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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

性暴力被害者の訴え 8割が顔見知りから@クローズアップ現代+

2019-08-11 14:31:43 | テレビ・動画配信
番組を見ていて、ジョディ・フォスターの映画『告発の行方』を思い出した


【内容抜粋メモ】

電話を取る看護師:
性暴力のことで心配なことがおありなんですか?
ラブホテルに連れて行かれて「強姦致傷」ですね




顔見知りからの被害は8割以上
24時間 救援センターに切実な訴えが寄せられている
その多くは 身近な人による性暴力

加害者は常連客、バイト仲間、会社の同僚、友人、身内など
顔見知りからの被害は8割以上

被害者を支援する現場に私たちは2ヶ月間密着
見えてきたのは周囲に理解されづらく、被害者が長期間苦悩し続ける実態だった
身近な人からの性暴力が被害者をいかに苦しめているのか 現場からの報告です


小学校の担任から被害を受けた女性




女性:
みんなが信頼している先生にこんなことされているって
自分が言おうものなら、周りが混乱するから
自分の中にだけ留めておかなくちゃいけない
「いつまでこだわってるの?」と言われると 違和感があると言うか


性暴力救援センター 日赤なごや なごみ@名古屋 第二赤十字病院






年間延べ1500件の相談が寄せられる 性暴力被害の支援窓口があります
病院内に設置された「性暴力救援センター」

「SANE」性暴力被害者支援看護師
看護師、医師、支援医療、医療ソーシャルワーカーたちが 24時間対応
被害の実態を知ってほしいと取材に応じてくれました


会社の同僚から被害を受けたという女性からの電話

看護師:
付き合ってるわけではない
あなたとしてはやりたくなかったけれども、されてしまったと
妊娠の事もご心配になってるということですね

センター長で看護師の片岡さんは、被害から72時間以内に来るよう伝えました
妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」を服用するためです




電話の直後、センターを訪れた女性に
片岡さんは体の痛みや傷がないか確認し 被害の詳細を聞き取りました

どのような経緯で起きたのか
被害者が特定されない範囲で教えてもらいました


加害者は、会社で彼女の指導係を務める妻子ある男性




出張先で 同じビジネスホテルに泊まった夜、部屋を訪ねてきました
女性は、職場での関係が悪くなることを恐れて部屋に入れたと言います

女性:しばらく話をしていましたが、突然体に触られ 抵抗ができませんでした

片岡さん:
突然なのでどうしてよいものか パニックになるんだと思います
仕事で年長だったり、コミュニケーションをとる状況であったり
性行為があると全然想定していない


片岡さん達は、妊娠を心配していた女性を院内の産婦人科に案内しました




医師は、避妊薬を処方
さらに 警察の捜査で 重要な被害の証拠となる 精液を採取しました




産婦人科医師:
綿棒で組織をぬぐう形です
精液を採取できるのは約一週間以内




被害に遭ったばかりの女性には 大きな苦痛です

加藤医師:
加害者にとっては一時的なものであっても 被害者にとってはずっと心に残ります


自らを責める女性
このとき女性は 警察に相談することを躊躇していました
「男性を部屋に入れた 自分も悪い」という気持ちがあったからです

自らを責める女性に 片岡さんは「あなたの望まない性的な行為は 性暴力」と伝えました




片岡センター長:
それは性暴力ですよ
同意ではない、強要された、対等な立場ではない中で行われていれば
「性暴力」 と私たちは定義しているので



「ワンストップ支援センター」




片岡さん達は 女性に弁護士を紹介しました
なごみは「ワンストップ支援センター」として
弁護士や警察などと連携し、被害者をサポートしています

4年前の開設以来、医療、法律、カウンセリングなどの支援を受けた被害者や家族は 750人以上


被害者は周りの対応によって さらに苦しめられる




アユミさんは、被害の直後、親しい友人に打ち明けると
繰り返して追い詰められ、傷ついていました

アユミさん:
知り合いから「なんでその男と一緒にいたの?」
「なんでそこに行っちゃったの?」と何回も言われたんです






加害者は、馴染みの飲食店で知り合った男性
アユミさんが信頼している店長の知り合いでした

その日、仕事の疲れもあって アユミさんはひどく酔ってしまったといいます
意識が朦朧とする中、男性と店を出て帰ろうとしますが
ふらつくアユミさんに、男性は「睡眠をとったほうがいい」とすすめます

アユミさん:
店長が男に「彼女はちゃんと安全に送ってね」みたいなことを言っていたので
多分そうしてくれるだろうなと思って

しかし向かったのはラブホテルでした
被害の経緯を聞いた友人はアユミさんの体を気遣いながらも
「なぜ男性と行動を共にしたの?」と何度も尋ねました

アユミさん:
質問されるだけでグサグサ傷つく
傷つけるつもりはもちろん向こうはないと思うんですけれども


警察にも相談したが、被害届は受理されず
再び警察と話した時のやり取りをアユミさんは録音していました




アユミさん:
部屋に入って、すぐ寝ちゃったと思うんですけれども
ちょっとしたら男が私の上に乗ってきて 無理やり挿入しようとしてきたので
陰茎を掴んで中に入れないようにしました
抵抗したけど無理やり挿入されて

しかし警察は「事件として扱うのは難しい」と伝えました

男性警察官:
ラブホテルってセックスするところなんですよ 男の人と女の人が
一緒にラブホテルに行ってくれた だからOKだろうと考えるほうが普通だと思うんですよ
フロントに人がいる お客さんもいる 助けを呼べる なぜ呼ばなかったんですか?


アユミさん:・・・あんまり頭が回っていませんでした

警察官:
なんで私の事件をやってくれないんだって言われる方もいっぱいいます
なぜかと言うと本人に責任がある 原因がある それが出来ない原因が


アユミさん:もうほぼ結論は出てるって事ですか?

