昨年からだが、見慣れない樹木が成長していた。葉が異常に大きいので、「桐」ではないかと見当を付けていたが、今年もやや大きい葉がついていた。植えた覚えはないのに、これはどうしたわけだろうか。 当局に聞いたところ、やはり「桐」であることが分かった。桐の果実は極めて小さい。丸い莢に種が数千個も入っているという。
若い葉や柄にはビロード状の産毛があった。これも初めて知った感触だ。だから山里が貴重なのだ。むかしは、娘が産まれると桐の木を植えて、お嫁に行くときこれを伐って箪笥にして持たせたという。その種には翼があり、一度には放出しないで長期間にわたって散布する。その一部がわが山にやってきたのに違いない。
そのそばに、なんと「柿」の木が2本出ていた。こちらは種が重いので風で飛んできたとは考えられない。よく見るのは、狸の糞に柿の種が結構混じっていることがある。きっとこれに違いないが、ひょっとすると、生ごみの中に混じっていて、それを肥料として撒いてしまったことも考えられる。いずれにせよ、甘柿か渋柿か、品種は何か、定かではない。
それがわからないのが面白い。実ができてからのお楽しみだ。こうした桐や柿だけではなく、梅や柑橘類それに楓・栗も芽が出ていた。さて、10年後あたりは森になっているかもしれない。オイラは存在しないかもしれないけど、それは本望でもあるが。