村上春樹が影響を受けた作家としてドストエフスキーとチャンドラーを上げていた。もう一人あげていたがはっきり記憶していない。フィツジェラルドだったかな。
ところが彼の作品はドストにもチャンドラーにも似ていない。テーマでも雰囲気で似通う所が全くない。このことはだいぶ前にも書いた。本ブログ「反復と忘却」シリーズでも触れたが、最近カフカの「審判」を三分の二ほど読んだ。村上作品はむしろカフカに似ている。正確に表現すれば真似た、学んだというべきなのだろうが。非現実的な(あるいは幻想的な)「プロセス」をふんだんに繋ぎにいれるところだ。
これは一読子供の書いた小説のように思えるが、さにあらず、ということなのだろう。テーマに似通っている所はカフカと村上春樹にないが、手法には高い類似点がある。
そういえば、村上はカフカ賞を貰っていたっけ?