警察官:ほぼ結論は出てます、正直 実際に犯罪を構成するかといったら構成しません

被害届は受理されませんでした(まだこんな事が起こってるんだ・・・


自分に落ち度があったと言い続ける被害者

アユミさん:
そんなに飲んだ自分が悪いと思うし
ついていった自分が悪いと思うし
帰らなかった自分が悪いと思います



カウンセリングを担当するミヨコさんは強く語りました




ミヨコ:
どれもこれも被害者の落ち度としてあげられたりするかもしれないけれども
でもどれ一つレイプをしてもいい理由にはならない
それが何故か同意したことになってしまう おかしいですよね


なごみは 連携する弁護士をアユミさんに紹介
改めて警察に提出した被害届は受理されました


何十年も続く心の傷
性暴力は何十年にもわたって 繰り返し被害者を苦しめ続けます

40代のマキさんは、高校生の時 レイプ被害に遭いました

マキさん:
2度、3度って傷ついていて 生きてるのが苦しかったです すごく苦しかったですね


相手は当時近所に住んでいた 同級生




その後、姿を見かけるたびに被害の記憶が蘇り 学校に行けなくなりました




加害者が顔見知りだったため 友人には打ち明けづらく
家族からは「被害を忘れるよう」言われたこともありました

10年以上引きこもる日々が続きました
次第にマキさんは「被害はなかった」と思い込むようになります

何年経ってもこみ上げてくる怒りや悲しみの感情を押し殺すためです
しかし、その反動が体の不調として現れました

マキさん:
血液の中にガラスの破片がいっぱい入ってる 血液をずっと流れてるみたいな
ずっと微弱の痛い電気が流れているような

これは 心の痛みをごまかすため、体に痛みを感じる「回避」という症状です

美代子:
なかったことにしたい気持ちとの戦いが続く
そのつらさと比べたら、体の痛み、動けないほど痛くてもそっちのほうがマシ

マキさん:
私の人生って何なんだろうって ほんとに思ったりして
本当に取り戻せないものがいっぱいあって
人生がなくなっちゃった 泣きながら話す


被害者の苦しみ 知っていますか?




武田アナ:
身近な人による性暴力が被害者をいかに苦しめるか より深く話を聞きます
「自分の人生がなくなってしまう」という言葉が響きましたが
スタジオにはご自身も被害者で 写真家で活動されている
にのみやさんにお越しいただきました


24歳の時に職場の上司から被害に遭ったにのみやさん




武田アナ:
顔見知りだからこその苦しみ ご覧いただいて どうお感じになりましたか?

に:
VTR の中で「人生がなくなってしまった」という言葉は
私自身も思ったことがありましたし
たまらない思いをしながら見ていました

私の被害は、信頼している上司からだったんですけれども
上司から 無理やりある日、突然 襲われたんですが

人間って「信頼関係」で結ばれてるじゃないですか
それが全部崩されるんですよね


身近な人からの性暴力は、信頼関係や人間関係の基本を破壊する

に:
顔見知りっていうことは、幼い頃に培った人間関係の基本が全部木っ端微塵になってしまう

武田:
自分が信頼していた 身近な人からの 被害だったということは やはり大きく傷つけられた?

に:
当時は「傷つけられた」ということさえもわからなかった
「全部自分が悪いんだ」と思っていました


仕事ができる上司を こんな状況にしたのは 自分なんだと思ったし
自分があの時さっさと仕事を終わらせて、さっさと帰ってきたら
こんな状況にならなかったし 何もかもが自分のせいだと思っていました

武田:当然そうじゃないわけですよね

に:そうじゃないと思えるまでに 23年かかりました


精神科医・小西聖子さん
精神科医で東京の性暴力支援センター、救援センターと連携して、被害者の支援を行っている




武田:
性暴力の8割が顔見知りからという実態に、私は本当に大きな衝撃を受けたんですけれども

小西:
非常に近い人ですよね
今まで信頼してたり、これからも一緒にやっていかなくちゃいけないような人から被害を受けて
信頼できなくなる とても苦しい
そもそも「被害だ」と言えない人が たくさんいます

武田:
警察に相談した時のやり取り
傷ついて相談しに来ている被害者にどうしてあんな言葉がかけられるんだろうと
憤りを感じたんですけれども

小西:
多分 警察庁に聞けば「そういうことを言わない教育を一生懸命やっている」と言うと思うんです
実際やっておられるんだけれども

でも現場には ああいうことを言ってしまう警察官が実際いるのも確かです
法律的にこれは証拠がないな 使えないなと思った時点で
法的には難しいケースは当然あります
だけどそれは被害がなかった とは違いますから

性暴力を広く定義すれば、同意がないところで性行為が行われれば
セックスだけでなく様々な侵害的な行為があれば
それは全部性暴力という風に言っていいと思います


武田:
「あなたが悪いんじゃないの」というような
そういう思いは、警察だけではなくて
世の中、私たちの間にある感覚じゃないかなと思ったんですが

に:
一次被害がレイプそのものだとして
二次被害「セカンドレイプ」周りの人からの言葉


「お前に非があっただろう」みたいな
それは被害者をさらに追い詰めているような気がします

レイプの被害も辛いのに、その次に言葉の被害を受けて
これっても同等の 痛みなんですよ

何十年も何十年も 生きれば生きるほど
レイプを受け続けているような苦しみですね


社会を変えたい 声を上げ始めた被害者たち
これまで 何重にも苦しみ続けてきた 性暴力の被害者たちが
社会を変えようと声を上げ始めています


名古屋 7月11日
「あなたに起きたことは私の問題でもある」というプラカード




被害者女性スピーチ:
被害者は何度殺されたらいいのでしょうか?
次の世代に絶対に同じような苦しい、悔しい思いをして欲しくありません

全てを奪われるのが性暴力です
もうこんなこと本当に嫌なので
こうやって集まった人たちの声が
社会を変えるようにやっていきましょう


(涙ながらに声を振り絞って話す女性


「誰にも相談しなかった」56.1%
国の調査では 無理やり性交などされた被害者のうち
「誰にも相談しなかった」と答えた人は半数以上
なかなか声を上げにくい現実があります


