周りに咲いていたアジサイはそろそろ終盤の兆しだが、ノリウツギの純白の花は健在だ。開花が長いのがうれしい。しかしながら、その近くの葉が食べられていたり、ひどいことにいくつかの若い枝が折られていた。
この折られ方からすぐに犯人はシカであることがわかる。防獣網がまだ半分しかできていないことをいいことに、秘かに侵入したらしい。幹がある程度太くならないと食害が続く。先日は隣に植えたカボチャの若い苗の葉をすべて食べられてしまったり、苗を引っこ抜いたりされたこともあったばかりだ。
さらに、若い梅の樹もたびたび葉や枝を食べられてしまい、成長が止まっているままだ。梅は侵入して一番先に食べたようだ。それでも梅は、懸命に葉を伸ばしているのがいじらしい。なんとか防禦をしたいところだが追いつかないのが実情だ。
そのうちに、近くの桜の葉が食べられてしまった。何度も食べられていたので、ブルーシートで仮の柵で防禦したものの、桜の成長が著しく、飛び出た葉や枝を食べられてしまったのだ。そのためやっと当局は、重い腰をあげて防獣柵を広げたり、高さをかさ上げしたり、相変わらずの目先の対策しかやってくれない。
ブルーシートを外すと、食べられている所とそうでない所が明確にわかる。今までさんざん被害にあってきたので、逆によくここまで成長してくれたなと感心するばかり。
ここ数日間は、その対症療法的な防獣柵で今のところ被害は収まっている。山に近いわが家は害獣の被害は頻繁だが、平地で住宅がすぐ近くにある近隣でも最近はシカの出没が重なったようで、防獣柵を設置し始めた。
2010年、名古屋で開かれた生物多様性条約に関する国際会議で、「里山イニシアティブ」が採択された。従来の自然観は人の手が入らないような純粋な自然保護を主流とする欧米型から、人間と自然とを対立させないでその共生を取り組んできた日本の「里山主義」が注目された。それは害獣と人間との境界がそこそこ守られてきた経過がある。その意味で、里山の復元に着手していく方策が必要なのだがねー。