穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

カフカの『城』に関して「冗長」という意味

2016-09-29 09:17:27 | カフカ

行文で冗長が許される場合がある。筋には関係なく長々と脇道にそれたり、冗長に流れるのが許されるのは文章そのものが読むに耐える、或は読んで感興を覚えるものでなければならない。

新潮文庫の「城」は翻訳とはいえ、文を遣る間に読者を楽しませるという文徳がまったくない。翻訳のせいもあるだろうが、原文にもそう言った性質は欠けているようである。