名古屋 大谷高等学校での講義
性暴力に対する社会の認識を変えるため
名古屋の性暴力救援センター なごみは、市内の高校で 授業を始めています

1年生を対象にマスターベーションや、避妊の正しい方法など
普段学校では取り上げない内容にも踏み込みます

「キスしようか?」
「いいよ」



「OKをもらいました 合意があった OKですね これは普通の恋愛です」


恋人同士でも性暴力が起こりうる

「合意はなし 金銭のやり取りはなし これは何でしょう?
 そうです レイプ 強制性交です

 人の気持ちを考えなくて、自分が意のままにしていいんだという
 勝手な解釈をしている人がいるんです


 人は選ぶ権利があります そして拒む権利もあります
 イヤと言っていいんです “考え中”もありです
 そういう権利があるんですよ 一人に一人にね」


女子学生:知識が増えて、もっと考える時間ができて 大切な時間になったなと思いました

男子学生:被害者は心も痛いだろうし とても悲しむと思いました

(やっぱりもっと小さい頃から教える必要がある 語り部のVTRを見せるとか


自分と大切な人を守るために何ができるか
性暴力から自分、そして大切な人を守るために何ができるのか考えます

武田:
私はやはり性暴力の背景に、人の気持ちも考えずにしていいという
勝手な解釈があるんだということを
もっと広く共有しなければならないと感じましたが

小西:
そういう考え方が あまり今みたいな 教育がないままに
若い人に再生産されてしまうと思います


根底にある社会の無理解




アナ:
望まない性行為が「性暴力」だということが
まだ全ての人に理解されていない ということを示す数字があります

LINE と協力して 10代~50代の男女約1000人に複数回答を実施しました
どういう時に性的な行為への「同意がある」と考えるか聞きました
これだけの人が「同意がある」と捉えていることがわかりました

小西:仕事できないですよね、これじゃ

に:
男と女で 例えばお酒を飲んだら 何でも同意なのか
なんかちょっとえ!?って思っちゃったんですけど

小西:
そうじゃないですよね
例えば、すごい格好で酔っ払って寝てたとしても
襲っちゃいけないことは当然じゃないですか

被害の現実というのは、あまりにも社会に見えていないし
間違った常識が通って、被害の現実が全く表に出てこない
変えていかなくちゃいけないことなんだと思います


実際に性暴力に遭ってしまったら周りの人たちができること




小西:
「なんで?!」って人は言うんですけれども
やっぱりそれはすごく責められているように聞こえるので
この言葉を一旦抑えるだけでもすごい違うと思う

2番目も「HOW TO」で直してあげるとかそういうことではなくて
一緒に困ってくれる人 一緒にいてくれる人が必要 一人ではできないから

正解の道でもう大丈夫っていう道は 残念ながらないし
ないけれども でも一個ずつつまりながら
それでも一緒にいてもらったり

に:
ただ一緒にいて 例えばお茶を飲んで「おいしいね」って言い合う
それだけでも ほっとするんですよね それが支えになる
次の日生きようと思う それはすごい思いました



近くのワンストップ支援センターへ




武田:
話を伺っていて、性暴力に苦しんでいる人たちが身近なところにいる
そして明日もまた新たに そういった被害者が生まれるかもしれない

決して一人きりで抱え込まず、近くのワンストップ支援センターへ
相談するようにしていただきたいと思います
全国の都道府県にあります

小西:
ワンストップってただ話を聞くところじゃないので
例えば警察に行くなら一緒に行って 本人を支えましょうとか

もっと早く産婦人科や医療に紹介するとか
そういうのも同行してくれたりするんですね
だからわりと具体的に 一緒に動いてくれるところ と思っていただくと

ワンストップセンターに最初に相談しなさいっていうのは
公式に言えばそうなんだけど
被害者から見たら できないですよそんなことは

今調査をすると 過半数の人が まだ誰にも言ってないんです 友達にも親にも
だから最初に言うべきことは これじゃなくて

誰でもいいから あなたが信用できる人に 相談してみようです
さらに言うと その人が「あんたどうしてそんなとこ行っちゃったの?」て
言われる可能性も結構高いです

だから1回ダメだった時に、もう1回 別の人にも相談してみよう
っていうところまでは是非 言いたいと思います

に:
本当にそう思います
私も最初 被害を打ち明けた時に「嘘言ってるんでしょ?」って言われて
それで閉じこもってしまった

それが自分のトラウマを深くさせたところがあるんですね
だから今苦しんでいる人がいるなら 一度じゃなくて せめて二度

できれば 周りに相談して欲しい 打ち明けて欲しい 諦めずに
あなたを否定する人もいるかもしれないけれども
でもあなたを 待ってる人も必ずいるはず と私は思います


コメント

性犯罪をやめたい@ETV 特集

2019-08-11 10:33:12 | テニス
【内容抜粋メモ】

彼らはかつて、私たちのすぐそばで暮らしていた




Q:こちらの刑務所に入れられた理由を教えていただけますか?

痴漢と盗撮で捕まってここに来ることになりました
盗撮はおそらく200~300くらいやってるかなと思います
電車内では多分100回くらいは繰り返して、ハマってまして

一番最初で言うと、高校生の時に満員電車に乗っていて
偶然前に立ってる女性のスカート越しなんですけど、お尻に手が触れてしまった

衣服の上ですけど、女性の体に触れているって言うので
性的に興奮するっていうのはありました

最初は手の甲にグーであたるのを装ってはいたんですけれども
こっちから少し押し当てる

押し当てても特に反応がない 向こうが特に振り向きもしないしっていう時は
そのまま手のひらのほうで、今度は触っていく

それでも、もし反応がなければ、スカートを少しずつめくっていく
スカートの中に手を入れて、反応がない女性っていうのを覚えて

その後日、また同じ電車時間を選んで、同じ女性を狙って、エスカレートさせていく
要は、足まで触っていたのを、下着まで触る

下着まで触っていたのを、下着の中に手を入れてお尻を直接触る
性器のほうまで触るということもしましたし


盗撮の男性:
女性に傷を負わせていいのかって言ったら、いいはずもない
出所した後は、やるつもりはないんですけれども
じゃあやりませんっていうのは簡単な話ではなくて

ここに入る前と同じ生活をしていれば
盗撮をしたいっていう気持ちは出てきてしまうと思うので



被害者に深い傷を残す性犯罪
どうすればやめることができるのか?

