4-1で勝利!
歴代最多失点タイの5失点と2点差を逆転負けという二重苦で、最悪という以外に言葉がみつからなかった前節を受け、そこから巻き返さねばならなかった今節。
マイナス方向に振り切ってしまったからには、今度はプラスに振り切らねば―――そう思っていた矢先、まさにそれが実現する最多得点タイの4得点。まったく、極端というかなんというか。ともあれ、そのおかげで前節で-3となってしまっていた得失点差を0に戻すことに成功しました。
期待のルーキー・馬渡がプロ初ゴールを含む2得点の活躍、前節にそれぞれ得点を挙げながら報われなかった三上、中西の2人が2試合連続ゴールを決めるといったポジティブな要素があったのは好材料。反面、相手が実力的に劣る藤枝で、その力不足に助けられた場面も少なくありませんでした。
スコアほどの圧勝ではなく、トータル的に見れば「なんとか勝った」という試合。
それでも。
これまでは「スコア以上の惨敗」も少なくなかっただけに。いきなり強くなることは無いでしょうが、それでも。「勝ちながら、結果を出しながら成長する」ということの大切さを、あらためて知る機会となったのではないかと。
これまでのように「ネガティブな要素はしっかり引き継いでしまうのに、ポジティブな要素はまったく繋がらず」ということを繰り返したのでは意味がありません。
この勝利を、まずは次節の勝利へと繋げなければ。
2002年のW杯でも使用された国際マッチ基準の競技場・エコパスタジアムでの開催となった今節。前節に引き続き雨の中の試合となりましたが、全周を覆う屋根のおかげで、応援する側としては濡れることもなく試合に集中できました。とはいえ、ピッチ上ではそうもいかず。滑りやすいコンディションを見極めながらのプレーが求められました。
やはり、前節の結果を受けてということでしょうか。これまで全試合フル出場してきた江角がメンバー外、代わって飯田が今季初にしてJ3初出場となりました。
思い出されるのが2011年。ちょうど7月のことでした。
アウェイ鳥栖戦で、それまで正GKであった内藤に代わり、プロ初出場を果たした飯田。デビュー戦でありながら落ち着いたプレーぶりを披露し、連続勝ち無しからの脱却となる勝利へと貢献したのでした。
同じようなシチュエーションでの出場となった今節。相手ユニフォームに合わせて上が黒、下がピンクという変則的ないでたちでピッチに立ち、あのときと同じく勝利を目指したのでした。
試合は序盤から一進一退。
なかなか主導権を握るに至らず・・・前節の山口に比べたら明らかに力が劣ることがわかった藤枝でしたが、それでもなかなかこちらのペースに持って行けませんでした。
むしろ、ポスト直撃で難を逃れるという冷や汗ものの場面もあったくらいで。もうちょっと攻勢を強められたならば優位に試合運びができるだろうに・・・というところで、やはり、いつもどおりだったということでしょうか。
それでも。27分、待望の先制点。
中央で祥輝のパスから抜け出した馬渡がGKと1対1の場面を作り出すと、そこで冷静に決めきって、嬉しいプロ初ゴール。ルーキーが期待に応えました。
ただ・・・そこから一気呵成に、とはいきませんでした。
悪い意味で、いつもどおりだったから。
なんで、攻撃でもう一押し、相手に脅威を与えるシュートにまで行けないのかと。
なんで、相手の攻撃でしっかり締める場面で、逆に緩んでしまうのかと。
34分に決められた同点ゴールは、まさにそんな状況を象徴する失点でした。
中には「相手を褒めるしかない」なんて失点もありますが、これはそうではなかった。明らかに、自分たちの甘さが招いた自業自得な失点。なんで、ここぞ!という場面でしっかりやれないのかと。
1-1で折り返すこととなったハーフタイム。
正直言って、「またか」と思いました。悪い意味でのいつもどおりに、またしても陥ってしまったと。このまま、良くてドロー、逆転負けも十二分にあり得るのではないか―――遺憾ながらも、そう思って仕方ないような内容でした。
