1-0で勝利。
試合を終えての率直な感想が「これがリーグ戦でなくてよかった」でした。
言うまでもなく、負けたら終わりの一発勝負。だからこそのプレッシャー、やりにくさはあったことでしょう。
ですが。
アマチュアだから、格下だから勝ってあたりまえ―――そんなわけがないということは、昨年、嫌というほど思い知ったはず。監督解任という非常事態を招いてしまった責任というものの重さを、痛感していたはず。まかり間違っても、「プロクラブとしての存在意義にかかわる事態」と言わしめた昨年の敗戦を繰り返すことがあってはならなかったはす。
だというのに。
まさに、辛勝としか言いようのない試合でした。
試合内容そのものは、圧倒していたかもしれません。しかし、満足とは程遠い内容。
決めるべきシチュエーションで決めきれない、という悪癖に関しては、今シーズンここまでも戦績に対して非常に大きく足を引っ張ってきたところ。
それを、絶対に勝たねばならないこの試合にまで引きずって、自分で自分の首を絞めている始末。
リーグ戦とは切り離して捉えるべき天皇杯・・・いや、その前段階の、富山県選手権。
危うく落としかけた薄氷の勝利は、本当に、リーグ戦の戦績に影響するものでなくて良かった、と。
猛暑のなか、いつもとは違う五福公園陸上競技場に駆け付けたファン・サポーター。応援する彼らに最低限のプロとしての面目は立てたものの、満足からはかけ離れた試合。
これで良しとしないのは当然として。
続いてホーム・県総で行われる天皇杯1回戦で、留飲を下げる勝利でもって名誉挽回をはかるよりほかないことかと。
2008年・クラブ発足初年度の同じ県選手権決勝以来、8年ぶりとなった五福公園陸上競技場における公式戦。古くからのファン・サポーターには懐かしく、近年関心を持った人には新鮮であったかもしれません。
残暑厳しい夏の午後、気温34度という過酷な条件下での試合。スタンドで応援するだけでもきつかったところ、ピッチを走り回る選手たちの厳しさは推して知るべし、というところでしたが。
リーグ戦とは条件が違うとは言うものの、その後の天皇杯も含めてほぼ等間隔となっている試合日程。多少のメンバー変更はあったものの、ほぼいつも通りと言える編成で試合に臨むこととなりました。
そんななか、柏から移籍してきた大島がカターレデビューとなる初出場・初スタメン。先の鳥取戦ではベンチ入りしていたものの出場は無く、今回、満を持しての登場となりました。
結果から言えば、「今後に期待」ということで。前へ前へという意識は感じられたものの、得点という具体的な成果には至らず。とはいえ、ひとつ実戦を経験したことによってまた連携への意識も高まったことでしょうし、次戦以降の活躍に期待したいところです。
試合のほうは、ほぼカターレのペース。一方的と言ってもよかったかもしれません。ボールコントロール、体の当たりの強さなどなど、やはり、アマチュアとプロとでは差があるということが見て取れる内容でした。
ただ。
試合運びというものが・・・リーグ戦のときの悪い癖が、この試合でも。
スタッツによると延長を含めて36本ものシュートを放っていたとのことですが、得点はわずかに1。しかし、スタンドから見ていたぶんには「そんなにシュートを撃っていたか?」というのが偽らざる本音です。
痺れを切らしたサポーターから「シュート撃て!シュート撃て!」というコールがかかるくらい、と言えば察していただけるかと。
敵陣深くに切り込んでいってクロスを上げる、という練習通りのプランでゴールを狙う、ということだったのでしょうが・・・それが、一向に決まらない。
