オラの玄関近くの柿の木のすぐ隣にいつの間にか「エノキ」の木が伸びていた。バタフライガーデンにエノキは必須の樹木だが、先日、そこにもエノキが生えているのを確認したので、柿の木の栄養を吸っていた大木にもなるエノキは駆除することになった。そこで、オオムラサキの幼虫がいないかと念のためエノキの枝を点検したところ、伐った枝に見慣れない2本の角のある可愛らしい幼虫を発見した。
どうやら、図鑑には掲載されていないことが多い「アカボシゴマダラ」のようだった。4年前の2020年7月24日のブログに成虫を掲載したことがある。本種は、人為的に放蝶された外来の蝶で、外来生物法に基づく『特定外来生物』に指定されており、飼育・放蝶・譲渡することなどは禁止されている。
本種はいわゆる「ゴマダラチョウ」に赤い斑点が目立つ魅力的な蝶である。この蝶がオラの町にもわが庭にも侵出を確認したわけだけど、その幼虫がわが庭にいたことはすでに定住が始まっているという証左でもある。内心穏やかではないが、本音はゴマダラ風のデザインといい赤い斑点の見事さにうれしさは隠せない。
庭に来た本種に近づいても警戒感はあまりないのも人気の秘密があるのかもしれない。それ以上に、国蝶のオオムラサキのカラフルなデザインはさすがに見事だ。だから、エノキの木があるとついオオムラサキを探索してしまう。かれらの食事はエノキに限られており、春~秋までは樹上で過ごし冬になると幹を伝い地際の落ち葉の裏で越冬するというが、今までそれを見たことはなかった。
エノキには、オオムラサキ・ゴマダラチョウ・アカボシゴマダラが常連だが、競合が懸念されるため外来種が排除の対象となるのはいたしかたない。とりあえず、それぞれの幼虫の違いは背面の突起が3対か4対かということと、尾端の尻尾が開いているか閉じているかで見わける。
上の画像は、オラが愛用している小学館の『イモムシとケムシ/チョウ・ガの幼虫図鑑』からの引用だ。これほどわかりやすく図解してくれる図鑑はない。こんな図鑑がほしいとかねがね思っていたのを出版した小学館の英断に敬意を表したい。売れないのではないかと心配していたが、なんと子どもから大人まで広くヒットした図鑑となった。従来の上から目線の図鑑ではなく、専門用語を少なくし、小学生にもジイジにもわかりやすく案内してくれる昆虫愛があふれているのがわかる。