1-1のドロー。
前節に続き、勝ち点が僅差の相手との対戦となった今節。それだけになんとしても勝って勝ち点を積み上げると同時に、相手の戦意をくじくような結果をもたらさねばならなかったのですが。
前半のうちに先制を許して追いかけるかたちになる、どうにも苦しい展開。
勝負は終了のホイッスルが鳴るまでわからない!とは意気込んでいたものの、無情に時間は過ぎ。
それでも。
そのまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム。ユウスケが殊勲の今季初ゴールを決め、土壇場で同点に。
0に終わるはずであったところの勝ち点を、1ながらも積み上げることに成功したのでした。
遠く鹿児島県は白波スタジアムに赴いてのアウェイ戦。
折からの猛暑、この日も19時開始ながら気温30.4度、湿度82%と厳しいコンディションのなかでの試合となりました。
前節より中4日ではあったものの、大幅な変更は無く、ほぼ同じスタメンで臨むことに。唯一、平松に代わって大野が入ることとなりました。
お互いに攻撃サッカーを標榜するチーム同士の対戦。
パスを繋ぎながら様子を伺い、隙あらば一気呵成に攻め立てる。そのためにもヘタなプレーはできない。
ボールポゼッション的には、ややカターレ寄りではあったか?というなかで。様子見の序盤となりました。
そんななか、15分。
攻め入ったなかでシュートレンジまで持ち込んだものの、かたちを作れずに不発に。すると、そこから素早いカウンターに繋げられてしまい。
鹿児島の実績充分のFW・酒本 憲幸に渡ると、対処しようとした末木がかわされてしまう。そのまま左を駆けあがってきた米澤 令衣に繋げられると、勢いそのままに左足を振りぬかれ、失点。先制点を奪われてしまったのでした。
鹿児島にとっては、理想的な展開。
前節の長野戦、米澤がゴールを挙げ、それが決勝点となって1-0で勝利。連勝を期して迎えた今節、やはり米澤が得点、その期待に応えるような連続ゴール。
シーズン開幕当初のリモートマッチを除き、ここまでホーム戦で勝利していない鹿児島。2156人を集めたこの試合、有観客試合初勝利に向け、いやがおうにも期待が高まったことでしょう。
そうはさせじと、すぐにでも反撃に出ねばならなかったカターレでしたが・・・。
先制に気を良くした鹿児島を前に、なかなか攻勢に出られず。気を抜けばすぐに追加点、というリスクがついて回りました。
反撃を試みるも・・・前線の大野に合わせよう、という意図は見て取れるものの、オフサイドにかかったりと、どうにも奏功せず。
なかなか有効な攻撃に出られぬままに時間は経過し、前半はシュート0本。不本意どころではない状況で、試合を折り返すこととなりました。
もちろん、前半リードされたからと言って負けが決定するわけでなく。
反攻の後半、開始から大野に代えて武を投入。同点、逆転を目指すことに。
すると、後半はだんだんとカターレが攻勢を強めました。
開始から程なく、GKに阻止されつつも、武がしっかりとゴールを狙ったシュートを放ったり。宮城やオーバーラップした柳下らがその走力で仕掛けてみたりと。
しかし61分、アクシデント発生。接触プレーで宮城が交代を余儀なくされ、代わって大谷が入ることに。
宮城の具合は心配。けれど、やらねばならないことは、誰が出場しようと変わらず。
66分には椎名とユウスケを同時投入。ユウスケにとっては、いつもの右SBではなく左SBとなりましたが、やるべきことは変わらず。
一方、リードする鹿児島は交代策で5バックの守備固め。無失点で切り抜けようという意思を感じさせました。
それでも守勢一辺倒だったかと言えば、さにあらず。
またしても米澤にスピードを活かして抜け出され、決定機を作られてしまったり。走り込んできた五領 淳樹にあわや!という危ない場面を作られてしまいました。
3年前の8月、その五領にやられて敗れた記憶がよみがえり、肝を冷やしました。
刻々と過ぎていく試合時間。
ペナルティーエリアのライン上で倒され、PKじゃないのか?という場面も、エリア外判定。直接狙った林堂のキックも阻まれ、ゴールならず。
そして、依然ビハインドのままに90分が経過。アディショナルタイムは4分。
鹿児島にとっては、集中力をきらすことなくしのぎ切る時間帯。
一方の、追うカターレにとっては、最後の最後まであきらめることなく死力を尽くさねばならない時間帯。
ただでさえ厳しいコンディションのなかでの試合。体力的にも相当にキツかったことでしょう。
そんななか、最後にものをいうのが気力の部分。
敗色が極めて濃厚な状況にあっても。カターレ選手たちは、あきらめませんでした。
守る鹿児島に対し、必死に攻め立て。
92分、CKのチャンスを得ると。
メインスタンド側のコーナーで、キッカーは左利きの椎名。
巻いていくボールが中央の混戦へ、そこからこぼれたところを、ひとりファーサイドに駆け込んでいたユウスケがヘッド!
見事に決まり、土壇場で値千金の同点ゴール!チーム最年長のベテランが、大仕事をやってのけました。
今でこそSBのユウスケですが、かつてのイメージーーー“福岡のきかん坊”であったころを思い出させるような、そんなプレーぶりに、熱くなりました。
そして、試合終了。九死に一生、敗戦の危機を免れました。
連勝を目指して乗り込んだ今節。それが成し遂げられなかったのは残念です。
けれども。
これでそのまま敗れていたとしたら。
今季ここまでの3敗と同様に、無得点負けを喫してしまったとしたら、そのダメージというものはいかばかりだったろうか?と。
勝てはしなかった。けれど、負け試合から勝ち点1をもぎ取ってみせた。
勝ち点1差の鹿児島がホーム勝利で勢いづく絶好機を与えてしまうところであったのに待ったをかけ、阻止してみせた。
むしろ、勢いづかねばならないのはカターレのほうだ、と。
福島戦では、試合終了間際の失点で勝ち点1止まりとなってしまいましたが。
一方で、今節は0であったところを、勝ち点1の積み上げ。
この1を活かすも殺すも、今後の頑張り次第。
次節もまた、アウェイ戦。
連勝は持ち越しとなりましたが、また次につなげる勝利を挙げるべく。
勢いを、加速せねばなりません。