9月30日(日)2012年
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すでに ひとしきり聞こえていた蝉の声も いつの間にか
聞こえなくなりました。
もう、すぐそこに秋の気配が感じられます。
この夏に風邪をひかれたかたもいるでしょう。
風邪にもいろいろあります。必ずしも、咳や鼻水だけとは
限らず、消化器の風邪や
呼吸器の風邪、中には泌尿器の風邪もあるようです。
消化器の風邪は大概が下痢をしますし、呼吸器系の
風邪はなかなか、咳がぬけず、熱もあまり出ず、長引く
ようです。
泌尿器の風邪は咽喉から耳鼻、最後に泌尿器に異常を
感じます。
排尿の変化や便秘などの症状も出るようです。
カテゴリ―自然治癒力No.10までの記事を読んでいただければ、
風邪の一般的な発熱や咳・タンなどの症状が,自然治癒力の発動
であることが説明されています。
夏の風邪は汗と関係あります。発汗を拭かずに風に当たったり、
冷房で冷やしたりすると汗がひっこんでしまうので、
体にだるさが残ったり、風邪をひいたりしやすいのです。
汗をかけば一緒に塩分が出ていくので、泌尿器の助けをします。
秋にはいり夏のように汗をかかないときは、泌尿器の脱塩作用
の負担がますので、塩分が体から出ずらくなる分だけ、
血圧が上がったり、頭が重かったり、肩が凝りやすいという
現象もでてきます。
一般的にくしゃみをすると ”あれ、風邪かな?”という
気持ちがふっとおこるようです。
くしゃみは自然防衛反応であって、吸った空気の中の塵埃などの
遺物が気管に入ってきた時でるものです。
自然治癒力セラピー的にいえば、この時のくしゃみによって、
縮んでいた筋や凝りなどが 一瞬、刺激ががかかるため、
くしゃみと同時に、ほどけるという効果もあります。
気管の内側は、細かい毛のはえた上皮細胞で覆われ、
その細かい毛は常に口の方にむかってなびいているので、
異物は分泌物として痰となって、口から排泄される
わけです。
ですから、咳がでた、痰がからむといって、いたずらに
心配する必要はありません。
健康な時にも、このように、老廃物を出すために自浄作用が
行われている、異物が体に侵入して病におかされないよう、
自然治癒の防護力の一つとお考えください。
咳や痰が出たら、無理に薬で抑えたりせず、かえって、
水分を飲んで出やすくする方が体に負担なく、自然浄化作用
の手助けをすることができるのです。
”生命医療を求めて” の著者、内田久子医師は以下の
ように述べておられます。
”どのような細菌やウイルスが侵入しても、健全な生理作用
さえ営んでいれば,これを防御する作用が、人間の体にはすでに
備わっているのですから常に生体の自浄作用が完全に
営めるように、これを主導している精神面、つまり
心の持ち方を健全にすることが大切です。”(同著P.22より)
さらに、高熱や下痢をするときも 恐れたり 慌てたり
しないためにも、同医師の次の言葉をお読みください。
”われわれの体の生理作用には解毒作用、異物排泄作用、
免疫作用、組織再生作用などの自浄作用が、本来備わっている
ので、病気の症状の、ほとんどはこれらの作用によって
起こってくるのです。
いたみ、発熱、腫れ、下痢などの症状も病的状態を治す
ための、自然療能力の始まりでもあるのですから、いたずらに
恐怖することは、さらに病気を長引かせることになります”。
(以上P.26 )
自然治癒力は誰にでも備わっています。
風邪はある意味で、季節の変わり目に、それまで溜めていた
不浄化物を、熱や痰や下痢などで排出する、大掃除かもしれません。
自分は決まって~月に風邪をひくという方もいらっしゃるでしょう。
それが体のリズムです。
汗を抑えこみ、内攻させると、からだに 弊害がみられるように、
これらの、浄化作用を抑え込むと、内攻します。
出るものは抑えない、これが、自然治癒力の極意です。
汗でも熱でも、鼻水でも、痰でも、ガスでも、膿(うみ)でも、
出るものは出す。
なぜなら、体が大掃除をして そのゴミを排出してくれているからです。
浄化です。
それを抑え込むと、部屋の隅にゴミを少しずつ、ためていくような
ものです。
いつかそのゴミ袋から臭いがただよい、腐って、蛆虫(うじむし)
が発生するでしょう。
私たちの体でも、たとえば、癌細胞は、そのように自然発生
するとも考えられています。
細胞がいつの間にか癌細胞に変わっているという具合です。
とにかく、出すことを恐れないでください。
風邪をひいたら、安静に、体を冷やさず、水分をとって、
休養すること。
栄養になるからといって、無理に食べる必要もない。
体が欲するものをすこしづつ召し上がってください。
最後に、もう一度上記の内田先生の言葉を引用しますね。
腸ねん転の事を書かれていますが、ここでは穏やかな活気
に満ちた精神状態の時、体の運行も順調だということを
主眼にしています。
以下引用します。
”穏やかな活気に充ちた精神状態のときには、
腸の蠕動運動も順調であるが、
ひとたび、感情に激しい起伏が生じた場合には
腸がねじれたり(腸ねん転)、
腸の中に腸が重なって入り込む’腸重積症’や
腸の働きが急に止まってしまう
’麻痺性イレウス’など非常に重篤な腸閉塞症状が
起こってくる。”(P.54引用終わり)
心が穏やかで平常心であれば、体は本来の働きを
遺憾なく発揮します。
ひとたび、悲しみや憂鬱、怒りや激怒などで、感情が高ぶると、
とたんに、体の機能が正常に行かないということを、
先生は報告しています。
私たちが風邪をひいたときも、恐怖心にとらわれず、
平常心で対処すれば、自然治癒力が発動して、体の浄化作用が
難なく終わるということにもつながるでしょう。
秋風邪は、昼間と朝夕の気温差から冷えが体にはいり、
起こりやすいといわれます。
夜は暑いからと言って窓を開けっぱなしにせず、布団も
夏掛けに一枚足して、夜間冷えないよう上掛けなどに留意されて、
快眠されますように。