というか、それも遠近使い分ければ良かったであろうところ、ファーに流すものばかり。相手DFではなく味方が対応に苦慮するボールとか。はたまた、誰もいないのに「そうすることになっているから」と上げて、案の定どうにもならず、とか。あるいは「GKへのパスか?」ってなくらいに力のないボールであったりとか。
1回で決まらなければ2回、2回でダメなら3回と、愚直に繰り返す姿勢というものも、必要なのかもしれません。
ですが。それはあくまで、1回目より2回目、2回目より3回目がより精度が高まっていくことが条件であって。同じようなことを同じようにやっているだけでは同じ結果でしょう。
さらに言えば、相手だってただ同じ反応しか示さないわけではないのであって。パターンに対して慣れもあるでしょう。「このパターンで来たら、しっかり対処しさえすれば平気」と。繰り返すほど、対応度も上がるのは必然。
これが一流どころの選手揃いのチームであったならば、相手は「わかっているのに決められてしまう」ということになっていたかもしれません。かつて、強豪・ガンバ大阪と対戦した際に、宇佐美選手に気をつけねばならないとわかりきっていたのに、その上でまんまと決められてしまったことが思い出されます。
言ってはなんですが、カターレはそうではない。同じパターンを繰り返しさえすれば、比例的に可能性が高まっていく、常に相手の対応力を凌駕し続けるだけの力を発揮できる・・・そんなチームとは、言えません。ハッキリ言って。
ならば、どうするか。
ミドルシュートをからませたり、攻撃にバリエーションを増やして相手をかく乱する必要があったところでしょう。そうやって狙いを絞らせない状態にしつつ、然るべきタイミングで必勝のかたちを繰り出して決定機をものにする、と。
そういった攻撃の幅というものが、どうにもこうにも足りない。それが不満でしかたありませんでした。
攻め込みながらも決められない展開が続き、無得点のまま試合が進行。
そんななかでPKのチャンスも得ましたが、萱沼のキックは相手GKにしっかりと読まれて失敗。冷静さが足りなかった、というよりは・・・流れというか場の空気というか、そういったものに負けていた気がします。
格上クラブとしての凄みというものをしっかりと見せられた試合のなかでのPKであったなら、あるいは黙っていてもしっかり決まっていたのかもしれません。
しかし、そうではなかった。力の差はあったにせよ、相手の戦意を削ぐほどのものではなかった・・・そんな、残念な展開。
2度のリードを守り切れず追いつかれ、PKの末に敗れてしまって県代表の座を逃し、プロクラブとしての格に大きな傷をつけることとなってしまった去年。
その反省をもとに必勝を期さねばならなかったはずだったのに・・・。得点という明確なかたちで必勝の気概を示せなかった。それが何よりも悔しいところです。
結果的にそうはならなかったものの、もし延長でも決着がつかずPKまでもつれていたら・・・去年の二の舞となってしまっていた可能性は、決して低くなかったかと。
勝負を決めたのは、延長後半に挙げた脇本のミドルシュートによる得点でした。
さんざん繰り返していたクロスが全く決まらず、“変化”としてのミドルシュート1発がものを言ったかたち。どうにもこうにも、皮肉というかなんというか。
絶対に負けてはならない、勝つしかない試合で勝利した、という結果に関しては達成できたわけで、それはそれで良しとするべきですが、内容が・・・。
去年、チケットを事前に買ってしまったためにしかたなく天皇杯1回戦の富山新庄‐琉球戦を観に行きましたが。そこでは、J3クラブとしての格の違いを見せつけた琉球が着実に得点を重ね、相手の気持ちが切れてきたところでさらにダメ押し点、結果、5-0で完勝という試合が。
ただでさえリベンジマッチとなった今回。カターレが見せねばならなかったのは、そういった試合ではなかったか?
