山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

現代彫刻は土石流の被災地にあった

2019-07-22 21:29:14 | 路上観察

 先日訪問した浜松市水窪町の商店街で見つけた現代彫刻。作者は「現代自然創作園」を推進しているアーティスト耳塚信博氏。上流側と下流側の橋のたもとに二対ある。

        

 上流側が「山の精」、下流側が「水の精」と名付けている。しかしなぜここに突然あるのかがわからなかった。調べてみると、1991年9月のこと、台風18号の土石流がこの付近(押出沢・オンダシザワ)の商店街を襲う。死傷者2人・全半壊8戸・床上下浸水79戸の被害だった。

 そのため、平成6年から10年にかけて総工費7億1千万円かけて平成10年6月にこの界隈を完成。

      

 この地区一帯は、「花崗岩質帯」が広がっており、「まさ土」が土石流となって崩れるという。「まさ土」は、花崗岩に含まれる鉱物が太陽熱で膨張し酸性雨と化学反応を起こして細かい砂状になる。現在では砂防工事の成果か、大雨被害は今のところない。

  

 急峻な山とまちとがつながっているが、ひとりしか通れない路地がいくつも線状に見られる。路地裏レンジャーを自称するオイラとしてはこうしたなんの変哲もない路地そのものが興味深い。ビルが乱立する都会とは違って庶民の息遣いが伝わってくるのが魅力的だ。

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火の見櫓の半鐘・信号表

2019-06-09 20:19:02 | 路上観察

 昨日散策した山里では貴重な火の見櫓2塔に巡り合った。最近はどんどん無くなっていく実情にあるが、むかしのままの火の見櫓が山里を鳥瞰していた。櫓の横には「消防信号」盤があったが、戦前のもののように見える。

 

 はっきりした「信号表」をネット(「火の見櫓図鑑」)で探してみたら、長野県富士見町に似た盤を発見。旧字体を使っているのは戦前のものだったからなのだろうか。こうした信号表もいろいろなタイプがあるようだ。

 

 櫓の「形」には、柱型、梯子型、櫓型(三本脚・四本脚)、屯所型があるようだが、この櫓は三本脚の櫓型だった。1斗缶も櫓に据えられていたので「この一斗缶は何のためにあるの?」と地元の人に聞いたら、「半鐘を叩くバチを入れておくものだ」と言う。謎が解けた。

         

 立派な半鐘が吊るされていた。最近はこれらを盗む輩が横行しているのが残念。この半鐘は、「双盤(ソウバン)」という楽器でもあるようだ。隣の森町に「山田七郎左衛門」という中世から存続する鋳物師がいる。家康から「駿遠(スンエン)両国鋳物師惣大工職」の朱印状を授与されているように、この地方で鋳物の独占的な製造・販売を行っていたようだ。

 ということは、この半鐘も山田七郎左衛門のものに違いない。9軒しか残っていない山里(大正9年・42戸)だが、木立に埋もれるようになった火の見櫓もそんな歴史の一端を内包している。 

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これならひと月分くらい新鮮に保存できる

2019-05-25 20:33:55 | 路上観察

 山奥の集落に行ったらこんなものに遭遇する。冷凍庫?冷蔵庫?横に「新聞受」と書いてあった。これなら長期間出かけていても安心。古い日付でも新鮮なままで新聞を読めるわけだ!?

 さらに、宅急便も留守中でも受け入れ可能だ。これは数年前から話題の通販受入れ方法についてのかなり先駆的な代物だ。場合によってはチルドでもOKさ。郵便屋さんも遠くに郵便物を持っていかなくて済む。数十年前にも似たようなモノを発見したことがあったっけ。

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さりげない木造トイレがいい

2019-02-04 21:21:39 | 路上観察
 歯医者の帰り、浜松市の二俣町を歩いてみる。尿意をもよおしたのでトイレを探していたらありました。さすがに交通の要衝だね。公衆トイレがあるなんて。それは「本田宗一郎ものづくり伝承館」の裏にあった。偶然、看板が目に入ったのだ。その入り口では地元のバアバがこまめにお掃除をしていた。

  
 ローカル線の場末の木造トイレのような雰囲気だったが、とんでもない、天竜材をふんだんに使った木造建物の迫力に感心する。格子の角材といい、入り口の斬新なデザインといい、建設当時はモダンな建物だったに違いない。ひょっとすると、旧役場のトイレだったかもしれない。トイレの内部にはローバイの香りが充満していた。掃除をしていたバアバが知り合いからいただいたロウバイを生け花にしたものだった。文化財が豊富な二俣だが、このトイレを注目する人はなかなかいないように思う。 

      
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捨てればゴミ、生かせば資源

2019-01-29 02:38:24 | 路上観察
 大きなマンションのゴミ収集所。連休ともなると大量のごみが溢れる。それは同時にカラスにとっては絶好のチャンスだ。鍛えられた野生の感性は人間の中途半端な隙を逃しはしない。いつの間にか周りはゴミが散乱し放置されたままだ。誰が片づけるのだろうか。

              
 そこからしばらく歩くとトラックなどの駐車をふせぐためのガードレールが設置されていたが、その隙間は格好のゴミ捨て場所となっていた。人間の心理によれば一度そこにゴミが投棄されると次々繰り返される。だから住民の断固としたクリーン作戦が試されるわけだ。日本は人間の社会的孤立の実態では世界1位だという。子どものいじめ・高齢者の孤独・青年の自殺など一皮むけば日本的「おもてなし」の実態が暴露される。その意味では、地域コミュミティの構築が問われる。グローバルな競争原理の残酷さに異議申し立てをする所作を積み上げなければならないね。
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もう一方の街路灯はメイン道路にあった

