■The Power Of Love/Huey Lewis & The News
from「バック・トゥ・ザ・フューチャー/Back To The Future」(1985年・アメリカ)
監督=ロバート・ゼメキス
主演=マイケル・J・フォックス リー・トンプソン
ご存じマーティ・マクフライ君がマッド・サイエンティスト?のドグと時空を超えて大活躍する80年代を代表するヒットシリーズ。デロリアン号が炎の轍を残して走り去る姿とマイケル・J・フォックスのスケボー姿は忘れられないですよね。リー・トンプソンもこれでブレイクしたっけ。
現代と過去の物語だけに、時代感覚を出すために音楽は重要な要素。プロムのパーティで流れる50Sのダンスナンバーも素敵だった。それに何と言ってもギタリストの負傷でマーティに代役が回ってくる場面は音楽ファンには最大の見せ場。ロックンロール前夜の時代に Johnny B. Good を演奏するマーティ。しかも負傷したギタリストがチャック・ベリーのいとこだったというオチまでついて、楽しくて仕方ない。それにマイケル・J・フォックスのステージアクション!。チャック・ベリーのダック・ウォークや、エディ・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法まで見せつけて実にかっこいい。「君たちにはまだ早かったかな・・・」そりゃそうだ。NHK教育を見ていたら、とある若いギタリストが子供番組に出演していて「何でギターを弾こうと思ったの?」との問いに
「「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観たから。」
と答え、あのステージアクションを真似してみせていた。おいおい、子供番組だっちゅうねん。でもその気持ちよーくわかります。
さて主題歌担当は、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース。映画主題歌を手がけるのは初めて。アルバム「スポーツ」のヒットの後だけに、The Power Of Love はメガヒットとなった。50Sにも80Sにも通ずるアメリカン・ロック、ということでの抜擢だったとか。ロケンロールは不滅ですな。シンプルなギターリフと四分音符のシンセブラスが印象的。当時コピーした人多かったろうな。彼らはもう一曲、Back In Time を提供している。サントラには他に、フリート・ウッドマックのリンジー・バッキンガム(Time Bomb Town)、エリック・クラプトン(Heaven Is One Step Away プロデュースはフィル・コリンズ)が楽曲提供。アラン・シルベストリのスコア、あのホーンのフレーズを聞くとワクワクしてしまう。
この映画は複数のサスペンス要素が絡んでいるから、他の似たような映画よりも面白い。いかにして現代に戻るのか?というハラハラ、自己の存在を賭けて親同士をカップルにするというドキドキ。写真から自分が消えていくSFXは不思議な説得力がありました。本当によくできたシナリオだし、ロバート・ゼメキスがこれを上手にテンポよく演出している。物語の本流ではないけれど、この映画の根底にあるのは家族愛。ファミリーをもう一度見直そうとする風潮や映画は、ロバート・レッドフォードの「普通の人々」以来、80年代にはときどき登場していた。そうした世相が反映されていたという分析もあるかもね。いずれにせよ、それも愛の力。
※Huey Lewis & The News関連の歌が聴ける80年代の主な映画
1984年・「ワイルド・ライフ」 = Walking On A Thin Line
1985年・「シュア・シング」 = The Heart Of Rock And Roll
1985年・「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 = The Power Of Love / Back In Time
1985年・「マイナー・ブラザース」 = In The Nick Of Time
(Huey Lewis・作詞のみ/作曲Ry Cooder・歌Patti LaBelle)
1986年・「禁じられた恋」 = Heart Of Rock And Roll
1988年・「オリバー ニューヨーク猫物語」 = Once Upon A Time In New York City
Huey Lewis & The News - The Power Of Love (Official Video)