ホーム&アウェイ2回戦総当たりで全18チームが参戦するJ3リーグにあって、今節が1巡目最後の試合。
7月唯一のホームゲームにして、シーズン唯一の平日・金曜日開催。
ホーム戦3連敗中という不本意極まりない状況、さらには前節の逆転負けのネガティブイメージを振り払わなければならない、大事な試合。17位・Y.S.C.C.横浜を迎え撃ちます。
この1カ月、1分け3敗という、なんとも受け入れ難い厳しい状況。
もし、今の状況が、救いのないほどにどうしようもなくダメなものであったなら。どんよりと沈み込みながら、あるいは諦観の境地であったかもしれません。
実際、カターレの歴史において、そんな状況は珍しいものでもなかったわけで。遺憾ながら。
先制点を奪われたが最後、ものすごく運が良くて引き分け、負けがデフォルト状態で、いずれにせよ勝ちを諦めねばならなかったりとか。
先制点を奪ったところで、それが同点・逆転への前触れでしかなかったりとか。
最もひどいときには、自陣ゴール前からボールを運ぶ時点ですでに、してやられそうなマイナスなオーラを醸し出していたりとか。
ひどい状況、屈辱的状況、耐え難い状況・・・いろいろと、ネガティブなところは見てきました。
だからこそ、言えます。
今の状況は、そんな悲観せねばならないほどのガッカリさではない、と。
しかし・・・むしろ、そうであるがゆえに、やるせない。
本当に期待もなにもない、希望も抱けないならば、こんなにやきもきもしないでしょう。
ここ1カ月の逆境に、ここまで失意に駆られてしまうのは。
ひとえに、期待の裏返しに他なりません。
期待を抱けるからこそ、きつい。
今節こそは、勝利を挙げて。一刻も早く、このドロドロしたネガティブ状況から脱せねばならないことは、言うまでもありません。
ここまで、これまでの対戦成績などから来る悪しきジンクスというものを跳ね返すことが出来ずじまいの試合が続いています。
前節もまた、相性の悪い相手を撃破して弾みをつけねばならなかったはずが、逆転負けという最悪の結果に終わってしまい。悪しきジンクスに、またも屈してしまったのでした。
その意味で言えば。
YS横浜は、これまでの対戦成績だけで見れば、未だ不敗。勝ってしかるべき相手です。ジンクス的に言えば。3年前には3点差をひっくり返す逆転勝利を挙げたこともあるくらいで。
とはいえ。
だからと言って楽に勝てる相手なのか、と言えば、まったくそうではない。
昨季の対戦も1勝1分けですが、ホームでは勝って勢いをつけねばならない試合でドロー、アウェイでも、勝ったとはいえ辛勝でした。
今シーズンここまで、5勝1分け10敗と、勝ち負けがはっきりしているYS横浜。
リーグ最多失点が足を引っ張るかたちで負けが込んでいるようですが、一方で、ここまで25得点を挙げている攻撃力は脅威です。
5勝も、いずれも3得点以上を挙げて勝っているのだとか。
エースであったFW辻 正男が群馬に移籍、さらには3季に渡って指揮を執った樋口監督が去るなど、シーズン開幕前には「弱体化待ったなしか」とも評されていましたが。それが、なかなかどうして、強力な攻撃的サッカーを展開しているようで。
1分けも、前々節に熊本を相手に2-2だったもの。そう、カターレが逆転負けを喫した熊本相手に。
確かに、現在の順位では17位ながらも、課題の守備さえ改善されたなら、このシーズン中盤以降、化ける可能性も大いにあるのではないかと。
対して、カターレ。
前節もまた、先制点を奪ったまでは良かったのですが。そこから追加点を挙げて突き放さねばならなかったのに、出来ずじまい。
ここまでずっと課題であり続けているところの決定力というものが・・・また、改善されずじまいで、最悪の結果につながったのでした。
本当に・・・これが、全く期待できないものならば、失望して終わりのところです。
それが、なまじ期待できるが故に、余計に歯がゆい。
首位を相手にしても、引けを取ってはいなかった。むしろ、上回っていた時間も少なくなかった。
なのに、決定力不足。
得点を獲り慣れていないことが、自信に繋がっておらず、もう一歩のところで決めきれないことに繋がってしまっているのではないかと。
それがさらに、勝ち慣れないことにつながり、接戦を勝ち切ることができない弱さとして顕現してしまっている・・・。
もし、今節もまた同じことを繰り返してしまったならば。
YS横浜は、攻撃サッカーを標榜し、また、実際に点を獲り慣れているチーム。
これまでと変わらない決定力不足から隙を見せてしまっては、逆にゴールを決められてしまうかたちで敗れてしまう―――そんな可能性も、ハッキリ言って大いにあることかと。
もちろん、そんなのは願い下げですが。
期待したいのは、前嶋。
昨年の同カード、雨のBMW平塚競技場で、決勝ゴールを挙げて勝利の立役者となりました。その再現となる活躍ぶりでもって、チームを勝利に導いてほしいです。
昨年のチーム得点王にして、MVP級の活躍を成し遂げた彼ですが。
今シーズンは起用方針の違いもあって、単純に昨季と比較することは出来ないにせよ。
それでも。
それでも、やってほしい。
得点を挙げねば、点を獲らねば勝てないという、あたりまえのこと―――それを、いかにあたりまえにやり遂げるか。
あたりまえと言いながら、それが出来ていないが故の、この1カ月の体たらく。
しかし。
それでも、前嶋が本領を発揮したならば。昨季の決勝ゴールもそうでした。あの、強い気持ちでもってゴールに挑む姿勢を、見事に得点としてかたちにした、あの攻めが出来たならば。その活躍ぶりが、昨年に続いてチームに勝利をもたらすこととなるはずです。
ただでさえ集客減が見込まれる平日開催。さらに、泣きっ面に蜂的に、雨の予報だとか。
2週も空いたホームゲーム、最近の低迷ぶりも相まって、「雨も降っとるし、行かんわ」となることで、あるいは、最少入場者数のワースト記録を更新してしまうやもしれません。
もし、そこで無様に負けてホーム戦4連敗を喫しようものなら・・・そのダメージは計り知れません。無関心が、加速してしまうことが容易に想像できます。
もちろん、そんなことは、あってはなりません。
むしろ、逆に。
「雨に濡れて散々だったけれど、現地でこの快勝を見られた俺らは勝ち組!」
そう胸を張れるような、そんな勝利を願ってやまないのです。
シーズン折り返し地点で、首位と勝ち点12も離れている状況は、確かにきついですが。
それでも。
まずは、今節の勝利。
これまで通りに勝てないようでは、何も変わりはしません。
変わりたいなら、勝つしかない。
まずは、勝つこと。話はそれからだ。
低迷を抜け出し、後半戦に望みを託すような、1巡目最終戦とせねばならないのです。
悪しきジンクスを打破するために、YS横浜戦不敗という良きジンクスの継続を!
打ち破るのは、悪しきジンクスのみ!!
今節の勝利でもって、悪い流れを断ち切れ!すぐに!!
勝たれ!!!富山!!!!!