熊本との上位直接対決に勝ち切れず、連勝がストップしてしまった前々節。前節はその影響が懸念されたものの、それを吹き飛ばすように3得点無失点で快勝、希望をつなげたカターレ。
そして迎える今節。アウェイで3位・ザスパクサツ群馬と対戦します。
残り7試合で、上位チームを直接対決で下すことによって差を縮めることが出来る最後のチャンス。絶対に勝たねばならない対戦です。
もちろん、簡単な試合にはならないことは承知で。その上で、勝ち切ることができるかどうか。
結果論ではありますが、もし熊本戦で勝てていたなら、前節の結果によって上回っていたはずのところ。いや、それを後悔したとてしかたのないことではありますが。
しかし、だからこそ。
勝たねばならない試合を落としたことが、どういう事態を招くことに繋がったのか。それを知れたという経験。そして、その結果を受けてなお、まだ昇格の可能性が消えたわけでは無いという現状。
だったら。自ずとわかるはずです。この群馬戦で、是が非でも勝たねばならない、ということが。
勝負の前から結果を悲観することなどしたくはありませんが・・・もしあえなく敗れてしまったならば、実質的に“終戦”であることも。
それでも。
信じる気持ちに、曇りはありません。やってくれると。やらねばならないところを、勝たねばならないところを、見事に勝ち切ってくれると。
当事者たる群馬・富山の両チームのみならず、上位を争うライバルクラブを含めて、今節最大の注目カードであるこの一戦。
必ずや、ものにせねばなりません。
現時点での群馬の総得点51は、リーグ最多。
シーズン中盤から7連勝を含む12戦連続負けなしなど、力を見せ付けるかたちで首位の座に。昇格への視界も良好―――かと、思われていました。
そこに、アクシデント。
リーグトップタイ15得点のルーキーFW高澤 優也が2試合前、10得点のFW青木 翔大が3試合前からけがで欠場と、得点力でチームを牽引してきた選手が次々に戦線離脱。
7連勝していたところから、引き分けでそれがストップし。連続引き分けで足踏み、そして前節、6月30日以来という敗戦を喫し、首位の座から陥落してしまったのでした。
そんなタイミングで迎えることとなる、今節。
夏の中断以降、6勝1分け、その間21得点3失点・得失点差プラス18という驚異的なペースで追い上げている富山が相手。
群馬にとっては、いちばん厄介な状況で、いちばん厄介な相手と対戦することになるのが、今節ということになるのかもしれません。
もし、前節までの状況そのまま、という展開であったなら、勢いで押し切ることもできましょうが。
それでもやはり。
群馬にとって、あるいは今シーズンいちばんの踏ん張りどころ。総力を結集して返り討ちにせんと待ち構えているのではないかと。それでなくともホーム戦。きちんと勝ち切ることで、再び首位へと返り咲く気概をファン・サポーターに見せねば、というところかと。
そんな相手を打ち倒さねばならないカターレ。
今節の結果、もし敗れても、まだ巻き返しの芽もあろう群馬と違って。
カターレのほうは、後がない。
勝ち切ることでしか、道は拓けない。
そんな状況を、いかに乗り越えていくか。打ち破っていくか。
このところの好調も、上位クラブには通用しませんでしたーーーそんなことでは、待っているのは昇格への道の断絶・脱落だけです。
むしろ、だからこそ。
今節の結果で順位が入れ替わることはありませんが、それでも。
現在、群馬の得失点差プラス21に対し、カターレは18。今節、ここ最近の平均に倣って3得点も挙げて勝利した日には、得失点差で追い抜きます。
そうなれば。
カターレが勢いのままに勝ち続ける限りにおいて、取りこぼしは許されないというプレッシャーが、より一層強まることになります。
例えば、次節、カターレが勝って群馬がドローであった場合。同勝ち点であっても、得失点差で逆転。相手からすれば、並んだ時点でアウト、と。
勝ち続けねばならない、そんななかにあっても。
そういった影響から、プレッシャーでライバルクラブが自滅することもあるかもしれない。
ならば。昇格への可能性が1%でも大きくなるならば。
勝つのは当然として。
よりライバルにダメージを与えられるような、そんな勝ち方をしていかねば、と。
