一昨年あたりから、近くで美しい声で啼く野鳥がいた。イカルやクロツグミの声に似ているがどうも違う。しかも、いろいろな啼き方をするので人間が攪乱させられてしまう。なにしろ、いつも藪の中で啼いているから姿もわからない。
それがそれがなんと、藪からではなく畑から聞こえてくるではないか。どうも、仲間との交信に夢中のようだ。愛のささやきだったか。だから、そおっと近づいていっても気が付かなかったようだ。画像を大きくしたら見覚えのある野鳥だった。白い眉が特徴的な中国原産のガビチョウ(チメドリ科)だった。
ガビチョウは江戸時代からペットとして輸入飼育されていた。その後、1970年代の飼鳥ブームで人気となったが、1980年代以降は人気がなくなり、大量の在庫を抱えたペット業者が放鳥したため野生化していったらしい。さらには、啼き方が大きいので騒音を出す害鳥とも言われてしまった。ほかの野鳥の物まねも上手なくらい器用なタレントでもあり、オイラには騒音とは思えないが。
しかも、日本の侵略的外来種ワースト100種にも指定されているが、当面は大きな害は報告されていない。野鳥図鑑にも掲載されていないことが多い「日陰者」だ。とは言っても、元気で美声の声の主が解明されたことがまずはうれしい。