ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

疑う者はバカを見る!そうか、コロンブスの卵だったのか!

2016-05-22 09:12:30 | 農業

 田植え、2日後に迫った。田んぼからいつ水を抜くか、お天気と相談しながら決断する。今年のようにガンガンに晴れまくってる時は、殊のほか難しい。早く落とし過ぎればがちがちになって、植わるはずの苗がコロコロ転がってしまって、あとからすべて植えなおし、なんて惨めな事態にもなりかねない。手植えの田んぼもあるってことがますます判断を難しくする。我が家の20畳間田んぼ2枚と、水管理を頼まれているIさんとTさんの田、計4枚の水をかけ引きする。山添の笊田なので、早く水を落とせば乾き過ぎ、遅ければ水たまりができて、線引きができず植えにくい。日に何度も見回りして、水の引き具合を確認する。気を使う作業だ。

 もう一つの厄介ごと、田植え機用の苗をプールから引き揚げ乾かすこと。水に浸かったままのポット苗は土がぼろぼろで機械が受け付けてくれない。乾燥させない程度に水分を抜くため、2日前くらいからプールから出す。今日明日、快晴だって話だし、真夏日になるって予報も出てるので、これまた水やりに気を使う。が、さらにうんざりの難事が待ち受けている。

 それは、ポットから下に張り出した根っこの処理だ。びっしりと伸び広がり苗箱の底を覆いつくす。互いに強固に絡み合っているで、これまた田植え機が悲鳴を上げる。もったいない話だが、真っ白に生え広がった根を切り刻んでやる必要がある。そう、1枚、1枚!120枚も!苗箱を立て裏面のポットの列にそって縦横鎌を入れて根っこを切断する。まったくもうやりきれないことこの上ない。なんとかならないものか?農機屋さん、なんとかしてよ。

 ある、って言うんだ、解決方法が。ビニールの上に紗幕を敷いてその上に苗箱を並べればいいという。ええーっ?本当か?そんなんで、上手くいくの?紗幕が底にあったって、根っこは知らんぷりして伸びるでしょうが。どう考えても、成功の見通しが想像できない。かえって紗幕に根が絡みついて大変なことになんじゃないの?でも、せっかく教えてくれたんだから、半分だけでもやってみっか。ということで、コシヒカリだけは紗幕を敷いて苗箱を並べた。

 さて、結果や如何に?ああー、やっぱり根っこは伸びてるよ。抑制効果なんてまるでない。しかも紗幕の下に伸びはびこって大変なことになってる。農機屋さんと言えども、やっぱり無理か?仕方ない、ともかく紗幕から引っぺがしてプールから出さなくちゃ。紗幕にまとわりついた根を強引にはがして箱を持ち上げる。

 あれれっ?!あっ、根っこが紗幕の方に残ってる。もちろん、箱の下にも根は張り出しているが、根っこ同士が絡み合ってはいない。あっ、そうか!こういうこだったんだ。根が張らないってことじゃなくて、横に絡み合う根が紗幕のお陰でこそぎ取れるってことだったんだ。なーるほど!鎌で根を切り裂く作業を紗幕が代わりにやってくれるってことだったんだ。これなら納得!ただ、引きはがすだけで、根っこの除去切断作業から解放されるってことだった。なるほどなるほど、コロンブスの卵だ。解決方法って言えば、根っこを伸ばさないことだとばかり思い込んでいたが、伸びた根を一気に引きちぎる作戦だったんだ。さすがは農機屋さん、お役立ち知識はツボをしっかり押さえていた。

 これなら、ヒトメボレも紗幕を敷くんだった!って、遅いんだよ。

 疑う者はバカを見る。渋々、これまで通り根切り作業に半日を費やした。発想の転換、コロンブスの卵、身に沁みました。

 

 

 

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ダンス初レッスン:シニア5期生

2016-05-21 09:19:37 | シニア演劇

 5月8日に開校したシニア5期生、3回目の稽古はダンスレッスン。ようやく7人全員そろっての稽古となった。意気込み感じるなぁ。今年のメンバーは平均年齢68歳と、一気に急上昇したので、なにかと心配していたが、声も出る、姿勢もよい、体も柔らかい、記憶力も?これはまだわからない。さて、ダンスの方はどうかな?

