■Up Where We Belong(愛と青春の旅立ち)/Joe Cocker & Jennifer Warns
from「愛と青春の旅立ち/An Officer And A Gentleman」(1982年・米)
監督=テイラー・ハックフォード
主演=リチャード・ギア デブラ・ウィンガー ルイス・ゴセット・Jr
"Endless Love" や "Almost Paradise" など、80年代の映画主題歌には大物デュエットが多数あるが、この"Up Where We Belong"はその代表とも言える名曲。いまやスタンダードナンバーとも言える曲で、ウェディングソングとしてもかなり使われているだろうし(特に僕らくらいの世代)、96年にはビービー&シーシー・ワイナンズ兄妹によるカヴァーもあった。そしてバズ・ラーマン監督の「ムーラン・ルージュ!」ではメドレーの中でラブソングのひとつとして歌われている。
「愛と青春の旅立ち」本編の音楽、主題歌の作曲はジャック・ニッチェ。そもそもポピュラーミュージック界で活躍していた人でローリング・ストーンズやニール・ヤングとの仕事も知られている。歌っているジェニファー・ウォーンズは、「ノーマ・レイ」、本作そして「ダーティ・ダンシング」の3曲の映画主題歌がオスカーを獲得。ジョー・コッカーは "You Are So Beautiful"(名曲!) でも知られているイギリスのシンガーだ。この映画のサントラは、2人が歌う主題歌以外にもなかなかの曲目が。リチャード・ギアとデブラ・ウィンガーのラブシーンで流れる、テーマ曲のインストロメンタルは、リー・リトナーのギターがフューチャーされている。こちらも雰囲気十分。他にはパット・ベネターの "Treat Me Right" やダイアー・ストレイツの "Tunnel Of Love" (名曲!)などが収録されている。
映画「愛と青春の旅立ち」はリチャード・ギアの代表作。「アメリカン・ジゴロ」でアルマーニを着こなしていたセクシーなギアが、一転軍服で汗と雨と涙にまみれて「僕には帰るところがないんだー!」と叫ぶシーン泣けましたよね。そして何よりも感動的なのがラストシーン。男のコは鬼軍曹との静かなる別れで泣き、女のコはデブラ・ウィンガーを迎えに工場に行くシーンで泣くのだな。それにしてもラストシーンのギアの白い軍服姿は目に焼き付く。僕らの世代にはギアというと憧れの男性スターなのだ。テイラー・ハックフォード監督作の主題歌といえば、他には「ホワイトナイツ 白夜」の主題歌 "Say You Say Me" がある。リッチー・バレンスの伝記映画「ラ・バンバ」のプロデュースも手掛けているし、音楽にはこだわりがあるのかも。
※Joe Cocker の歌が流れる80年代の主な映画
1982年・「愛と青春の旅立ち」 = "Up Where We Belong"
1986年・「ナインハーフ」 = "You Can Leave Your Hat On"
1987年・「ハリーとヘンダースン一家」 = "Love Lives On"
※Jennifer Warnes の歌が流れる80年代の主な映画
1979年・「ノーマ・レイ」 = "It Goes Like It Goes"
1982年・「愛と青春の旅立ち」 = "Up Where We Belong"
1983年・「トワイライト・ゾーン」 = "Nights Are Forever"
1987年・「ダーティ・ダンシング」 = "(I've Had) The Time Of My Life"
1987年・「ブラインド・デート」 = "Simply Mean To Me"