「次の1点」が持つ意味の大きさ―――誰しもがそう思っていたであろう中にあって、それがもたらされたのが後半の8分。
接触プレーの影響で前半のうちに交代となってしまった苔口に代わってポジションを上げていた三上。その変更によって良い意味で気持ちの変化が生まれたということでしょう。やるべきことをクリアに出来たというか。それが、貴重な勝ち越し点へと繋がったのでした。
しかしながら、1点差では安心できない。逆転負けの記憶が新しいならなおのこと。
後半に入り、前半のような消極プレーの影響は減っていましたが、だからといってこちらのペースで出来ていたかといえば、そうも言えず。
優勢ではあったでしょうが、相手を押し込んで一方的に、とはならず。反撃への対処も集中しなければなりませんでした。
そんななか、勝利を引き寄せる追加点が生まれたのは64分。
前が空いた一瞬のチャンスを見逃さず、自らドリブルで上がっていった中西が勢いのままに蹴り込み、見事にゴール。三上に続き2試合連続得点を挙げたのでした。
いける!という判断と、やらねばならないことをしっかり踏まえた上での積極性が見事に結実。静岡学園出身ということで、当時を知る人も観戦に訪れていたのではないかと。気合いを入れていた試合でしっかりと結果を出してみせたことが、さらなる自信に繋がっていけばと思います。
後半に入ってから、前半のそれと比べたら明らかに攻撃の意識が高まったカターレ。
前節に初スタメン出場、今節も引き続きスタメンとなった祥輝のガッツあるプレーぶり。カターレ側応援席のすぐ前のライン際で必死にボールを追う姿に、スタンドから大きな拍手が贈られました。
そして、途中出場した村松。浜松大出身の彼にとっても、やはり気合いの入る一戦だったのでしょう。持ち前の敏捷性でピッチを駆ける姿が印象的でした。
試合も大詰めの89分。その村松が同じく途中出場の朝日とのパス交換で相手陣内深くに切り込むと、そこから折り返しのパス。それを受けて蹴り込んだのは、またも馬渡!勝利を決定づける駄目押し点!
3分あったアディショナルタイムもしっかり守りきり、試合終了。7試合ぶりとなる勝利を手にしたのでした。
2ヶ月近くにわたって遠ざかっていた勝利。ファン・サポーターとのカニダンスも、ちょっとぎこちない雰囲気が。勝ち慣れていないことの表れ。
そのぎこちなさが消えて、「いつものとおり」の恒例行事となるように、これからも勝ちを繋げていかねばならない、と改めて思ったのでした。
選手たちが引き上げた後、最後に監督がスタンドに向かって一言。「少し辛抱してほしい」と。
たしかに、その通りで。前述の通り、本当に試合途中までは悪い意味でのいつも通りで、またか、という試合ぶり。実力的に劣る藤枝に助けられたような場面も何度もあったし、同じ条件であったなら、たとえば山口あたりなら、前半で3点くらいは獲っていたであろう試合。
いみじくも、朝日も試合後のコメントとして「勝ったのはよかったけれどもっと内容の良いサッカーをしないと。今回より少し相手が強くなるともっと慌ててしまうと思う。」と。
まさに、然り。
4-1というスコアを見れば圧勝のようではありますが、実際のところは、まだまだなっていない試合だった、という印象。
この試合だけでもって復調と見なすのは早計であると言わざるを得ないかと。
一足跳びに強くはならないし、監督の言うように、まだ辛抱は必要だろうと思います。
それでも。
相手チームは、カターレの成長を黙って待っていてくれるわけではありません。
結果を出しながら、勝ちながら成長していくことの重要性と必要性。
歴代最多タイ4得点も、単なるまぐれでは意味がない。この勝利で得た手応えをしっかりフィードバックし、さしあたっては次節の勝利へと繋げるために。
粘り強く、力強く戦っていくことが求められます。
