行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

第32節 ガイナーレ鳥取戦

2023-10-20 14:31:58 | カターレ富山
試合終了間際のアディショナルタイム被弾で敗戦という、最悪の結果に終わった前節・沼津戦。しかし、落ち込んでいる暇などありません。
シーズン12敗目、これは下から2位である19位・相模原の負けと同数。それでいて、カターレは3位をキープしているのだから。いくらなんでも負けすぎであるにもかかわらず、昇格を諦める状況にないどころか、その昇格戦線の最前線に位置しているという。ハッキリ言ってしまえば、異常な事態ともいえますが。
そんな異常事態のなかで。今節対戦するのは、直近6試合連続負けなしと勢いに乗って5位まで浮上してきた鳥取。
彼我勝ち点差は、わずかに2。ここで勢いのままに鳥取に屈するようなことがあれば、順位を入れ替えられてしまいます。
6ポイントマッチという言葉に収まり切らない、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際。
勝ってライバルを蹴落とし、逆転での昇格圏入りへ。
アウェイ・Axisバードスタジアムでの直接対決の行方が、今節のみならず、この最終盤の昇格争いに大きな大きな意味を持つことになるのは、もはや疑いようがありません。

今やJ3リーグの所属クラブの半数以上が「元J2クラブ」というなかで。
降格から9シーズン目となるカターレにとって、本当の意味でJ3の艱難辛苦を分かち合えていると言えるクラブは、鳥取だけであろうと思います。
過去、大分は1年で即復帰、町田、栃木、群馬、熊本といったクラブも、数年ですぐに戻っていった。近年では、鹿児島や相模原、岩手、琉球といったJ3発のクラブが出戻ってきたりもしていますが。
そんななかで、降格以来ずっと、長きにわたって復帰できずにいる、いわゆる「J3沼」というものにどっぷりと浸かってしまっているクラブ。それこそが鳥取であり、富山であり。
落ちても程なく復帰していくクラブをよそに、「鳥取・富山コース」なんて不名誉極まる呼ばれ方をしたりもしていますが。
2008年のクラブ発足初年度より、15周年を迎えたカターレ富山。
その歴史において、もっとも数多く対戦してきた相手がガイナーレ鳥取となります。
元J2クラブといいながら、それが遠く霞む過去になっていくなかで。不名誉な「鳥取・富山コース」という揶揄のなかで。
最多対戦クラブでありながら、これまで、意外なほど“両クラブが昇格を争ってしのぎを削った”というシーズンは、無かったように思います。
どちらかが好調であったとしても、どちらかが振るわなかった。
そして・・・ならば相手をほっぽり出してさっさと上がればいいのに。結局は、どちらも昇格が叶わぬままに9シーズン目を迎えていると。
そんななかで。
両チームのJ3での対戦において、初といえましょう。シーズン最終盤で、お互いのプライドをかけて、昇格をめぐる争いでバチバチとやり合うのは。
現在、昇格圏2位まで2差のカターレと、4差の鳥取。鳥取がこの直接対決で勝利したならば、即、順位が入れ替わると。逆に、カターレが勝って蹴落としたならば、あるいは鳥取には致命傷にもなりかねないと。
勝って上を目指せるのは、どちらか一方のみ。
もちろん、それはカターレのほうでなければなりません。

鳥取との前回対戦は、6月にホームで対戦した第13節。
今シーズンここまで31試合中わずかに引き分け4と、極端にその数が少ないカターレ。そのなかにあって、さらにレアなスコアレスドローという結果でした。
その前回対戦の頃は、開幕からホームで全然勝てなかった時期が続いたり、不振の最中にあった鳥取。その富山戦の次の試合・北九州戦で敗れ、金 鐘成監督が退任。代わって増本 浩平ヘッドコーチが引き継ぐことに。
すると、その後のここまで17試合で9勝5分3敗と、まさにV字回復。
重松 健太郎、牛之濵 拓、富樫 佑太、普光院 誠といったこれまで他クラブで実績を積んできた選手たちを集めて「J3オールスターかよ!」なんてツッコんでしまった陣容が、いよいよ本領を発揮してきたということでしょうか。
とくに最近は6試合連続負けなしで5位にまで浮上、好調さが浮き彫りに。ほぼ半数のクラブの監督が途中交代しているという前代未聞の今季J3にあってーーー必ずしも交代が奏功するとは限らないなかで、好転した顕著な例と言えるのではなかろうかと。
前節・讃岐戦にしても。前半6分という早い時間帯でカターレから期限付き移籍した川西 翔太に移籍後初ゴールを浴び、先制パンチを受け。さらには前半のうちに退場者が出て1人少なくなるという窮地に陥りながらも。
その劣勢を跳ね返しての逆転勝ち。チームに大きな勇気をもたらす勝利であったことでしょう。
その勢いをホーム戦につなげて、3位の富山を撃破し順位を入れ替えてさらに上を目指そうという今節。意気軒高、これ以上ないテンションで臨むのではなかろうかと。