どうにも、やるせない気持ちです。
それでも。
それでも、負けたら終わりという試合で勝利をおさめ、次に繋げた。反省を活かすチャンスを得た、とも言えます。
だったら。ホームスタジアムである県総で行われる天皇杯1回戦。そこで名誉挽回をするよりほかないでしょう。
去年は成し遂げられず、今年もやっとの思いで掴んだ富山県代表の座。
試合後、表彰式で授与されたメダルの重みというものは、決して安っぽいもののはずがないのであって。
ならばこそ。
次戦は、代表の名に、プロクラブの名に恥じない戦いをしなければ。
そのうえで、ファン・サポーターが望む勝利を届けねばなりません。
試合を終えての率直な感想が「これがリーグ戦でなくてよかった」でした。
言うまでもなく、負けたら終わりの一発勝負。だからこそのプレッシャー、やりにくさはあったことでしょう。
ですが。
アマチュアだから、格下だから勝ってあたりまえ―――そんなわけがないということは、昨年、嫌というほど思い知ったはず。監督解任という非常事態を招いてしまった責任というものの重さを、痛感していたはず。まかり間違っても、「プロクラブとしての存在意義にかかわる事態」と言わしめた昨年の敗戦を繰り返すことがあってはならなかったはす。
だというのに。
まさに、辛勝としか言いようのない試合でした。
試合内容そのものは、圧倒していたかもしれません。しかし、満足とは程遠い内容。
決めるべきシチュエーションで決めきれない、という悪癖に関しては、今シーズンここまでも戦績に対して非常に大きく足を引っ張ってきたところ。
それを、絶対に勝たねばならないこの試合にまで引きずって、自分で自分の首を絞めている始末。
リーグ戦とは切り離して捉えるべき天皇杯・・・いや、その前段階の、富山県選手権。
危うく落としかけた薄氷の勝利は、本当に、リーグ戦の戦績に影響するものでなくて良かった、と。
猛暑のなか、いつもとは違う五福公園陸上競技場に駆け付けたファン・サポーター。応援する彼らに最低限のプロとしての面目は立てたものの、満足からはかけ離れた試合。
これで良しとしないのは当然として。
続いてホーム・県総で行われる天皇杯1回戦で、留飲を下げる勝利でもって名誉挽回をはかるよりほかないことかと。
2008年・クラブ発足初年度の同じ県選手権決勝以来、8年ぶりとなった五福公園陸上競技場における公式戦。古くからのファン・サポーターには懐かしく、近年関心を持った人には新鮮であったかもしれません。
残暑厳しい夏の午後、気温34度という過酷な条件下での試合。スタンドで応援するだけでもきつかったところ、ピッチを走り回る選手たちの厳しさは推して知るべし、というところでしたが。
リーグ戦とは条件が違うとは言うものの、その後の天皇杯も含めてほぼ等間隔となっている試合日程。多少のメンバー変更はあったものの、ほぼいつも通りと言える編成で試合に臨むこととなりました。
そんななか、柏から移籍してきた大島がカターレデビューとなる初出場・初スタメン。先の鳥取戦ではベンチ入りしていたものの出場は無く、今回、満を持しての登場となりました。
結果から言えば、「今後に期待」ということで。前へ前へという意識は感じられたものの、得点という具体的な成果には至らず。とはいえ、ひとつ実戦を経験したことによってまた連携への意識も高まったことでしょうし、次戦以降の活躍に期待したいところです。
試合のほうは、ほぼカターレのペース。一方的と言ってもよかったかもしれません。ボールコントロール、体の当たりの強さなどなど、やはり、アマチュアとプロとでは差があるということが見て取れる内容でした。
ただ。
試合運びというものが・・・リーグ戦のときの悪い癖が、この試合でも。
スタッツによると延長を含めて36本ものシュートを放っていたとのことですが、得点はわずかに1。しかし、スタンドから見ていたぶんには「そんなにシュートを撃っていたか?」というのが偽らざる本音です。
痺れを切らしたサポーターから「シュート撃て!シュート撃て!」というコールがかかるくらい、と言えば察していただけるかと。
敵陣深くに切り込んでいってクロスを上げる、という練習通りのプランでゴールを狙う、ということだったのでしょうが・・・それが、一向に決まらない。
