里山の奥で咲いているので在来種かと思いがちですが、これ中国原産の帰化植物なんですね。栽培種が野生化したものだそうです。シャガとおんなじ様なもの。八重ですからヤブカンゾウです。ノカンゾウは一重といいますが見たことがありません。すぐ傍にクルマユリやコオニユリが咲いています。それと比べるとやはり一級落ちますね。
花は大きさや色具合からクルマユリによく似ていますが、花弁に黒い斑点があるかないかで簡単に区別できます。この公園で今2種が咲いていますが湿地にはコオニユリ、林の中はクルマユリとテリトリーを分かちて住み分けしています。
クルマユリはやはり涼しいところを好むのでしょう。林の半日陰のところに点在しています。名前は基部の葉のが輪生していることによります。
高山に生育する種とこの低山の種は同じものかどうか・・。見た目は同じようでもDNAには差があるのでしょうね。
高山に生育する種とこの低山の種は同じものかどうか・・。見た目は同じようでもDNAには差があるのでしょうね。
これはイネ科の植物の花です。湿地などに普通に見られるチゴザサ。別種でチゴザサというのがありますがこれは水田雑草として厄介者のほう。花はとても小さいのですが写真でアップで見るとそれなりに美しさがあります。紫色のは雌花(といっても花弁ではありません)、雄花が(葯)があるのですがまだ出ていないのか分かりませんね。丸い粒状のものが小穂で雄花(葯)と雌花(蘂)が格納されています。
先日は望遠でとった花の写真でしたが、今日は大接近して撮りました。やさしく清楚な感じの花が人知れず水面に咲いています。ここを訪れるポリネーターは何なんでしょうね。誰のための美しさなのか・・・ふとそんなことを考えてしまいました。
先日気づいたミズオオバコ、気になってもう一度見つけた周辺を散策。少しまとまって生えているところがありました。水の中の葉の様子がなんとなく分かります。水面が開放されていないと生育できない種ですから、浮き草などが留まらないような緩い流れがあることが必要条件のようです。
ミズオオバコの生えている湿地の片隅に大型のカヤツリグサが生えています。アブラガヤとこのウキヤガラ。一見似ていますが、花序の柄が少し短いので花全体があまり垂れ下がることがなくまとまっています。よくトンボが止まっていてほとんど注目されない植物ではありますが、湿地の景観には大切なものだと思っています。
珍しい水草です。ミズオオバコの花。三枚の花弁からなる花が水面から出て咲いています。あいにく岸から離れていて水中の様子がよく分かりませんが、葉がオオバコの葉に似ていことから付けられたものです。レッドデータブックに記載される種で、里山の池や沼の開放水面下に時たま生育しています。このままこの湿地が維持管理されると良いですね。
先日のオオカモメヅルの仲間のシロバナカモメヅルも咲いています。これもとても小さいので目に付きにくい花です。つる性の草で何かに巻きついている垂れ下がりながら咲いていますから、歩きながらの光に透かした姿が一瞬目に飛び込んで来たときにその存在が分かります。両種のカモメヅル、葉の形だけではなかなか判別できませんが花の色でその違いがよく分かりますね。実の形はそっくりです。ガガイモ科。(少し早いのでしょう、まだ実はありませんでした)
山の道路わきなどにアワダチソウなどと一緒に生えていますから帰化植物かと思いがちですが在来種のようです。名前もどことなくあちらもの。有毒植物扱いをすることもあるのですが噛むととても苦いのだそうで、「頭がクラクラする」というのが名前の由来とか。そうか・・・。でも味わう気にはなれません。帰化植物のイタチハギ(クロバナエンジュ)よりは花も性質も可愛い感じですね。
5月白い花で埋め尽くされた里山の谷に今は赤い実が目立ち始めました。ヤブデマリの実です。ムシカリやガマズミに似た感じですがこの実はやがて黒く熟します。それまでの彩ですね。ちょうど色彩が少なくなっているこの時期ですから森にとっては貴重な存在。そして、森のアスチルベ(トリアシショウマ)の白い花との競演でなかなかいい雰囲気をかもしています。この雰囲気をいただけるのは訪れた人だけの特権ですね。