2014-07-26
~毎日新聞「戦後70年に向けて:」
時事, 歴史, 軍事, 犯罪, 新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20140726ddm002010189000c.html
第6航空軍は特攻生還者を福岡市の振武(しんぶ)寮に隔離し、参謀が「なぜ死なない」と責め立てた。公刊戦史にも出ていない施設だが、戦後58年過ぎて記録作家、林えいだい氏(80)の執念の取材により、実態が明るみに出た。
寮の管理者は、菅原中将の部下である倉沢清忠少佐。戦後は一橋大を卒業し、勤めた会社の社長に栄達して03年病没した。享年86。
生還者の報復を恐れ、80歳まで実弾入り拳銃を持ち歩き、自宅には軍刀を隠し持っていた。
(略)
録音テープには、今日流行する特攻賛美のきれい事とは裏腹な、送り出した側の本音があけすけに語られている。
例えば、学徒動員の特別操縦見習士官に比べ少年飛行兵は「12、13歳から軍隊に入っているから洗脳しやすい。あまり教養、世間常識のないうちから外出を不許可にして、小遣いをやって国のために死ねと言い続けていれば、自然とそういう人間になっちゃう」などと証言している。そんな暴言・放談がたくさん残る。
当初取材を拒んだ倉沢氏は、4度目には自分から林氏を招いて大いに語り、直後に倒れて世を去った。初めて重い荷を下ろしたのか。
一読して、「こんなやつがいたのか。よし、ウィキペディアに記録残そう」と思ったら、既に項目がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%89%E6%BE%A4%E6%B8%85%E5%BF%A0
もっと世に知られていい人物だった。
生前の天本英世がこの人の役になり、この人物の伝記映画でもできてたらすごいものになったろうな。今ならだれが演じられるだろう。
今回だけでなく、このシリーズは毎回かなりすごい
上で紹介した記事は、勢い的にはてなブクマのホットエントリに入りそうだけど(もう入ってるかな?)
http://b.hatena.ne.jp/entry/mainichi.jp/shimen/news/20140726ddm002010189000c.html
実はこの記事だけじゃなく、
企画全体がけっこうすごいんですよ。
だからはてなの人は、アーカイブ全体もブクマしておくほうがいい。過去の記事を見るには要会員登録(無料)だが。
http://mainichi.jp/select/shakai/sengo70/archive/
(毎日サイトは、どうも個別記事からこの「一覧」に飛ぶリンクがおざなりだ)
個人的に面白かった過去の記事は
戦後70年に向けて:いま靖国から/6 ライブハウスの熱狂
毎日新聞 2014年06月10日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20140610ddm002010141000c.html
「いーやさーか。ハレールーヤー」
幕開けは祝詞に似ていた。意味は「ますます栄えよ、主をほめたたえよ」。だが、ここでは単に「ニッポン万歳」の掛け声か。
和太鼓がとどろく。三味線が鳴る。気を裂く尺八と篠笛(しのぶえ)。
(略)
2月25日、TBSテレビが運営する東京都内随一のライブハウス「赤坂ブリッツ」に、和製ゴスペルバンド「ヘブニーズ(天国民)」の舞台を見に行った。グループ名は「天国」と「日本人」の合成造語だ。
昨年亡くなった保守の論客、東条由布子氏(A級戦犯・東条英機元首相の孫)を告別式で葬送し、一昨年は靖国神社でも演奏し…
戦後生まれの私の知らないことも歴史的事実として知るべきだと勉強になりました。