今年も教えてくれるのは鏡真知子先生。半年ぶりのレッスン風景だけど、なんかさらにスリムにしなやかになって20代?と見紛うほど。11月本番で踊る曲、まだ決まっていないので、みっちりストレッチをした後、簡単なステップから講習に入った。まずは歩く、横にステップ、次にスキップ、さらにターンを2つほど、たったこれだけの基本動作を組み合わせて、もう早くも簡単なダンスが組みあがった。教え方も、たくさん褒めて拍手して、生徒たちを気持ちよく導いている。日ごろからご自身の教室でたくさんの子どもたちを指導しているせいなのだろう、苦手な人にも常に心配りをして気持ちを引き寄せている。見習わなくっちゃ。

 シニアたちの適応力もなかなかのもの。これまで4期のメンバーに比べてまったく引けをとらない、というより、全体のレベルは上かな?まったくのダンス音痴?って人がいない。動きがぎこちなかったり、ステップの覚えが遅いって人は確かにいるが、最初だもの、無理はない。これから続けていけば、11月には見事な踊り手になることだろう。最高齢85歳の男性も社交ダンス現役とあって、颯爽とステップを踏んでいる。 

 簡単な動作を組み合わせたダンス、最後にラストのポーズも作ることになった。それも、2人組で仕上げ、次は4人で、さらには全員で仕上げのポーズを考える。まだ出会って間もない、名前さえよく知らない人たちが、どんどん話し合ってたった数分のうちに決めポーズを完成させた。

 チームワークの良さ、コミュニケーション力の高さ、創造力、どれをとっても、このメンバーの可能性の高さが感じられて楽しくなる。かなりハイレベルなダンス、舞台も無理なくこなしそうだ。よしよし、それなら、こちらも覚悟があるぞ!

 全員が楽しくレッスンを終え、一人一人の充実した表情を見るにつけても、年齢って人それぞれ、実年齢より正味年齢なんだよな、ってことを改めて実感。平均年齢上がって心配?なんて先走った僕、反省いたします、はい。

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無駄な時間は許せない!

2016-05-20 08:55:07 | 暮らし

 待ち時間とか、暇つぶしていうのが苦手だ。すごく損した気分になる、というより、そんな時間が許せない。町に出かける時でも、一度に2つ3つの用事は済ませるよう心がけているって話は以前書いた。食事の支度でも、常に幾つかの作業を同時進行させるべく頭をひねっている。食卓に運ぶ時には、片手にごはん、片手に主菜、指には箸を挟み、できれば小皿も一緒に、と、二度手間、三度手間を避けるよう気配りしている。なにも廊下を渡って別室に運ぶというわけではない。調理場と食卓とは、たかだか数歩の距離でしかないのにだ。ともかく合理的に、無駄なく時間と労働を節約したい。職場からも退き、有り余るというほどではなくても、時間にゆとりが生まれた今となってもこの性向は改まることはない。

 このところの時間使用について悩みの種は、育苗プールの水補給だ。3年間も使い続けているビニールのこと、どこからから水漏れするらしく、1日持つのがようやっとだ。なので、朝一番の仕事は、このプールに水を満たすことになる。実に単調な仕事だ。蛇口をひねり、ホースの先をプールに突っ込んでおくだけのこと、満水になるまでの5,6分、ただ待つしかない。一つが終われば、次のプールホース先端を入れ替え、さらに待ち時間。プールは6つ、30分近い退屈な作業?が続く。

 明らかな無駄時間!さて、どうしてくれよう?道路を渡って畑に行き、イチゴ畑の草むしりをしたこともある。田んぼの水を見に行ったこともあった。しかし、どれも別作業への行って帰ってが煩わしい。しかも、起き抜け、あまり動きたくはない。そこでたどり着いたのが、究極の暇つぶし!新聞読む、ことだ。配達された新聞を持ってハウスに行き、水を出したらやおら紙面を開く。いくつか記事を読み終えれば、ホースの先を入れ替え、さらに別の面を広げる。これならその場から離れることはないから、水を出し過ぎて溢れさせるなんて心配もない。ただ、水を気にしながらの立ち読みなので、読解力はおぼつかない。スポーツ欄や三面記事なら問題ないが、政治、経済面や評論的なものになるとお手上げだ。紙面をなんとなく追うだけのことに゜なってしまう。まっ、こんな弱点はあるものの、注水期間の無駄時間の活用としては、これ以上のものはないようで、今日も、朝飯前、ハウスの中で新聞は読み終えた。

 せっかくたどり着いた究極の無駄時間制圧法も、今日で終わり、明日からはプールから水を落として田植えの準備に入る。水に浸かったままの苗は、根回りの土が固まらず田植えに支障を来すからだ。ここらがポット苗の難しいところではあるが、その分、移植後の生育はぜったいだ。わずか2週間程度のプール注水だったが、無駄なく無理なく時間節約を行えたので、心は極めて穏やかだ。そう、苗の生育も順調だしね。

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認知症サポート講座コントIn川西中学校

2016-05-19 07:48:09 | コント

 川西町内の小中学校での認知症サポート講座、始まった。まずは、中学生、2年生全員百数十名が対象だ。コント初戦としては、ちょっと手強い。小学生はたわいもないことでも喜ぶし、高校生となるとお付き合いで笑ってくれたりするから、まず役者も気楽に、そうでもないか、演じることができる。それが、中学生となると、何がおもしろいな?ってけっこうシラーっとしてるし、笑いのツボもオジサンたちとはかなり違うし、うーん、難しい!

