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都市対抗野球時代に注目され、後に広島に入った沖縄出身の投手がい
る。
巨人戦に強かった安仁屋宗八投手(70)だ。
いまは私はどういうわけか(ナベツネの読売は嫌いだがそれが理由で
はない)完全なアンチ巨人だが、子供の頃は御多分にもれず巨人ファン
だったから安仁屋投手のことをよく覚えている。
その安仁屋投手が、きょう8月16日の毎日新聞のスポーツ欄「次代
へのバトン 戦後70年を語る」のシリーズ記事で、かつて沖縄の本土
復帰72年直前に行われた行政主席(米国統治下の琉球政府の長)選挙
(いまでいう知事選挙)にかかわった体験を振り返ってこう語ってい
る。
大変な選挙やった。殺し合いがあったくらいですから。僕の家の周り
も棍棒を持った屋良派がウロウロして、おふくろが泣いて僕に「頼むか
らもう帰ってくれ」と語って・・・西銘さんは僕の後援会長をしてくれ
ていたから、その分応援しようと思っていたんですけれど、そこまでな
るとは思わないですもん。二度と政治にかかわりたくないのが本心です
ね。今の沖縄問題もそう。基地のことも両方に言い分があると思う。な
くて済むならそれでいいけど・・・沖縄は明るい人がいっぱいいます。
歌手とか俳優さんとか、芸能は沖縄がナンバーワンじゃないですか。そ
ういうことを考えれば、沖縄は幸せだと思います。問題は基地だけです
よ。やっぱり僕は沖縄人としていつまでも沖縄を可愛がりたいし、可愛
がってもらいたい。沖縄は結束が固いですし、それをいい方に生かして
ほしいですね。
「政治はもうコリゴリ」
この言葉ほど、今の日本の一般国民の気持ちを表している言葉はない
のではないか。
8月のメディアはいつもそうだが、今年の8月は特にメディアが平和
を強調しているように思えてならない。
それはもちろん安倍政権の安保法制案や70年談話があるからだ。
つまり平和の問題が完全に政治問題になっているのだ。
そして与野党の対立と、与野党のそれぞれに与する、よく言えば政治
的意識の高い人、悪く言えばなんらかの形で政治に依拠して暮らしてい
る人たちの対立が、激しくなっている。
しかし、本来は政治などなくていいものではないのか。
あってもいいけれど、それは政治にかかわりを持ちたくないという普
通の人たちの暮らしを守ることを最優先する政治的使命のある人たち
が、奉仕の精神で競い合うものではないのか。
間違っても、政治が権力欲や私利私欲の具になってはいけない。
もちろん政治好きの道楽であってはならない。
政権を握って国民の生活を掌握しようとする者たちは、一般国民より
はるかに立派な能力と志を持たなければいけない。
そして、権力は必ず腐敗するから、権力をたえず監視し、抑制する野
党は必要だ。
それはいかなる立場の者が政権を握ろうとも同じである。
そのことを我々は民主党政権の失敗で見せつけられた。
権力を求めようとする者やそれを支持する人たちも、権力批判をして
権力の横暴を規制しようとする者やそれを応援する人たちも、ひとし
く、一般国民のために奉仕精神で、それを行うべきなのである。
ゆめゆめ私的な利権や名誉欲でそれを行ってはいけないのである。
そのような立派な考えで政治を行うものなど多いはずがない。
だからこそ政治家はもっと、もっと少ない数で十分なのだ。
そのような立派な政治家が、年収7000万円もの収入を一般国民の
税金から平然と受け取って恥じないはずがない。
だから政治家の特権は全廃すべきなのだ。
新党憲法9条が掲げる最大の公約は、みずから政権を目指すのではな
く、だれが政権をとろうとも、憲法9条の精神に反する政治を行おうと
する権力を監視する本物のオンブズマンとなることだ。
その数は数名で十分だ。
いまこそ新党憲法9条が必要な時である。
「政治にコリゴリ」と考える一般国民が、その必要性に気づく時がい
つか必ず来ると思う(了)