おもしろくなってきた。私は石原新党結成の動きを心から歓迎する。
こう書くと、石原新党に期待し、本当の意味でそれを歓迎すると誤解されそうだがその真逆である。
これで石原も亀井も平沼も終わりになるという意味で歓迎するのである。
下手をすると橋下も共倒れになる。
万が一石原・橋下連合ができたとすれば、その時こそ本当の意味での良質な政治家たちのリベラル政党が生まれるかもしれない。
そういう意味で、どっちに転んでも私は今度の石原新党結成に動きを歓迎するのである。
そのことについてもう少し詳しく説明したい。
結論から言えば、私は今度の動きはうまくいかないと思ってる。その証拠にメディアもほとんどすべて懐疑的に報道している。
今週末のテレビもこの事ばかりを特集報道するだろうが、関係者が
話せば話すほど矛盾が出てくるだろう。
彼らの第一の失敗は、十分な合意のないままにこのニュースが流れ、一人歩きしたことである。
明らかに焦りの見える亀井の先走りだ。
ここまで騒がれた以上、話がまとまらずに新党結成が出来なければ彼らは恥をかく。おしまいだ。
だから彼らは新党結成に突き進むしかない。これではうまくいくはがない。
二つ目は石原新党ができた時の国民の受け止め方である。
石原ファンは多いだろうが、石原に反発する国民も多い。決して、国民的広がりは起こらない。
国民的広がりにならない以上石原新党ができてもインパクトはない。
むしろ保守が分裂して保守党たちの混迷につながる。
三つ目に、これが最も重要なところだが、橋下がどう対応するかだ。
石原新党が唯一広がりを持つ可能性があるとすればそれは橋下と組む場合だ。
しかし、結論から言えば私は橋下は石原新党に合流する事はないと思う。
もし橋下が石原に合流したら橋下もまた終わりになる。
なぜか。
石原新党は石原自身が公言しているように極右の保守イデオロギーを優先する政党である。経済問題の違い(増税賛成か反対か)などは二の次であると石原自身言っている。
こんな馬鹿な事を言っている政党に橋下が合流すれば、橋下もまた極右のイデオロギストであるということだ。
しかし橋下に大阪市民や国民が期待していることはそんなことではない。
暮らしの立て直しだ。国民生活をここまで苦しくした政治、行政の無駄、無能に対する改革だ。
橋下改革に対する期待が続くためには、彼があくまでも地域政党にとどまり、地域から日本を変える、地域から国民の暮らしをよくしていく、ということを訴え、実践する事しかない。
それをやらずして、右傾化教育の徹底や、中国、アジア敵視のような事を石原と一緒になって言い出すだすようでは橋下は終わる。
私は橋下は馬鹿でないから石原新党にもろ手をあげて合流することはないと思っている。
こうして橋下に振られた石原新党はますます色あせたものになる。
これが私の見立てであるが、4番目として、万が一私の見立てが外れて石原・橋下連合の石原新党が出来うようになると確かに大きな
政治の流れができる可能性がある。
その場合は石原首相、もしくは橋下首相の政治がこの国に生まれるかもしれない。
しかし、そうなればそうなったで、私はこれを歓迎する。
なぜならばその場合は、この国のリベラル派の危機感が高まり、この国の政治の中で、いままでには考えられなかったリベラル政党が生まれる可能性が出てくるからだ。
それは決して共産党や社民党の復権ではない。
共産党や社民党では国民はついていかない。
石原・橋下連合に一蹴されて終わりだ。
そうではなくて、イデオロギーにとらわれない真のリベラル政党が生まれた時、それがたとえ小さな政党であっても、その質、実力において
石原・橋下連合に負けない力強いリベラル政党になる可能性が高い。
そしてそのようなリベラル政党こそ、私がこの国の政治に望むものである。
果たしてそのような政党を率いる人物が出てくるのか。その人物とは誰か。
それを考えることもまた面白い。
もし、石原・橋下連合が出来てもそれに対抗するリベラル政党がこの国に生まれないようではこの国はおしまいだ。
この国の国民は所詮そのレベルだということだ。
それはそれで一つの発見であり、確認だ。
決して無駄ないことではない。失望することでもない。
主役はあくまでも我々国民一人、一人だ。
その思いを強めてこの国の政治に向かい合っていけばいいだけの話だ。
以上述べてきた多くの理由により、私は石原新党結成の動きを心から歓迎する。
どう転んでも面白い。
この私の考えはきょうの植草氏との対談でも話し合ってみたい。
了
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