 と、不安を抱えつつの本番。台本に駐在さん参加シーンを作ってまだ1週間、本物の駐在さんとは初対面、開演20分前に台本渡して1,2度合わせて、いざ生徒の前に。なかなか出たがりのお巡りさんのようで、おバカなセリフもまんざらでもなさそう。さすがにわずか10分間でセリフを覚えきるのは無理だったようで、手の甲にカンペを刷り込んで出に臨んだものの、何気なくカンニングというのも、初とあって上手くいかず、しばし緊急停止の瞬間はあったが、そこは本物のお巡りさん、観客の生徒たちも好意的に受け止めてくれていた。

 コントの出来は?コント終了後の公演で、講師の役場職員が、コントの内容を巧みに引いて話を進めてくれたので、認知症サポートコントとしては、まず及第点。徘徊ややたらな排便、強度の健忘、過度の興奮など、痴呆症の症状をコントで見てから説明を受ければ子どもたちも分かりやすかったんじゃないかな。対応についても、静かにやさしく敬意を持って接するなどの基本を織り込んであるから、認知症の理解を深める前段としては好適な内容だったと感じた。

 さて、問題は笑いの方だ。子どもたち向けに、仕込んだ中華饅ネタはくすくす笑い、変身!は爆笑、マツコデラックスはすべった。どうかな?と心配だった、バカじゃなぁぁい!ネタ、語尾を上げ下げすることで、バカではないという意味から、バカなんじゃないか、に変わるという言葉遊びだったが、これが大いに受けた。よしよし。意外に不発だったのはズボンを下すその場でうんちポーズが受けなかったこと。これは、演じる位置まずかったこととズボンの下ろし方が不徹底だったことが原因だな。でも、全体としては、まず笑いも起こり、お巡りさんの生出演という意外性もあり、内容を別にしてコントとしてもまずは合格だったと思う。

 これからさらに町内全小学校、置農、地区老人会等、19回の公演が続く。いずれも菜の花座公演の直前ということで、役者にとっては厳しいが、それもよい経験になるはずだ。そして、こんだけやれば、嫌でも町内での認知度は高まって行くことだろう。認知症コントで認知度向上!おっ、なんか駄洒落ぽくていいぞ!

 

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菜の花プラザシニア団公演台本『クロスロード:人生の岐路』完成!

2016-05-18 13:06:10 | 演劇

 自ら科した締め切りを一週間超過して、ようやく完成、タイトルは『クロスロード:人生の岐路』だ。クロスロードだけでいいかとも思ったが、具体的なイメージが湧きやすいように、副題を付けた。重複の感なきにしもあらずだね。

 ずばりタイトル通り、過去の何度かあった人生の岐路、そこでやり直しが効くならどうだろう?ってお話しだ。老いさらばえたダンサーが過去の決断の時に舞い戻る。案内するのは時空案内人・エトランジェクーリエ、時渡。大がかりなタイムマシーンなんてない。あるのはちっぽけなタイマーだけ。20年前、30年前、そして最後は15歳のせつない別れの時にたどり着く。彼女が引っかかっているのは、騙された過去だったり、仲間を傷つけた悔いだっり、自身の意思を貫けなかった不甲斐なさだったりする。彼女が遡った時間には小さな物語が待っている。それら過去の思い出を生き直すことで、一人の女性の生様が浮かび上がる。これが狙いだ。

 なんだってキャバレーのダンサーか?まずは、シニア団公演恒例のオープニングダンスをストーリーに合わせて踊らせるってたくらみが一番だ。次に、歌えて踊れる役者がいるってことも大きい。シニアの女性たちを、およそ疎遠な男と女の淫らな世界に引き入れてみたいって邪な欲求、これもある。終戦直後の渋谷、水商売の家に生まれ育ち、間近に見たホステスさんや仲居さんたちへの追慕の念も大きい。こじつければいくらだって思いつくのが動機ってやつだ。

 この舞台では、女が立ち寄る各時代の手触りをなんとか描きたいとの思惑もあった。当時の流行語を取り込んだり、流行りの歌を流したり歌ったり踊ったりさせている。時代を映すには、歌謡曲の方がてっとり早いのだが、敢えて洋楽で歴史をたどることにした。「テネシーワルツ」「スィングスィングスィング」「素敵なあなたBei mir bist du schön」「Rock Around the Clock」「マンボNO5」「サマータイム」、ビートルズにつながる輸入音楽の流れだ。生演奏が売りのキャバレーを彩った懐かしい曲の数々。おっと、ギターやサックスが演奏できる役者がいるってことも大きいなぁ。今では忘れられた世界だが、洋楽に憧れ、洋楽に抱きしめられ、洋楽とともに生きた青春も間違いなくあったのだ。それを取り込むためにも、舞台はキャバレー!ってことかな。

 2時間を超える大作?稽古期間はわずかに2か月、シニア13人が歌い、踊り、演じる。これまでにまく厳しい舞台になりそうな予感。公演は7月31日(日)だ。

 

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