我々人間にとって「性」とは とても大事なものである半面
時にそれは大きな悩みのタネともなることがあります

我々には「欲求」があり、それを適度にコントロールできれば
人生は豊かなものとなります

「性」は我々の人生を愛情に満ちた豊かなものにするために不可欠なものなのです

しかし、我々自身のほうが性欲に振り回され
あたかも性的欲求のほうが自分自身をコントロールしているような
気にすらなることがあるでしょう


「大石クリニック」




毎週水曜日 横浜市にある精神科クリニックに
かつて性犯罪を犯した男たちが集まってくる

覗き、盗撮、痴漢、強制性交など、性犯罪の再発予防プログラムを行う全国で珍しい病院

逮捕や刑務所暮らしを機に、問題行動を断ち切りたいと考えた者たちが
自発的に参加している




ここでお伝えした内容を、実際に日常で試してみてどうだったかというのを
みんなと話し合ってみる

性犯罪を繰り返す人を「性嗜好障害」と診断し、治療する試みは
欧米ではごく普通に行われている

心理士が指導する半年間のプログラム

彼らは自らの罪を犯した理由を見つめ直し、再発予防策を学ぶ
今回初めて密着取材が許された


「回復のためのチェックリスト」








臨床心理士:
今、配っているのはスケジュール帳なんですけれども
1日の行動を詳細に記録し、どういう時に問題行動をしたくなるかを探っていく

欲求を感じる事っていうのは、少なからず日常生活で皆さんあるかなと思います

欲求を感じたり、思い出したりするようなことがあれば黄色
無事、何もなく安全だなと思って過ごせたら青というような基準で
シールをつけてもらえたらなというふうに思っています



(じゃあ、赤は何!?


翌週 それぞれの1週間を皆の前で報告




強制性交の人:
休みの日が黄色
毎週、スポーツセンターに行って体を動かすけれども 3時間
なんだか知らないけど、すごい方がいて
ピチピチの格好でトレーニングをしていた子がいたので
もう気になってしょうがなかったです

(周りからうっすら笑いが起こる こんなジムに行きたくないな

みんな服のせいにするんだね
露出度からしたら、欧米のほうが高いと思うけど
外国ではどうなんだろう?

レイプされた女性が身につけていた服装は地味でラフなものが多いということを
ランウェイで見せた活動の番組を思い出した

無関係ですか?性暴力@あさイチ


盗撮の人:
先週の木曜とこの前の日曜日に2回黄色

日曜日は子どもと一緒にお台場に行って
お台場っていうのはそういう派手な格好の女性が多いので
軽装 足が見えてる女性ですね ショートパンツでもスカートでも
ばっちり目に入ってしまって

子どもがいて、手をつなぎながら歩いているのに
ちょっと気になってチラチラ見ちゃうっていうのが残念ながらありました


痴漢の人:
電車の移動中に、昼間だったんですけど
そこまで混まなかったんですけど 肩が触れ合うくらいの混雑具合の時に

ちょっと胸の大きな女性の近くに寄っていってしまったっていうのは
一応黄色にカウントしています

(みんなとても冷静に話している

皆、逮捕を経験し、問題行動を止めたいと思っているが、欲求が湧き上がるのを抑えきれない


覗きの人:
黄色は2日間

アパートの隣の部屋に若い女の人が住んでいるのを知ってしまったんですね(怖いよ
帰ってきた時の音とか聞こえるんですよ

それが夜、結構遅めの時間に聞こえてくるので
ベランダから覗きをしたくなるっていうものすごく欲求が高まって
動悸が凄いして、手が震えたりとかっていうことがありました


痴漢の人:
ほぼ黄色なんですよ
その中で、いつもの道とはちょっと違う、女の人の歩く道に入っちゃって
(女の人の歩く道ってなんだ?

自転車から降りちゃって、わざわざついて行っちゃうみたいな
もう接近する 抜かして行く時に、もう痴漢やっちゃおうかなとか
一瞬よぎったんだけど、そのまま 最悪な事態はなく


「パブロフの犬」
心理士が彼らの置かれている状況を説明した

臨床心理士:
一番最初に押さえておいてほしいことは「パブロフの犬」という
言葉や実験とか聞いたことがある方いらっしゃいますか?
(一人か二人手をあげる


ロシアの生理学者 イワン・パブロフ






彼は、犬に餌を与える時にベルを鳴らす実験を行った
次第に犬は、ベルの音を聞くだけで唾液を流すようになっていった 「条件反射」
性犯罪者の多くも「条件反射」で問題行動に走ってしまうのだという


臨床心理士:
例えば、盗撮を繰り返している人がいたとしたら
スカートの短い女性で興奮する

実際、盗撮を繰り返してる人であれば
馴染みの携帯とかバッグとかがあると思います

バッグを何回も繰り返し見るだけで
ちょっと頭の中に盗撮することがよぎったり
「あ、できる」とか思ったり反応が出てくる
バックだったり携帯だったりが「引き金」になっているのかなと思います


「引き金」
彼らを性犯罪へと駆り立てる 最初のきっかけとなるもの




翌週、それぞれの引き金について 詳細な検討が行われた

このプログラムでは、自分を深く見つめ直すために
正直に、自分の行為や気持ちを話すことが求められている





強制性交の人:
「引き金」僕はとにかく、女性の部屋に侵入して、強姦をしてしまったので
場所は、ワンルームマンションやアパート
女性っぽいカーテンとかがあると引き金になる 原因になるかなと

「時間帯」は、深夜の11時頃~午前4時頃までの間は
ちょっと外にいると危険かな

「状況」は、アパートの窓が開いている
やっぱり侵入したくなるっていう、なんか変な感情が湧いてくるので
それを見ると、やっぱりセックスがしたいっていう感情が湧いてきて
こんなチャンスな事は二度とないだろうって思っちゃうことが多々あって


痴漢の人:
「引き金」は、別れた妻と背格好が似ている人
顔は見えなくても、後ろ姿だけでも、見ると思い出してしまって
引き金になってしまうというのがあります

「場所」は電車の中

「感情」は、元妻と子ども達と、そういう家族で一緒に触れ合っていた時間とかを思い出して
寂しくなっちゃうと、それに引きずられてやってしまう

(なぜ妻と痴漢が結びつくのか理解できない

だから、自分の場合、この体に触りたいとかムラムラっていうものは全くなくて
寂しい心の動揺を鎮めたい

妻と似ている人にちょっと触れていると、それが和らぐとか
全部それなんですね

それ以外の感情の要因とかは、仕事のストレスだったりとかは
仕事はストレスがもしあったとしても、それがきっかけで痴漢になるって事はないんですね


盗撮の人:
私の場合は、スカートの短い女子高生

「場所」は、駅の階段やエスカレーター 捕まったのが女子トイレ

「物」に関しては、カメラ付きスマホ
今はもう対策をして、カメラ部分を削って使えないようにしているんですけど

スマホで、直接じゃなくて、鞄に入れてやってたんで
鞄もその「引き金」になりますかね

Q:スカートが短くても、女子高生じゃなければ引き金にならないんですか?

