或る方の体験
9月06日 (水曜日) 2012
今日は家庭内暴力についてお話しさせていただきたい。
ご主人に暴力をふるわれて、身体にあざをこしらえても、
それでも、夫と、別れられないという方がいた。
仮にHさんとする。
実家のご家族も、毎回、Hさんが、逃げて実家に戻ってくるたびに
離婚をすすめていたが、
いつの間にか夫のところに戻りたくなるという。
Hさんは母性愛の強い人だった。
夫の暴力にはパターンがあって、夫に従わないと急に
感情が激変して、顔つきが変わるという。
そして、夫が手をあげてしまい、Hさんが恐怖心で、
途方に暮れていると、
夫は
”自分はダメな人間だ。こんなに、お前を傷つけて“ と
Hさんに 謝罪をし、反省するのだという。
その時、Mさんは、
”ああ、この人は自分がそばにいてあげなければ
誰もわかってあげられないんだ“と、逆に夫に同情心が
湧いてきて、そのことを理解してあげられない自分自身
を責めてしまうという、
”自分さえ、変わればいい。 相手に対する愛情不足なんだ”
と反省して、夫と向き合おうと努力する、
そのバターンの繰り返しで、とうとう、ぎりぎりのところまで
暴力が身におよび、このままでは自分が殺されてしまう
かもしれないと殺気を感じたときだけ、実家に逃げ込むという。
しばらくセラピーを続けるうちに、
Mさんは自分の心を見つめる余裕がでてきた。
それは、自分が被害者だと思う反面、もしかしたら、夫が
自分に手を出させる原因は、自分にも あるかもしれない
という、それまで、考えてもみなかった局面だった。
Mさんは、子供のころ、たぶん、幼稚園にも上がらない年に、
ある顔見知りの男性から性的な嫌がらせを受けていたこと
を想いだした。
そして、それがトラウマとなり、年頃になって、
恋愛しても、性的な感情を相手から感じると、
意味なく不安な心持に陥って、自分が自分でなくなるような
分裂した感情を味わったという。
・・・続く・・・・
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