■Seven Days War/TM Network
from「ぼくらの七日間戦争」(1988年・日本)
監督=菅原比呂志
主演=宮沢りえ 五十嵐美穂 安孫子里香 菊池健一郎
80年代も後半にさしかかった87年。テレビCFに登場したある女の子の笑顔に、僕らはハッとした。クラスにやってきた新入生という役柄である彼女は、凛とした表情でこう言った。
「こんどリハウスしてきた白鳥麗子です。」
そう、彼女の名は宮沢りえ。この後90年以降の大活躍、写真集「Santa Fe」、力士との破談騒動・・・まさに「すったもんだがありました」(CFのコピーでもあったよね)。僕らは、次々に報道されるゴシップにドキドキ、ハラハラされっぱなしになったものさ。今や立派な女優として国内外で大活躍。嬉しいよね。
彼女の映画デビュー作が88年製作の「ぼくらの七日間戦争」である。当時15才。堂々主演って訳でもないが、理不尽な大人達に反抗する男子を応援して、最後は仲間に加わる学級委員役をきゃわいくこなしている。
この映画で描かれる当時の学校の厳しさ。校則はもちろん、ぬきうち持ち物検査、暴力以外の何でもない体罰、”オン・ザ・眉毛”で前髪を切られる女の子、始業時に閉められる校門の鉄扉、受験戦争・・・。あの時代の後、プライバシー保護やら体罰の行き過ぎ、校門が閉まったときに学生が圧死した事件が次々と問題となり、現在に至るのだ。今改めてそういう場面を見ると・・・(誇張はあるけれど)すげぇ・・・と思う。おまけに先生達が、担任は冷酷な佐野史郎、体育教師は倉田保昭!保護者を責めまくる大地康雄という布陣。
でもこの映画の魅力はそんなところじゃなくて、中学生達の青春群像。それぞれが得意なことで活躍をするのが好感だ。短い尺ながら原作のテーマはきれいに凝縮されている。これを中坊の時に観てたらきっと全面的に支持していたかもしれないなぁ。僕は公開当時既に大学生。ミニシアター映画どっぷりの時代だったし、監督の米国帰りをやたら吹聴する宣伝も気にくわなくって、この映画自体見向きもしなかった記憶がある。その年頃に観るべき映画ってあるんだよね。これもそのひとつかも。ティーン映画の気恥ずかしさを最後に飾り立ててくれるのが、我らがTM。サントラは小室哲哉が担当した。
SEVEN DAYS WAR【Motion Picture MIX】
※TM Networkの曲が流れる80年代の主な映画
1985年・「吸血鬼ハンターD」 = Your Song
1988年・「僕らの七日間戦争」 = Seven Days War Girlfriend
1988年・「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 = Beyond The Time~メビウスの宇宙を越えて~
1990年・「CAROL」 = Carol 他