今までほとんど女子高生になっていますね

Q:その違いというのは?

やっぱりなんかブランドって言ったらあれだけど

(「なるほど」と同感する男性たち
 学校の制服を決めているのは誰なんだろう?
 有名なデザイナーに依頼して、生徒たちの憧れを煽っている部分もあるし


私たちの世界は性犯罪の「引き金」で満ちていることが分かってきた


覗きの人:
「引き金」 10代~40代の女性(幅広いな
「場所」は、住宅街 銭湯、温泉プール
「時間」は夜の7時~午前2時まで
「状況」は家の明かりが見えて、風呂場の明かりが見えたりとか、石鹸の匂い 水の流れる音


痴漢の人:
「場所」は電車の中
「時間」は朝夕のラッシュ時



(このラッシュは 相当なストレスだよね


「人」はミニスカートとかセクシーな露出の多い女性
ストッキングを履いている女性

「感情」は孤独感、寂しさ、虚しさ

「状況」は、テレビで流れる人ごみの情報
ここに行ったら人混みがあるって分かるところ


盗撮の人:
ちょっと特殊なのが、パンティーには興味がなくて、女性の足が好きなんですね

「引き金」はミニスカート、ショートパンツを履いた人
若い人 ほどほどの肉付きの女性
痩せてるわけでもなくて なかなか基準は難しいんですけど

「場所」は階段、エスカレーター、明るいところ
外とかの階段とかエスカレーターだと、暗くなっちゃうとうまく撮れない

「状況」は程よい人混み
混みすぎているとターゲットに近づけないっていうのもあって
人がいなさすぎるとバレるから

行動がおかしいと、後ろからつけて行くんで、退屈な時
暇つぶしな感じでやっている面もあったんで
ヒールの音が聞こえる時




(これじゃ、どこにいても被害に遭うってことじゃないか/驚


どこにでもある光景 そしてストレスなど
誰もふと抱く感情が彼らの引き金になっていた

どんな服装で、どこを歩き、どう過ごそうと女性達の自由
被害者に何ら落ち度がないのは当たり前だ
しかし、加害者の声を聞いてみると、世の中が引き金で満ちているのも事実だった


プログラムが始まって1ヶ月 彼らは衝動を抑えられずにいた
(1ヶ月で治るくらいならここにいないでしょうよ

盗撮の人:
日曜日がちょっと危なくて、そこだけ黄色をつけました

私の場合だと、盗撮で女子高生とかメインだったんですけど
今の時期だと高校の「文化祭」が増えてくる時期で

それが家の近くの高校であると知ってしまって
行ってみようかとちょっと考えてしまって


盗撮の人:
黄色が日曜日
家族でディズニーランドに行って(!)
結構まだスカート短いとか、ショートパンツを履いているような女性が
涼しくなってきましたけど、まだいるので そういう方々が目に入って
撮りたいなとか、“今撮らないともったいない”とか そういう思考が出て


自分の感情に気づく




心理士:
「また欲求が出てしまいました」とか「また撮りたいと思ってしまいました」
「触りたいと思ってしまいました」ていう発言がよくありますけれども

このプログラムでは、欲求を実際に感じなくなるっていうようなところは 基本的に目指していません
撮りたいなとかやりたいなとか反応があっても
大丈夫でいられる自分っていうのを目指していきます

(アルコール依存症やギャンブル依存症とかと同じなのか
「無意識」にとらわれるのではなく、自分の感情に気づく、意識することを目指してるのか

このプログラムは「認知行動療法」(!)に基づいて作られている
自らの考え方の癖に気づき 行動パターンを修正することで再犯を防ぐ

この日は、引き金と出会ってしまった時に
これまでとどう違う行動をとるか検討することになった


強制性交の人:
引き金に対しての対処法は、夜12時以降は常に外に出ないということを徹底する
遊びなんかもちろんのこと それをずっと永遠に続けないことには
いつか破滅の日が来るなっていうのは実感しています


痴漢の人:
電車が引き金となっているので、車内では必ず読書をして気を紛らわせることにした


盗撮の人:
階段やエスカレーターを基本的使わず
どうしても使う場合は、男性か、ズボンを履いた女性の後ろを歩くことにした


痴漢の人:
混んでる電車に乗らないようにしてるんですけど
もし乗っちゃった場合、一つが今自分のキーマンである姉と母のメールを見る

(混んでない電車なんてないじゃん

交流している女性とのやり取りのメールを見るですね
後は子どもの写真を見ることですね


痴漢の人:
電車内での対処は、親しい人のメールを見る 子どもの写真を見る

この男性のケースについて、もっと有効な対処方法はないか、アイデアを出し合うことにした

「中吊り広告を熟読する」
「両手で荷物を持つ 両手を使えないと言うか」
「子どもの写真を見るついでに、警察署の写真と護送車の写真を見るのはどうかなと」(笑いが起こる


精神保健福祉士が厳しい注文をつけた
(女性スタッフもいるんだ 聞いててストレスたまらないかな




精神保健福祉士:
私がいつも乗っている電車って
本当にもう 何も動けないぐらいぎゅうぎゅうになるんですけど
そういう時どうしようっていうのも考えておいたほうがいいかなって

男性心理士:どれくらいの混み具合だったんですか?

加害者:実はそれほど混んでないんですね 捕まるのが嫌なので、相手の後ろに立つ




男性心理士:
まさにここが一番危険な状態ですよね この時にどう対処するか
女性が前の場合は大丈夫なんですか?