歴代最多失点タイの5失点と2点差を逆転負けという二重苦で、最悪という以外に言葉がみつからなかった前節を受け、そこから巻き返さねばならなかった今節。
マイナス方向に振り切ってしまったからには、今度はプラスに振り切らねば―――そう思っていた矢先、まさにそれが実現する最多得点タイの4得点。まったく、極端というかなんというか。ともあれ、そのおかげで前節で-3となってしまっていた得失点差を0に戻すことに成功しました。
期待のルーキー・馬渡がプロ初ゴールを含む2得点の活躍、前節にそれぞれ得点を挙げながら報われなかった三上、中西の2人が2試合連続ゴールを決めるといったポジティブな要素があったのは好材料。反面、相手が実力的に劣る藤枝で、その力不足に助けられた場面も少なくありませんでした。
スコアほどの圧勝ではなく、トータル的に見れば「なんとか勝った」という試合。
それでも。
これまでは「スコア以上の惨敗」も少なくなかっただけに。いきなり強くなることは無いでしょうが、それでも。「勝ちながら、結果を出しながら成長する」ということの大切さを、あらためて知る機会となったのではないかと。
これまでのように「ネガティブな要素はしっかり引き継いでしまうのに、ポジティブな要素はまったく繋がらず」ということを繰り返したのでは意味がありません。
この勝利を、まずは次節の勝利へと繋げなければ。
2002年のW杯でも使用された国際マッチ基準の競技場・エコパスタジアムでの開催となった今節。前節に引き続き雨の中の試合となりましたが、全周を覆う屋根のおかげで、応援する側としては濡れることもなく試合に集中できました。とはいえ、ピッチ上ではそうもいかず。滑りやすいコンディションを見極めながらのプレーが求められました。
やはり、前節の結果を受けてということでしょうか。これまで全試合フル出場してきた江角がメンバー外、代わって飯田が今季初にしてJ3初出場となりました。
思い出されるのが2011年。ちょうど7月のことでした。
アウェイ鳥栖戦で、それまで正GKであった内藤に代わり、プロ初出場を果たした飯田。デビュー戦でありながら落ち着いたプレーぶりを披露し、連続勝ち無しからの脱却となる勝利へと貢献したのでした。
同じようなシチュエーションでの出場となった今節。相手ユニフォームに合わせて上が黒、下がピンクという変則的ないでたちでピッチに立ち、あのときと同じく勝利を目指したのでした。
試合は序盤から一進一退。
なかなか主導権を握るに至らず・・・前節の山口に比べたら明らかに力が劣ることがわかった藤枝でしたが、それでもなかなかこちらのペースに持って行けませんでした。
むしろ、ポスト直撃で難を逃れるという冷や汗ものの場面もあったくらいで。もうちょっと攻勢を強められたならば優位に試合運びができるだろうに・・・というところで、やはり、いつもどおりだったということでしょうか。
それでも。27分、待望の先制点。
中央で祥輝のパスから抜け出した馬渡がGKと1対1の場面を作り出すと、そこで冷静に決めきって、嬉しいプロ初ゴール。ルーキーが期待に応えました。
ただ・・・そこから一気呵成に、とはいきませんでした。
悪い意味で、いつもどおりだったから。
なんで、攻撃でもう一押し、相手に脅威を与えるシュートにまで行けないのかと。
なんで、相手の攻撃でしっかり締める場面で、逆に緩んでしまうのかと。
34分に決められた同点ゴールは、まさにそんな状況を象徴する失点でした。
中には「相手を褒めるしかない」なんて失点もありますが、これはそうではなかった。明らかに、自分たちの甘さが招いた自業自得な失点。なんで、ここぞ!という場面でしっかりやれないのかと。
1-1で折り返すこととなったハーフタイム。
正直言って、「またか」と思いました。悪い意味でのいつもどおりに、またしても陥ってしまったと。このまま、良くてドロー、逆転負けも十二分にあり得るのではないか―――遺憾ながらも、そう思って仕方ないような内容でした。