2019-01-25 22:33:07 | 路上観察

 横浜・二俣川銀座商店街と並んで厚木街道と「運転試験場通り」とのメイン道路沿いに「二俣川商栄会」の商店街がある。そこの街路灯は緑と橙色の二つの光源が開花していた。この形はスズラン型というか、比較的よく見られるタイプのように思える。交通量が多いのでやや地味な街路灯ではインパクトがいま一つの気がする。まわりには、駅ビルを中心にスーパー「ライフ」・ドンキホーテ・山田電機などの大型商業施設が競っている。その意味では、控えめな街路灯がいじらしいともいえるかも。商店街の周りはいかにも中流サラリーマンの新しい住宅が軒を並べている。かつての原野はいま、交通の要衝として爆発的に開発され都会の喧騒をますます拡大しつつある。

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おしゃれな石のベンチ

2019-01-24 13:04:13 | 路上観察

 横浜・二俣川銀座商店街の場末の遊歩道におしゃれな石のベンチがあった。その形は音楽記号の「フォルテ」を意識しているのだろうか、それにしても石の硬さを和らげる曲線の造形が生きている。座る所は黒の御影石だろうか、石の種類を変えているのも効果的だ。

                    

 その隣には背もたれの石のベンチもあった。階段のような、荷物置きのような、多用途を想起するデザインが斬新だ。さすがに横浜らしいフットワーク豊かなポケット公園だ。ただし、それを受け止める地域の感性の奥行きがあるとより生かされるのだが。座る側としてはやっぱり木製の方が暖かいのは間違いはない。

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福祉と快適さをめざす商店街の街路灯

2019-01-23 15:46:41 | 路上観察

 横浜市二俣川に行った。以前、原野にポツンとあった自動車教習所に免許の更新などで通ったことがある。しかし今では大きな県立病院や学校もあるうえに市街への通勤住宅街となっている。相鉄線の急行も止まる。大規模な再開発がすすんだその街中の入り口に「二俣川銀座商店街」の立派な街路灯があった。そこには音楽記号の「フォルテッシモ」のモニュメントも迎えてくれた。このイタリア語は、「力強く前進する」という意味合いがあり、商店街の心意気が込められているようだ。ここまで商店街をまとめていくにはそれ相当の困難があったに違いない。

                          

 2006年、商店街を走ったトラック上のパワーショベルのアームが電線に引っかかり、そのため街路灯が倒され近くを通っていた1歳の少女が下敷きになり死亡する事故が起きた。そのこともあり、安心安全のまち・商店街をめざすとともに福祉のまちづくりを標榜する。そこで、街路灯をLEDに切り替え,目の不自由な人の目線に合わせた光源も設置している。さらには、段差解消のためにバリアフリーのカラー歩道も整備した。街路灯はその商店街・地域の特徴を表現することが多いが、そのへんの説得力は残念ながら伝わってこない。また「フォルテ」は音楽の街にしたいのかとも思えるが、そこもコンセプトが浮遊している。しかし、行政の強力なバックアップもあり、街路灯の緑・紫とカラー舗装歩車道の褐色の色合わせ、その石畳の軽やかさが快適な環境と好感度を誘ってくれる。

 

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プレミオはコロナの後継車だった

2019-01-14 21:31:53 | 路上観察

 トヨタカーの「プレミオ」のエンブレムは瞬時にはわかりにくい。そのロゴをしっかり見ると「P」の頭文字であるのがやっとわかる。「コロナ」の後継車として2001年から販売されている人気の車種だ。ゴールドのエンブレムの英文字の「P」は無地のようだ。

          

 同じ「P」の英字だが、こちらはシルバーのようで、「P」の内側は小さな点で刻印され散りばめられている。「プレミオ」とは、スペイン語で優れたものに送られる「賞」という意味で、英語だと「プレミアム」をとなる。同じエンブレムを比較して初めてその違いを知るところに意外性がある。どうでもいいことだけど、そこにデザインした作者の思い入れが込められている。

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千葉市のマンホールを観た

2019-01-10 17:57:33 | 路上観察

 千葉市に行ったときにたまたま発見したマンホール。ノンカラー版で、中央に孤を描く円は6つの「区」を表す。同時にそれは交流と情報発信基地を意味するコミュニケーションマークでもあるという。そして三つの大きな円環それぞれのパートに千葉市のシンボルの区分がされている。下水である「合流」槽が漢字で明記されている。

 

             

 同じデザインでもホワイト版を発見。こちらはひらがなで「おすい」と明記されている。古代の蓮の種を復活させた大賀博士にちなんだ「大賀蓮」の花(市の花)を周りに配置。次に海岸にやってくる希少種の渡り鳥「コアジサシ」(市の鳥)、コーヒー豆みたいな葉なのだろうか市内でいちばん多いケヤキ(市の木)を配している。

        

 青・ミズ・桃・白の4色カラーを使った「おすい」のマンホール。どうもケヤキのデザインに苦労しているようだ。ケヤキの姿は万歳型の立派な容姿をしているので林にしてしまうとケヤキらしさを失う。が、大賀蓮のデザインは成功している。

        

 黄・赤・水色カラーの消火栓マンホールも発見。上の方には「千葉県水道局章」の水マークがあり、中央にはしご車を大胆に描いている。多くのマンホール消防車は左向きが多いので右向きは希少種か?しかも、ビル街を背景に描いているのも珍しい。このところカラー版マンホールがはやりになってきてまちを歩く楽しみが増えてきた。とはいえ、中山間地に住んでいるとマンホールに出会う機会がないのがとても残念。 

    

   

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