませんが
ハリウッドにはまだ何十人もハービー・ワインスティーンがいます


記者:
ハービーの周りで何が起こっていたのか
それについては昔から多くの人が知っていたと思います

ですから、弟のボブが何も知らなかったとは思えません
浮気をしていたことはもちろん、仕事仲間を罵倒したり
性的虐待やセクハラに相当する行為をしていたことも、彼は気づいていたはずです

悲しいことに業界では知れ渡っていたんです
被害にあった女優たちだけでなく、男性たちも気づいていました

私たちのような記者のレベルでも、何かが起こっているのかは分かっていましたが
見て見ぬふりをしていたんです
ハービーにはそれだけの力が ありましたからね





ハーヴィーは、記者たちを買収していました
私の知り合いは「レコード契約でも、出版契約でも、何でも欲しいものをやる」と言われたそうです
その見返りに、悪い噂が出た時に、自分に有利な記事を書いてもらうというわけです

これが世間を黙らせるためのハービーの戦術でした
ジャーナリストを味方につけていたわけです

一方で、自分に反感をもつ真実を報道しようとする人間がいたら
汚い手口を使って、徹底的に叩きのめしました


セクハラの裏にある男女差別
ワインスティーンは、女性たちに秘密保持のための契約書を渡してサインさせた
「余計なことを言ったら100万ドルの違約金を請求する」、と書かれた契約書です
サインした女性は、その契約に反することを恐れて泣き寝入りするしかないと思い込んでしまうんです

ハリウッドに限ったことではありませんが
文句を言ったり、思ったことをズバズバ口にする人は敬遠されます
そういう人は「一緒に働きたくないタイプ」だと思われてしまう

特にはっきり物を言う女性は「トラブルメーカー」だとみなされます
男性なら「自分の意見を言える人間だ」と見てもらえますが、女性の場合はそうではないんです





心理学者 ピーター・ヒューズ:
ハービー・ワインスティーンは、疑惑や告発から我が身を守るためなら何でもしました
その力は並外れていました

例えば、彼はイスラエルの元スパイが多数所属する探偵会社を利用していました
自分を告発しそうな人物を調べさせ、口封じの対策を立てていたんです



「なぜ今まで声を上げなかったのだ」と言う人がいますが
何しろ相手はハービー・ワインスティーンです

楯突こうものなら、自分のキャリアが危うくなるし
難癖をつけられて、逆に訴えられるかもしれない
それに、彼を守るために組織された闇の力に目をつけられるかもしれないのです

これだけ強力な後ろ盾があれば、何をしても絶対捕まらないと思うでしょう
例え告発する人間がいたとしても、ハエのように叩き潰すだけです



被害者がなぜ20年も30年も経ってから声をあげたのか

心理学者 ピーター:
それを問うのは酷だと思います

あの女性たちが被害に遭った頃は、今とは違って女性の言うことは聞いてもらえませんでした
(今も同じだが?

基本的に「おとなしくしているよう」言われていたんです
それにハービーは口を封じる力がありました
ですから、彼女たちが何も言えなかったのは、当時の空気によるところが大きかったと思います

告発の中には、大昔のものもあって「事実とは思えない」「なぜ今ごろ名乗り出たのか?」
という人がいます

考えてみてください
まず、あなたが被害に遭った女性だとします


対する相手は、エンターテイメント業界で最も影響力を持つ男ハービー・ワインスティーン
彼は、一流の弁護士、大物政治家、そして大統領とも知り合いです
そして、あらゆる映画監督、プロデューサー、俳優に認められ、頭を下げられる存在です

一方、セクハラを受けたあなたは、経済力も、社会的地位も、政治力も到底彼には及びません
あなたならどうでしょう?

酷いことをされたと思いながらも「自分に非があったのかもしれない」
何度も自分を責めてしまうかもしれません
これがハービー・ワインスティーンのような権力を持った男のたちの悪いところです

女性たちは「私がその気にさせたのだろうか」と考えてしまうからです
でも、それは100%間違っています

被害を受けた女性は思わせぶりなことは一切していません
しかも彼女たちは、乱暴された恥ずかしさや、無力感を抱えて
生きなければならなかったんです

一方、ワインスティーンは、ああいう行為を何十年も繰り返してきました
これはドーパミンなど神経伝達物質の働きだけでは説明できません
自分より弱い立場の女性を餌食にするなんて、やることが非道です


ワインスティーンが何十年も性的暴行を続けた理由

心理学者 ピーター:
第一に、彼は自分が持つ権力に酔いしれていました
「私と寝なければこの役はやらせない」とか「この映画にオスカーをとらせない」
などと言いながら餌をちらつかせて、人を従わせることが快感だったんです

