肉体と心の関係(3) 2012年9月2日
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(P.72) データ中心の医療:について吉田氏は
次のように述懐している
今の医学の主流(西洋医学) は、データ が重視されています。
データ とは、血液検査、CT,エコー、MRI,内視鏡 などからわかる
数値と映像です。
・・・略・・・
データさえあれば、患者さんの顔を見なくても、薬を処方できるという
ことです。これは日本だけの話ではありません。
世界の医療シーンにおいて、データを重視することは共通です。
しかし、その流れが、最近になり少し変わりはじめているようなのです。
“本当にデータだけでよいのだろうか?” と。
最近、病気を治す上で、精神の部分が大きく作用していることがわかって
来ました。
…略…
例えば、同時期に同じ病気になった患者さんが二人いるとします。
データに基づいて同じ治療を施しても、完治への流れはそれぞれに
違ってくるというのが事実です。
その違いは何なのか?
(P.73 )患者さんの性格や心の有り方(精神部分) が、病気と深く
結びついている現状が わかってきたのです。
…略…心と身体の療法を一緒に治療する “寄り添う医療” が重要である
として、最近の医学は取り組み出しているのです。…略…
寄り添う医療の本質は “心と身体のつながり” を理解することであり、
“主治医との出会い” という意味だけではありません。
主治医への他力本願することだけが、“寄り添う医療”の本質ではないのです。
ご自身の心のありかたが、人間本来の力をより良い方向へと導きさえすれば、
もうすでに“寄り添う医療”が あなたの中に存在していることになります。
(以上引用)
ここで 吉田氏は死を宣告されながらも、心と体の相互関係を実感されている。
寄り添う医療とは、医師や薬に頼るだけではなく、自分自身の
”生かす力”=自然治癒力が発動させることだと気がつかれて、
自分の心をコントロールしながら、余命を伸ばしていかれる。
自分の中にすでに、寄り添う医療の意味があると認識して、自分の余命を
むしばむ癌に対して、自分の心の中の闘いに、勇気をもって、挑んでいかれる
姿があった。
続く・・・・