そんな好調・鳥取と相まみえることとなるカターレ。前節からの勢いという意味で言えば・・・やはり、アディショナルタイム被弾での痛恨敗戦は、痛すぎました。
それでも。
ここで簡単にくじけてしまうようなら。勢いにのまれて、あえなく連敗を喫するようなら。それは、そもそも上を目指す資格がないということ。
ここまで12敗と、およそ昇格を目指すクラブには似つかわしくない、どう考えても負けすぎなカターレですが。
他クラブの状況もあり、ラッキーさも否定しないにしろ、それでも。
それでも踏みとどまっていることは、事実であり。それを否定などできません。
くじけてしまうというなら、勢いにのまれてしまうというなら・・・4連敗をはじめ、これまで何度そんな機会があったと思っている?
そこで踏みとどまったからこそ、今がある。
運やラッキーを否定しないにせよ、それだけでここまで上位に居られたはずがない。
昇格にふさわしくないクラブが、ここまでやれるはずがない。
容易い相手などではない。むしろ、難敵どころの話ではない相手。けれど、だからこそ勝たねばならないのならば。
今季カターレの真骨頂を、発揮するのは今!
12敗していることが事実でも、一方で15勝を挙げていることもまた、事実。
勝ちきる強さでもって、順位逆転の野望を返り討ち、蹴落としてやらねばなりません。

期待したいのは、椎名。
先頃発表された9月度の各種表彰で、椎名のFC大阪戦の2点目がJ3月間最優秀ゴールに選出されました。
チーム最長在籍、度重なる怪我も乗り越え、ベテランという年齢に達している現在も変わらず真摯にプレーを続けるその姿を見ているだけに。感慨深いものがあります。
カターレで艱難辛苦を乗り越えてきた、といえば。
思い出されるのが、2018年のアウェイ鳥取戦です。
シーズン開幕から転げ落ちるように不振を極め、最下位に転落。ゴールデンウイーク時点にして監督交代という憂き目に遭い。
まさにどん底という状況でしたが、当時の安達監督の下で再起を図るにあたり、必勝を期してバードスタジアムに乗り込んだ試合でした。
今やれることを、やるべきことを、全力でやり切るーーーそんな気迫がプレーに表れていた試合。ゴールラインギリギリでシュートブロックして危機を救った今瀬など、まさにチーム一丸で勝利を目指し。
その試合で勝利を引き寄せる3得点目を挙げたのが、椎名でした。
再起をかけた試合で、価値ある勝利。それまでの停滞感を払いのける勝利であったかと。
当時から月日は流れましたが、再び巡ってきた、チーム一丸で乗り切らねばならない試練。
ならばこそ。今節もまた、勝利の立役者としての活躍を望みます。
なんなら、9月に続いて10月もベストゴールに選ばれるシュートでもって、連続受賞をしたっていい。その意気込みが勝利につながるなら、それは是非にも狙っていくべきとすら言えるでしょう。

終わり悪けりゃ全て駄目ーーー長年、そんな不都合な現実を突きつけられ続けたクラブ同士の戦い。
終止符を打つには、昇格をもってするより他になし。
そのチャンスをモノにするにあたって、立ちふさがるのであれば。
容赦なく、撃破するのみ。
好調の相手?6戦連続負けなし?
そんなことは、シーズンを昇格で終えることにフォーカスしたなら、気にするべき要素でもなんでもない。
むしろ、気にしなければならないのは、いかに自分たちの力を発揮して勝ちきるか。それだけで充分です。
J3沼を抜け出すのは、俺たちだーーーその決意を、最多対戦クラブに、昇格争いをするライバル・鳥取に、全力でもってぶつけなければ。

必ずや、勝ち点3を奪取せよ!
鳥取から、奪取せよ!

勝たれ!!!富山!!!!!