加害者:逆に前にいると、もろバレる可能性があるからしないですね、全然

「じゃあ向かい合えば、そのほうがむしろ、女性に観察してもらって」(笑いが起きる
「向かい合うように逆にするっていうのは、私にとっては有効な方法ですかね」

「正直言って危険なような気がする 向かい合う状態で一回痴漢をやってしまったら
 そこからまた向かい合うとハマってしまう引き金が広がってしまう可能性もある」

痴漢の人:
これ以上犯罪を繰り返さないために 満員電車に乗る時には 目をつぶることにした

(情報のシャットダウンてことか まず混まない電車を作って欲しい!


「行動機能分析」




プログラムは、それぞれの犯行パターンの詳細な分析に入った

「引き金」に遭遇した後、どんな思考や感情が生まれ
どう行動に移し、どんな結果を得ているのか
危険な感情や思考が出てきた時点で気づき、行動をやめることが狙いだ


痴漢の人:
「引き金」は、欲求不満
「思考・感情」久しぶり たまにならいいだろう 触るぐらいならいいだろう

「行動」は、いつもより早く起きて、好みのスタイルの若い女性を見つけて
電車でお尻をとか胸とかを触る

「結果」快感を覚える 興奮する


女性スタッフ:
「触るぐらいならいいだろう」って、「そうなんだ」って純粋に思いますね
やってる時は、相手のことは全然 考えてないですね 自分の欲求を満たすだけ


強制性交の人:
「引き金」は欲求不満
「思考・感情」女性とセックスがしたい気持ち
「行動」見つかるまで探し続ける 深夜にマンションを徘徊する
「結果」は、ものすごく満足感がありました


覗きの人:
「引き金」は、夜とか休日
「思考・感情」家に帰ってもやることないな ちょっと時間が余ったが、遠回りして帰ろう
「行動」覗き
「結果」は、性的な快感 勝ったような気分になる 相手を出し抜いたような気持ちになる


痴漢の人:
「引き金」元妻との疎遠による寂しさ
「思考・感情」元妻に似た人の肌に触れたい
「行動」は痴漢
「結果」は安心感 勝手にイメージして触ってるんで 妻と触れたぬくもりを感じたような


加害者の思考回路




「たまにだったらいいだろう」
「見つからなきゃいいだろう
「触るくらいならいいだろう」
「たまにだったら捕まらない」
「車で探そう」
「AVと同じことをしたい」
「もっとはっきり見たい」
「気づかなければいい」
「バレないだろう」


痴漢の人:
個人的にはおかしい、歪んでるって分かるんですね
ただ、私みたいなこういう繰り返しちゃう人と
そうでない人の一番の違いって、例えば、触るくらいならいいだろう

そんなわけないって思ってるんだけど 成功しちゃっている体験を持っているから
百人が百人そんなわけないんだけど、1人とか2人とかそういう人がいるであろうという

触ってもOKの人がいるかもしれないみたいな
そういううまくいっちゃった経験を持ってるから変えるのってすごく難しいんですよね


この男性に話を聞くことにした
男性は、痴漢で何度も逮捕されている

最後に逮捕されたのは3年前
妻との関係がうまくいかず、ストレスを溜め込んでいたと言う





痴漢の人:
子どもが生まれる前くらいからいわゆるセックスレスな状態があったり
妻が妊娠の時とか、子どもが生まれた後なんか、割と頻繁に実家に帰って
それが長期に及んでいたってことがあってですね

自分の場合、そうなってしまうと寂しさや孤独感を抱くようになってしまって
普通はそういったものがあったら、例えば酒を飲んだり
他のことで紛らわせたりすればいいんでしょうけど
私の欠点はそういったことがちょっとできない

寂しさをちょっとでも埋め合わせたいなって思った時に
悪魔の囁きじゃないですけれども
そういえば以前、痴漢して、少し気持ちが紛らわされた

根本的な解決になっていないんですけれども、気持ちがホッとしたな
またあれできるんじゃないかなと思ってしまったんですね

最初の痴漢は大学生の時(妻と関係ないじゃん
彼は電車の中で驚く体験をしたと言う

自分は特異な経験
自分は痴漢ですけれども、逆に痴女のような(痴女って言葉自体がもうメディアっぽい

電車に乗っていて、自分と正面に向き合っていた女性の手が自分の股間に当たって
そういう手を払いのけようとせずに

次の日も来る日も結局十数回あったんですけれども
ずっと同じようなシチュエーションでそういうことがあったんですね

自分はその時に気持ちがすごく安らいだと言うか
そういうところがあったので、それがなかったら痴漢でそういう
安らぎを覚える気持ちになろうとは 思ってなかったと思うんですね

そういう体験があって、自分のほうからちょっとやってしまった時に
うまくできてしまった そこの成功体験があったから

安らぎが得られるっていうのが自分の中に生まれてしまった
だから盗撮とか覗きとか強姦、レイプ そんなのができるわけがないと思っているし

(痴漢はそこまで酷い犯罪だとは思っていないのか
 もし自分の娘だったらっていう置き換えはできないんだろうか?

しちゃいけないってことは分かっているし
それは自分でもすごく当たり前の感覚だと思うんですけれども
でもできてしまうよねっていう思考もあるんですよね


1度の性犯罪から歪んだ思考が生まれてしまった
そう語ったのは一人ではない

覗きの人:
やっぱり人が見られたくないと思っている部分を見るということに
自分だけ特別な思いをしているっていう優越感を感じています

人の物を盗んだような時の感覚に近いんじゃないかと
大切なものを盗む 男性だと人妻に興奮するっていう人がいますよね

誰かのものだから興奮する(モノじゃないよ
それを自分が盗んだから興奮するっていう
そういう感覚に近いのかなと理解しています


覗きの人:
10代で偶然覗きがやめられなくなった

夜、ジュースを買いに行きました
家から200メートルぐらいの所にある自動販売機

買ったその帰りに知っている家がありまして
その家の風呂場の明かりがついていたのが見えました

最初はなんとなく、本当になんとなくなんですけれども
その前まで行ってみようと思って行ったら

ちょうど風呂上がりの時に、女性の方が窓を開ける瞬間を見てしまって
すごく興奮したんですね

それから、その家に用事がないのに、夜家で一人になると
そろそろ時間かな、とかいうのを考えだして、何回も通って

やっぱり同じ一人の人を見続けると慣れてくるところがあるんで
初めての時と同じような興奮を味わいたい
だから他の家に行きたいっていう感じで
どんどん色んな所に行くようになったと思います


