◼️「劇場版パタリロ !」(2018年・日本)
監督=小林顕作
主演=加藤諒 青木玄徳 佐奈宏紀
えー、魔夜峰央作品の大ファンでございまして。「パタリロ !」「ラシャーヌ!」は白泉社文庫版で全巻揃えました。北九州市の漫画ミュージアムで開催された魔夜峰央展で、みーちゃん先生のサインもいただきました。テレビアニメは90年代にNHKがBSで放送してくれたので全話完走。僕が"殿下"と敬意を込めて呼ぶのはプリンス御大とパタリロ ・ド・マリネール8世以外にはおりませぬ。こんな父親のせいか、うちの子はMI6のスパイと言えばジェームズ・ボンドではなくジャック・バンコランと答えるのです(汗)。
なんでこんな前置きするかというと、自分の属性をはっきりさせるためww。この「劇場版パタリロ !」は、加藤諒主演の舞台劇を違った目線と演出で楽しみたい人か、「パタリロ !」上級者向けの作品に仕上がってしまっている。この映画で初めて「パタリロ !」の世界に触れるのはおすすめできない。いや無理。ディープすぎて無理。一般映画として同列で観るものじゃない。いやむしろフツーに映画と思って観ちゃダメ、絶対。
そもそも原作がBLギャグ漫画の先駆みたいなもので、それが舞台、実写映画になったから当然なのだが、とにかく男、男、男。怪しいライティングの下でバンコランがマライヒを押し倒し、タマネギ部隊は一列に並んで身をくねらせてシャワーを浴び、熱いベーゼが長い長い…。ビデオムービーみたいな映像のクリアさも手伝って、企画もののAV見てるんじゃないよね?…と我が身を疑う瞬間があったけど、クックロビン音頭のおかげで正気に帰れますw。単独の映画としてはとんでもハップンな出来だけど、オリジナルへの愛故に笑って見てられる。
魔夜峰央先生の登場、男色富豪役の西岡徳馬など驚きのゲスト陣。舞台も(コアなファン向けだろうけど)楽しいんだろうな。これを劇場映画にするなんて悪ノリです。でも原作も殿下の悪ノリ話なんでいいのかなっ。ビバ昭和!に笑い転げて、月影先生に悶絶。