この群馬戦、昇格争いが最大の見どころとしても、それだけにあらず。
群馬には元カターレの舩津、福田、窪田といった選手たちが。特に舩津は、J2からの降格、僅差で昇格を逃した昨年を知るチームの中心選手として、この試合にかける意気込みも強いであろうことは想像に難くありません。
一方で、カターレの側にも、高橋、碓井という昨シーズン群馬に所属していた選手たちが。
とりわけ、高橋には同カード3試合連続ゴール・決勝ゴールの期待がかかります。
昨季、群馬の選手として富山に1-0で勝利した試合。そして前回対戦、富山の選手として群馬に1-0で勝利した試合。
だったら、今節もまた、決めてもらおうじゃないかと。
勝手知ったる正田醤油スタジアムのピッチ。ボランチの碓井が前線へとフィード、そこから高橋がゴール!という元群馬ラインでの得点というものも、決してあり得なくなど無い。そう思えます。
また、群馬の布監督と富山の安達監督という、市立船橋高時代の師弟対決。その第3ラウンドとなります。
昨年の対戦では敗れた安達監督。前回対戦では勝ったものの、シーズン序盤でチームが固まっていない時期であったことを考慮すれば、完勝とはいえないかと。
それが証拠に、チームが活性化したならば、リーグ最多得点で首位にまで立った群馬なのだから。
それでも。もちろん、安達監督だって負けてはいないのであって。それが、ここ最近の猛烈な追い上げであり。
夏の中断前には、あからさまな差があった。けれども、そこからじりじりと追い上げ、後ろにピタリとつくまでに。
ここ最近の群馬が、頑張りが得点に、結果に結びつかないもどかしさに囚われている?
それがどうした。
そんな苦難は、カターレはシーズン中盤で既に経験済み。
だからこそ、勝たねば、と。
今のカターレが強くなったのは、ある日突然そうなったわけではない、と。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできたからこその、今。
それを、勝利で証明せねばなりません。
期待したいのは、今瀬。
エース級のストライカー2名が離脱、確かに影響は大きかろう群馬ですが。それでも、なにもその2人でしか得点が獲れない、というわけでなし。
ここ3試合の連続勝ちなしを教訓に、今節をしっかりと勝ち切る準備をしていると、ベストな状態であると、そういった群馬であると想定せねば。
ゆめゆめ油断など許されません。
そのあたり、キャプテンである今瀬に、しっかりとまとめてほしいです。
実力をしっかり発揮できたならば、必ずや勝てるーーーそういった経験、自信をつけてきたなか、臨む今節。
そのなかにあっても、冷静さは失うことなく。
侮ることなく、驕ることなく。
勝利に向けて邁進するチームを、持ち前のキャプテンシーでもって、導いてほしい。そう願います。
今瀬もまた、市立船橋出身。先輩である両監督に、現役選手として、キャプテンとしてしっかりとプレーする姿を見せること。イチフナスピリットを継承している姿を、遺憾なく披露してほしいかと。
この時期、思い出すのが2015年のアウェイ町田戦。
10月半ばにして、1年でのJ2復帰の望みがほぼ断たれ。非現実的な数字のみの可能性だけがあったなかで、「それでも!」と、2位につけて3年ぶりの復帰へとひた走る町田に、一矢報いなければ!という試合でした。
結果、0-2で敗戦。名実ともに終戦となりました。
ショックだったのは、敗れたことそのものではなく。
相手の町田に、「自分たちと君らとでは、見ている景色が違う」とばかりに、“あしらわれて負けた”ということ。昇格への道のりのなか、粛々と倒すべき相手に勝っただけ、という扱いであったこと。
その至らなさからの悔しさ、忘れていません。
ひるがえって、今節。
まだ、可能性をのこした状態ながらも、あえなく敗れてしまったならば、ほぼ終戦と言って良い状況でしょう。
そんななかで、順位の近い相手との直接対決。
そこで、力を発揮できるのか。
あしらわれる相手ではなく、昇格への道を進む当事者として相対することが、勝利する小糸ができるのか?
もちろん、出来ると言え!!!
勝てると言え!!!
必要なのは、勝ち点3、そして連勝!
群馬が無しえなかった今季リーグ最多8連勝は、カターレがやってやるーーーそのための、まずは2連勝へ。
勝たれ!!!富山!!!!!