天木直人のブログ
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私が安倍首相なら「おわび」の言葉を談話に盛り込む
そう一面トップでスクープ記事を書いたのはきのう8月9日の朝日新聞だった。
安倍首相は7日夜に自民・公明両党幹部に原案を示し、その中にはおわびのことばが盛り込まれていなかった、それがわかったというのだ。
その後、同様の記事を各紙も書き始めた。
本当にそうなのか。
私は朝日新聞がそう大きく書いたとき、私の予想が外れた、いよいよ、安倍首相はなにもかも強気で押し通すつもりだ、と一瞬思った。
しかし、きょう8月10日の毎日新聞の記事を読んで思い直した。
その記事もまた、「おわび」素案に盛らず、という見出しで書かれている。
しかし、私が注目したのは、最終調整の段階にあると書かれていたことだ。
そしてある政府関係者の言葉として、次のように書かれていたことだ。
「首相はおわびの気持ちが十分に出るように考えるだろう」と。
やはり、そうだったのだ。
安倍首相は、かなりまえからそう決めていたに違いない。
表現こそおわびという言葉は使わないが、その趣旨が中国、韓国に伝わるような表現でおわびを示すことを。
谷内安保局長が訪中したのはそれを内報するためだったのではないか。
そのことはまた山口公明党代表の顔を立てることでもある。
明仁天皇の気持ちにも沿うことになる。
こう考えればすべてに合点がいく。
原案ではおわびの言葉をあえて盛り込まず、メディアにあえてそう書かせ、皆にそう思わせておいて、最後にサプライズの形でおわびの気持ちを表現する。
安倍首相の起死回生の手はこれなのだ。
私だったらそうするだろう。
その予想が外れれば、安倍首相はさらなる苦境に追い込まれる。
やはり安倍はバカだったということになる(了)
Posted on 2015年8月10日 Naoto Amaki
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米盗聴に鈍感な日本を笑うニューズウィークの巻頭記事
発売中のニューズウィーク日本語版(8月11・18日号)の巻頭記事には、さきの訪米時に撮ったと思われるオバマ大統領と安倍首相の車中の写真が大きく掲げられている。
長い脚を組んだオバマ大統領が、手振り身振りで、なにやら盛んに安倍首相に語りかけ、それを安倍首相が神妙な顔をして聞いている写真だ。
そして、その記事は「同盟国アメリカの盗聴で日本の情報は筒抜け」と題して、要旨次のように書かれている。
米国家安全保障局(NSA)が日本を盗聴していた内容まとめた米政府内部文書を、ウィキリークスが7月末にすっぱ抜いた。
ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジュはこう記している。「日本にとっての教訓はグローバル監視超大国(米国)が誠意や敬意を持って行動すると期待してはならないということだ。ルールは一つしかない。それは、ルールなどないというルールだ」
盗聴の標的となった35の電話回線の中には、内閣府、黒田日銀総裁など日銀と経済産業省の関係者、三菱商事、三井物産なども含まれていた。
盗聴は006年ー2007年の安倍第一次政権にまでさかのぼり、首相官邸での極秘の話し合いの内容まで米政府に漏れていた。
日米は50年以上にわたる同盟国。この春、安倍首相が訪米した際、オバマ大統領は日本を「世界で最も緊密な同盟国のひとつ」と呼んでいたのだが・・・
この辛辣な書き方は、冒頭の掲載写真と相まって、日本がいかに米国からコケにされてきたかを嘲笑しているのだ。
実際のところ、このニューズウィークの記事を読めば、今回明かされた米国の国家ぐるみの盗聴は、日本にとってこれほど衝撃的なものはないことがわかる。
なにしろ米政府は盗聴内容をすべて盛り込んだ報告書を作成し、政府内で回し読みしてたのだ。
文字通り裸にされていたのである。
アサンジュが日本の盗聴に的を絞って公開したのも、こんなことでいいのかと日本政府の対米従属ぶりに警鐘を鳴らすためだったに違いない。
それにも拘わらず日本の対応はあまりにも鈍い。
唯一、きょう8月10日の産経新聞が、その社説でカンカンに怒っている。
これほどの疑惑を抱えたままでは「不動の同盟国」と胸を張ることなど到底できないと。
まさかバイデン副大統領の謝罪電話で幕引きするつもりではあるまいなと。
安倍首相が直接、オバマ大統領に対し、米国の謝罪と再発防止の確約を取り付けるべきだと。
この当たり前の国民の思いを、誰も言わない。書かない。
朝日新聞が書くことは絶対にない。
私が産経新聞を評価するのは、時として前後の見境なく、その当たり前の事を馬鹿正直に書くからである(了)
Posted on 2015年8月10日 Naoto Amaki
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噴飯物の朝日新聞の「被爆70年の日本」という社説
きょう8月10日の朝日新聞は、「被爆70年の日本 核なき世界近づけるには」と題する仰々しい社説を掲げた。
広島、長崎の原爆記念式典が終わった日にあわせて、満を持して掲げた大社説だ。
しかし、その内容は噴飯物である。
安保法制案成立にこだわり、非核三原則に触れなかった広島演説などに言及して安倍首相の好戦的姿勢を批判する一方で、被爆国である日本が率先して核兵器のない世界の実現を各国に呼びかけるべきだ、とりわけ核なき北東アジアの実現を率先すべきだ、それこそが被爆者の悲願にこたえる道である、と締めくくっている。
安倍首相をいくら批判しても異存はない。
しかし、世界や北東アジアの核廃絶を安倍外交に求めるのはお門違いだ。
そんなことは誰が日本の首相になったところで、できはしない。
それは朝日新聞も百も承知のはずだ。
なぜ朝日新聞は米国の核独占政策を批判しないのか。
なぜ就任直後に核廃絶演説をしておきながら、8年間もの間、その公約を本気で実現しようとしなかったオバマ大統領を糾弾しないのか。
なぜ日本は日米同盟という米国の核の傘から自立し、その対極にある憲法9条を掲げた外交に舵を切る時だ、と書かないのか。
そこには核廃絶に向けた米国の責任を追及する言葉は一言もない。
「親米リベラル」朝日の正体がここにある。
そして「親米リベラル」こそ、無意識のうちに日本国民を対米従属に縛り付ける元凶である。
私が噴飯物の社説であると書いた理由がここにある(了)