彼にとってはそれが権力であり、ああいうことをやる要因の一つだったんだと思います
女性に心を惹かれたわけではないんです

彼が本当に病んでいると思うのは そこです
彼は権威ある人間として君臨し、悪用した 自分は全能だと信じていたんです

(権力ってそういうものだよね

疑惑が次々と明るみに出て、万事休すとなった時の行動もハービーの異常さを物語っています
「自分はセックス依存症であり、リハビリ施設に入る」と発表したんです

それで全ては許されるとでも言うようにね

ケビン・スペイシーも似たようなもので「自分はゲイだ」と発表しました
それで決着すると考えたんです



これが長い間、責めを受けずに来たセレブの行動です
今回も逃げおおせると思い込んで、状況を読み間違えました

ワインスティーンにとっては、権力が全てでした セックスそのものではありません
彼の場合、地位や権力を利用して、女性に対する優位を示すたびに
脳内でドーパミンが放出されて、快感を得ていました
達成感を味わって、その後落ち込むんです

一部の被害女性は、彼が涙ぐんでいるのを見たと証言しています
ほんの一瞬は後悔するのかもしれませんが
行動パターンを変えることではありません

彼はまた、快楽を求め要求に襲われ、何度でも同じことを繰り返します
なぜなら、どんな力をもってしても、彼を駆り立てるドーパミンの放出を止めることはできないからです

しかし、今や人々は立ち上がり「もうたくさんだ」と訴えています
女性を虐待することで快感を得ていた男には代償を払ってもらわなくてはなりません


ソーシャルメディアの熱狂的なうねりが生まれた



ハービーをめぐる 顛末で興味深いのは、ソーシャルメディアの熱狂的なうねりが生まれたことです
女優のアリッサ・ミラノ“MeToo”というハッシュタグをつけて
Twitter で性暴力の経験を問いかけたことがきっかけでした

「自分も子どもの頃に経験した」「大学時代にこんなことがあった」
「先週こういう経験をした」
など、すごい勢いで反応が返ってきました

ハリウッドだけでなく、スポーツ界や政財界など、あらゆるところで起きていると分かったんです

女性たちは「被害を告白するのは恥ずかしいことではない」
「みんなで支え合えるのだ」と気づきました

社会の関心を引き出せたのは、何よりの収穫でした


こういう話を知ってもらう上で、ソーシャルメディアが果たした役割は非常に大きいものがあります
有名人も一般人もみんな同じことを経験している
「みんな同じなとなのだ」と知りました

そして、今ではこの問題について、誰もがある種の心強さを感じ
二度と同じ目に遭わないために行動を起こしています







#TIMESUP

メリル・ストリープ



「でも今は本当にすごいことが起きている気がします」




新たな動きが始まったのは2018年 ゴールデングローブ賞の1週間前でした
女優やスタイリストがみんな黒い服を用意していると言う話が伝わってきたんです

ハリウッドの業界紙は、「私たちは#TIMESUP の連帯の印として黒を着る」
という全面広告を掲載しました

「タイムズアップ」とは、「私たちは、もう性的虐待を許さない」
「弱者を食い物にするのは終わりにしよう」とする宣言でした

そして実際に、全ての女優が黒いドレスで現れ、これまで行われてきたセクハラ行為に
抗議する意思を示したんです














監督賞にノミネートされたのは、全員男性



そして、忘れてはならないのが監督賞の候補者を発表したナタリー・ポートマンの言葉です
彼女は「監督賞にノミネートされたのは、全員男性です」と言いました
実に印象的な瞬間でした 彼女は、現実の問題を示したからです

つまり、ハリウッドでは、まだ力を持つ女性が数少ないということです
ハリウッドは、今なお「男性支配」の色濃い業界です
女性が発言権を持たなければ、男性に権力の濫用を許すことになるんです

最近は女性が声を上げて、自分の身に起きたことをツイッターで発言するようになりました
多くの男性がそれに関心を寄せているという事実に私は希望を感じています

噂では、若いモデルが好きなことで知られるレオナルド・ディカプリオ
最近、若い女性に声をかけるのにとても慎重になっているそうです
彼も40を過ぎていますし、その行動には影響力がありますからね

男性の行動は変わるし、実際に変わり始めています
でも本当に取り組むべきことは、ハリウッドの女性にもっと発言力を与えることです
女性の力が強くならない限り、セクハラの問題は決してなくなりませんからね

今ハリウッドには、不安になっている男性が大勢いると思いますよ
“MeToo”運動の真髄は、インターネットでみんながつながったことで生まれた「意識の変化」です

ハービー・ワインスティーンのセクハラ疑惑から始まったこの動きは
強いものに虐げられてきた女性たちにとって希望の光となっています

女性の尊厳を求めた動きが世界各地に広がりを見せています
“MeToo”と声を上げなければならない女性が、近い将来いなくなることを願います




女優 アリソン・ジャニー
今夜はこのニュースで持ちきりでしょう
私たちは、公平な社会を求める運動を拡散しているのです
国民の悲願でした

世間に注目されるハリウッドの人間は、多様な問題に取り組む責任があります
昨年以降、勇気ある女性たちが性的虐待の問題を告発しています
ようやくこういう話ができるよう時代になりました


“ニューヨーク州は、ハービー・ワインスティーンと
 ワインスティーンカンパニーを提訴
 英国の警察は、彼に対する10件の告発について捜査中”



70人が勇気を振り絞って告発して、まだまだ言えずにいる女性も大勢いるだろうに
提訴しているのはたった10件?!



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