「次の1点」が持つ意味の大きさ―――誰しもがそう思っていたであろう中にあって、それがもたらされたのが後半の8分。
接触プレーの影響で前半のうちに交代となってしまった苔口に代わってポジションを上げていた三上。その変更によって良い意味で気持ちの変化が生まれたということでしょう。やるべきことをクリアに出来たというか。それが、貴重な勝ち越し点へと繋がったのでした。
しかしながら、1点差では安心できない。逆転負けの記憶が新しいならなおのこと。
後半に入り、前半のような消極プレーの影響は減っていましたが、だからといってこちらのペースで出来ていたかといえば、そうも言えず。
優勢ではあったでしょうが、相手を押し込んで一方的に、とはならず。反撃への対処も集中しなければなりませんでした。
そんななか、勝利を引き寄せる追加点が生まれたのは64分。
前が空いた一瞬のチャンスを見逃さず、自らドリブルで上がっていった中西が勢いのままに蹴り込み、見事にゴール。三上に続き2試合連続得点を挙げたのでした。
いける!という判断と、やらねばならないことをしっかり踏まえた上での積極性が見事に結実。静岡学園出身ということで、当時を知る人も観戦に訪れていたのではないかと。気合いを入れていた試合でしっかりと結果を出してみせたことが、さらなる自信に繋がっていけばと思います。
後半に入ってから、前半のそれと比べたら明らかに攻撃の意識が高まったカターレ。
前節に初スタメン出場、今節も引き続きスタメンとなった祥輝のガッツあるプレーぶり。カターレ側応援席のすぐ前のライン際で必死にボールを追う姿に、スタンドから大きな拍手が贈られました。
そして、途中出場した村松。浜松大出身の彼にとっても、やはり気合いの入る一戦だったのでしょう。持ち前の敏捷性でピッチを駆ける姿が印象的でした。
試合も大詰めの89分。その村松が同じく途中出場の朝日とのパス交換で相手陣内深くに切り込むと、そこから折り返しのパス。それを受けて蹴り込んだのは、またも馬渡!勝利を決定づける駄目押し点!
3分あったアディショナルタイムもしっかり守りきり、試合終了。7試合ぶりとなる勝利を手にしたのでした。
2ヶ月近くにわたって遠ざかっていた勝利。ファン・サポーターとのカニダンスも、ちょっとぎこちない雰囲気が。勝ち慣れていないことの表れ。
そのぎこちなさが消えて、「いつものとおり」の恒例行事となるように、これからも勝ちを繋げていかねばならない、と改めて思ったのでした。
選手たちが引き上げた後、最後に監督がスタンドに向かって一言。「少し辛抱してほしい」と。
たしかに、その通りで。前述の通り、本当に試合途中までは悪い意味でのいつも通りで、またか、という試合ぶり。実力的に劣る藤枝に助けられたような場面も何度もあったし、同じ条件であったなら、たとえば山口あたりなら、前半で3点くらいは獲っていたであろう試合。
いみじくも、朝日も試合後のコメントとして「勝ったのはよかったけれどもっと内容の良いサッカーをしないと。今回より少し相手が強くなるともっと慌ててしまうと思う。」と。
まさに、然り。
4-1というスコアを見れば圧勝のようではありますが、実際のところは、まだまだなっていない試合だった、という印象。
この試合だけでもって復調と見なすのは早計であると言わざるを得ないかと。
一足跳びに強くはならないし、監督の言うように、まだ辛抱は必要だろうと思います。
それでも。
相手チームは、カターレの成長を黙って待っていてくれるわけではありません。
結果を出しながら、勝ちながら成長していくことの重要性と必要性。
歴代最多タイ4得点も、単なるまぐれでは意味がない。この勝利で得た手応えをしっかりフィードバックし、さしあたっては次節の勝利へと繋げるために。
粘り強く、力強く戦っていくことが求められます。