というか、それも遠近使い分ければ良かったであろうところ、ファーに流すものばかり。相手DFではなく味方が対応に苦慮するボールとか。はたまた、誰もいないのに「そうすることになっているから」と上げて、案の定どうにもならず、とか。あるいは「GKへのパスか?」ってなくらいに力のないボールであったりとか。
1回で決まらなければ2回、2回でダメなら3回と、愚直に繰り返す姿勢というものも、必要なのかもしれません。
ですが。それはあくまで、1回目より2回目、2回目より3回目がより精度が高まっていくことが条件であって。同じようなことを同じようにやっているだけでは同じ結果でしょう。
さらに言えば、相手だってただ同じ反応しか示さないわけではないのであって。パターンに対して慣れもあるでしょう。「このパターンで来たら、しっかり対処しさえすれば平気」と。繰り返すほど、対応度も上がるのは必然。
これが一流どころの選手揃いのチームであったならば、相手は「わかっているのに決められてしまう」ということになっていたかもしれません。かつて、強豪・ガンバ大阪と対戦した際に、宇佐美選手に気をつけねばならないとわかりきっていたのに、その上でまんまと決められてしまったことが思い出されます。
言ってはなんですが、カターレはそうではない。同じパターンを繰り返しさえすれば、比例的に可能性が高まっていく、常に相手の対応力を凌駕し続けるだけの力を発揮できる・・・そんなチームとは、言えません。ハッキリ言って。
ならば、どうするか。
ミドルシュートをからませたり、攻撃にバリエーションを増やして相手をかく乱する必要があったところでしょう。そうやって狙いを絞らせない状態にしつつ、然るべきタイミングで必勝のかたちを繰り出して決定機をものにする、と。
そういった攻撃の幅というものが、どうにもこうにも足りない。それが不満でしかたありませんでした。
攻め込みながらも決められない展開が続き、無得点のまま試合が進行。
そんななかでPKのチャンスも得ましたが、萱沼のキックは相手GKにしっかりと読まれて失敗。冷静さが足りなかった、というよりは・・・流れというか場の空気というか、そういったものに負けていた気がします。
格上クラブとしての凄みというものをしっかりと見せられた試合のなかでのPKであったなら、あるいは黙っていてもしっかり決まっていたのかもしれません。
しかし、そうではなかった。力の差はあったにせよ、相手の戦意を削ぐほどのものではなかった・・・そんな、残念な展開。
2度のリードを守り切れず追いつかれ、PKの末に敗れてしまって県代表の座を逃し、プロクラブとしての格に大きな傷をつけることとなってしまった去年。
その反省をもとに必勝を期さねばならなかったはずだったのに・・・。得点という明確なかたちで必勝の気概を示せなかった。それが何よりも悔しいところです。
結果的にそうはならなかったものの、もし延長でも決着がつかずPKまでもつれていたら・・・去年の二の舞となってしまっていた可能性は、決して低くなかったかと。
勝負を決めたのは、延長後半に挙げた脇本のミドルシュートによる得点でした。
さんざん繰り返していたクロスが全く決まらず、“変化”としてのミドルシュート1発がものを言ったかたち。どうにもこうにも、皮肉というかなんというか。
絶対に負けてはならない、勝つしかない試合で勝利した、という結果に関しては達成できたわけで、それはそれで良しとするべきですが、内容が・・・。
去年、チケットを事前に買ってしまったためにしかたなく天皇杯1回戦の富山新庄‐琉球戦を観に行きましたが。そこでは、J3クラブとしての格の違いを見せつけた琉球が着実に得点を重ね、相手の気持ちが切れてきたところでさらにダメ押し点、結果、5-0で完勝という試合が。
ただでさえリベンジマッチとなった今回。カターレが見せねばならなかったのは、そういった試合ではなかったか?
どうにも、やるせない気持ちです。
それでも。
それでも、負けたら終わりという試合で勝利をおさめ、次に繋げた。反省を活かすチャンスを得た、とも言えます。
だったら。ホームスタジアムである県総で行われる天皇杯1回戦。そこで名誉挽回をするよりほかないでしょう。
去年は成し遂げられず、今年もやっとの思いで掴んだ富山県代表の座。
試合後、表彰式で授与されたメダルの重みというものは、決して安っぽいもののはずがないのであって。
ならばこそ。
次戦は、代表の名に、プロクラブの名に恥じない戦いをしなければ。
そのうえで、ファン・サポーターが望む勝利を届けねばなりません。