覗きの人:
長い時だと1時間にずっと待ったりすることもありました
それが夏の暑い時とか、冬の寒い時とかでも関係なく
それができてしまう 楽しいんでしょうね

すごい長い時間外にいたりとか、歩き回ったりとか
ちょっと尋常じゃない部分で力を出しちゃうんですよね

見えたことと、達成したことと 両方かもしれないんですけど
すごく幸せな気持ちになってしまって

場合によっては足が触れたりすることがあります
達成感で足が震える事って生きてるとないですか?
体が覚えてしまってる


「言い訳」
プログラムはさらに、彼らの内面に踏み込む
彼らの考え方に潜む「歪み」に気付かせていく

心理士:
実際、直前に必ずOKを出す思考って言うんですかね
「言い訳」をしないと行動に移せないかなと思います

犯行に及ぶ直前 彼らは自らにどんな言い訳をするのか

「バレなければいいでしょう」
「これを逃したらもったいない」
「孤独で寂しいし 見つからなければいい」
「今日で最後にしよう」
「目の前に来た女性が悪い」
「景気付け」


痴漢をした人:
自分はええかっこしいにするわけじゃないですけど
言い訳は寂しいだったらまだ許されるかなって思うんですけれども
他のを見るとやっぱりここで歪んでるような


盗撮の人:全般的に見ると自分のことしか考えてないなと

(やっと気づいたか


次は問題行動に何を期待していたかを掘り下げる
意外にも「性的快感」をあげる者は少なかった

覗きの人:
夜一人でいれば心がそわそわする
知らないことを知りたい 見てはいけないものを見たい

盗撮の人:自分だけのものにしたい

盗撮の人:コレクションが増えるな

盗撮の人:
盗撮の道を極めたい もっと上手に撮りたいとか(誰かに見せるってこと?!
昔撮ったものから今撮ったものを見ると
上達しているのがなんとなくわかるみたいな気持ちがどっかにあって
達成感とかにもつながるし

盗撮の人:
私の言葉にするなら オリジナリティとか
特別感のあるものを手に入れられる

痴漢の人:監視下における 自分だけのものにしたい 癒されたい 受け入れてもらいたい

(こういう人たちが近所の人だったり、会社の人だったりするんだから怖すぎる


この男性がインタビューに応じた




痴漢の人:
一番最初、刑務所に入ったのが31歳の時
そこから2年おきくらいで、今までで7回刑務所に入っています

痴漢が生活のほとんどになっている感じ
わざわざ痴漢しに電車に乗りに行って
朝から昼過ぎまで ずっと同じルートを乗って痴漢している
特に混んでないのに痴漢行為をしてしまうとか 自分でもおかしいなと思ってます

身動きが取れない状態で、自分の思うがままにできているような気がするんですよね
日常ではなかなか「支配してる」って味わえないと
別の物で補えるかっていうのはなかなか 思いつかない

(自分の弱さからっていうことか?


痴漢の人:
自分の行為に抵抗していない この何分間か自分の思うがままのことができるし
そこは自分と相手の世界が作り出せるみたいな


何か別の行動に置き換えることはできないか
新たな対処方法が検討された

強制性交の人:
「期待」は、発散したい対処法は、スポーツジムで体を動かす 男性専用の所に行って


痴漢の人:
「期待」は、孤独感の解消
「対処」は、今は異性との交流
それはセックスに限らず、会ったり、メールしたりとか
そういうことが一番の解消する 健全な方法かなって思います


盗撮の人:
コレクションにしたいっていう期待があったので
そういう足の出ている女性を見た時に
食べるのは好きなので 食べ歩きをしてコレクションを入れる感じで置き換えてみたり
お金を貯めるって、ある意味、お金のコレクションなのかなって無理やり考えて貯金する


覗きの人:
「期待」勝ったような気分になりたい
「対処」勝ちにこだわらない性格にする そういう性質をちょっと変えていきたいな

(性格を変えるのは一番難しいぞ


痴漢の人:
征服欲の充足 相手より優位に立ちたいっていう意味での征服欲

「対処法」仕事ができる自分になる 仕事をこなして達成感を得るというのが
対処になるのかなと思っています

別の方向性としては、純粋に相手をいじめたい征服欲とか
そういう気持ちの部分はどうにもならないなっていう


プログラムの参加者の中には「行動の置き換え」がうまくいかず再発する人もいると言う
(性癖は変わらないからね

性的な問題行動の克服に向けて、毎日努力をし、通院を続けていたとしても
ときには治療を継続することに対するモチベーションが弱まったり
気持ちが揺れ動いたりすることがあるかもしれません

このまま一生、問題行動を止め続けることができるのか
それに対して不安を感じることもあるでしょう


なぜ治療に通うのか
治療プログラムへの参加は、強制ではなく一人一人の意志にかかっている
この日は、なぜ治療に通うのかを 改めて問い直した

(DVのプログラムとよく似ていると思った

DV 加害者の声から考える@あさイチ

DV加害者の声 ~反響編~@あさイチ


スタッフ:
実際、問題行動を続けていた場合、良いこともあったかもしれないし
悪い事もあったんじゃないかと思うんですけれども
問題行動を続けた場合、悪いこととはどんなことがありますか?

「逮捕」

(即答 やっぱり捕まらなきゃいい ていうレベルなのかな
 性犯罪の処罰の年数を延ばしても意味ないか

「仕事を失う」
「無駄な時間が増える」
「離婚のリスク」
「住む場所がなくなる」
「罪悪感に苛まれる」
「死にたくなる」


スタッフ:
問題行動の克服に向けて、今の努力を続けた場合
どんな良いこと悪いことがあるかっていうのを いいことから教えてください

「平和に過ごせる 平穏に過ごせる」
「隠し事がなくなる 警察にびくびくしなくて済む」
「自分の生き方に自信が持てる」

「墓参りの時に後ろめたい気持ちがなくなる」

スタッフ:
これに一番頷いて、今日の皆さんの共感を得た発言なのかもしれない(亡くなった親に悪いなってこと?
実際、今の努力を続けた場合の悪いことは何ですか?

「我慢し続けてなくちゃいけない」
「行動が制限される」
「治療に時間を取られる 3時間とか6時間とか」
「ストレスがたまる」


スタッフ:
それはあるかもしれないですね
なかなか言いづらいことを話さなきゃいけない時もあるかなという風に思います

「以前の快感をもう一生味わうことができない」

スタッフ:それも結構頷かれる方がいらっしゃいますね


それぞれが思い描く5年後、10年後
(被害者の苦しみは一生だけど

盗撮の人:
5年後は、とにかく問題行動を克服していたい
10年後は、今離れて暮らしている娘がちょうど成人する頃だと思うんで
何も後ろめたい気持ちもなく、ちゃんと話せるような自分になっていたい

(父親が盗撮犯だって知ってるのかな?


痴漢の人:
5年後 電車があるところでの生活は難しいので
どこかに移住をということを妻と話しているので
5年後にはどこか地方に移住しているんじゃないかな(場所を変えて治る?
10年後は、息子の中学の入学式に出れば
それで治療がうまくいっているというサインだと思います


痴漢の人:
5年後は、まずは問題行動の再発防止を完全に確立して
そういう新たな生活のリズムをきちんと続けていきたいと思っています

10年後は、自分も今は子どもがまだ小さいのですが
10年後の時には、今はもう別々ですけれども
きちんと正々堂々と会えるような
そういう自分を作っていきたいなというところをイメージしています


強制性交の人:
5年後 問題行動
僕は小学校6年生からずっと21歳まで 問題行動をしてきて
その後、刑務所に入ったんですけれども 問題行動をしない日はなかったです
なので問題行動しない日をずっと更新し続ける

10年後もしていない自分になれるようにしたいです
あとは大きな買い物をしたことがないので 例えば車とか
仕事も2年、3年と続いたことがないので、就職してすぐ逮捕されちゃったので 続けられるように


去年、強制性交の罪で10年以上服役した男性
出所した後、自らこのクリニックに駆け込み、治療を続けてきた(手首に絆創膏 リストカットの跡か?
小学生時代の下着泥棒に始まり、痴漢、覗き、強制性交と性犯罪を繰り返してきたという

強制性交の人:
僕の場合未だと、薬を飲んでいるんですけれども
その薬がうつの薬なんですけれども、それはどうも性欲に聞くんじゃないかというのがあって

(副作用を利用する逆転の発想か!

それを飲んでるときは、女性の裸を見ても、全然興奮を覚えることがあまりなくなってきまして
これならちょっと女性に対して そういう風に思うことはないなっていう
なくなったっていうことはないんですけれども、小さく、低くなってきて

男性は今、外ではなるべく女性と絶対に目を合わせないことを心がけている
以前は女性を「性の対象」としか見られなかった
しかし、プログラムに参加するうちに変化が起こっていると言う

強制性交の人:
女性をどうしたら「人」として見れるのか考えてるって言うか
とにかく会話をできるようにしようとか そういう風にして自分から変わっていかないと
また過去の自分に戻ってしまうし
ここで二度とそういうことをしない自分を作り直すってことを考えて、今は生活しています

(コミュニケーションの問題でもあるのかな

男性は、最近、仕事を始めた
働いて、恋をする これまでの人生で出来なかった普通のことをしたいと考えていると言う


強制性交の人:
女性の見方が変わってきて、こんなことやっても、恋愛をしたいなっていう気持ちが強くなってきて
恋愛をして、ちゃんとして付き合って、セックスがしたいなっていう風に、そこまでの流れです

Q:彼女ができたとして、自分の過去はどういう風に?

それは、僕は人生の最大の問題で
彼女に喋って嫌われるのを覚悟で理解してもらうのか(理解はできない
それとも、ずっと墓場まで持っていくのか(それも怖い
まだそれは答えが出てないです

付き合う前に喋るのか 俺こんな人間だけどいい?とか
そこは答えを出すのは彼女なんで そこはちょっと僕にも分からない
いつ言うタイミングかちょっと分からないですね


警察庁の最新の統計
1年間に認知された強制性交等の事件はおよそ1000件
強制わいせつ事件は5800件
痴漢はおよそ3009件


(警察官の中にも「性犯罪」と認めない人もいるから 本当に氷山の一角だよね
 警察官も性犯罪を軽視しているために放置され続けている


性犯罪は被害を届けにくい
明るみにならない事案が多いと言われている

刑務所でも 性犯罪者を治療する試みが行われ、一定の効果が表れているという
しかし、一度出所してしまえば、彼らに治療を強制することはできず、アフターケアが課題だ
(被害者のアフターケアも同等に必要だと思うけど、まずは加害者のほうか




ところが「再犯防止プログラム」を受けられる民間施設は全国で数箇所しかない
しかも治療を受けるか受けないかの判断は、加害者自身に委ねられている

(パニック障害の「認知行動療法」の専門医もいないんだもの


「いかりの綱」
性犯罪を再犯しないために守る日々の約束事

欲求を消すことは難しい
彼らは何とか自分を安全な状態に繋ぎとめながら これからの人生を生きていく


スタッフ:
現在、皆さんは、再び問題行動を行わないようにするため様々な努力を続けています
これらの行動を「いかりの綱」と呼ぶことができます

より安全な状態に自分がいるために、生活の中に必ずあったほうがいいな
と思えるような行動をリストアップしてみてください


痴漢の人:
月に1回、お寺がやっているお坊さんの説法を聞けるところがあるからそれに参加する
あとは家族との会話


痴漢の人:自分で自分を褒めて、それを書き留める


盗撮の人:
毎日必ず子どもと遊ぶ
その日、1日あったことを、その日の終わりに妻に必ず話す
話すことがなくても、今日は何もなかったよを含めて


痴漢の人:
親父が亡くなって仏壇があるので、朝晩そこで語りかけたり
捕まった時の資料を手元の近くに置いていて
弱くなった時には見返すようにしています


覗きの人:週に1回か2回くらいですけど 好きなものを食べに行く


強制性交の人:
深夜、いかなる場合も 外に出ない
仕事が終わった時、必ず大石病院によってケースワーカーに報告して帰る



彼らは私たちのすぐそばで 暮らしている


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ハリウッド発 “MeToo”@ドキュランドへようこそ

彼らに被害者の女性たちの涙に詰まって話すビデオを見せても効果はないのかなあ


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